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「大学で失恋しまくった話、私小説にしてます!」【文学フリマ大阪12 出店レポート】
前回の東京38に出店不能となった瞬間、今度こそ…!という勢いだけで参戦することにした文学フリマ大阪12。
が終わってから1週間以上も経ってしまいましたが、個人としては初出店かつ、大阪の文フリそのものに参加するのも初めてで誰か1人にでも自分の創作が届けばいいなと呑気に構えていたところ、さまざまな出会いや発見がありました。
忘れないうちに記憶の限り、ここに記していきたいと思います。
いざ行かん大
【き-15】ばりとんくりそふぉん 文学フリマ大阪12 出店のお知らせ
文学フリマ大阪12 開催まで1週間を切ってしまいましたが、ブースの配置や新刊既刊の情報などが出揃いましたのでnoteでもお知らせしようと思います!
📕新刊『恋する青の鎖鋸 2 嘯く貴女と熱い夜』
B6/60ページ/800円
恋に恋する歪みの始まり。波乱と翳りの第2章、開幕。
2巻収録は、大学2年の夏までのお話です。
📗既刊『恋する青の鎖鋸1 薄紙とチェリーボンボン』
B6/60ページ
【恋愛私小説】恋する青の鎖鋸1章⑦「好意破れてなお続く」
前回↓
はじめから↓
二〇二二年二月二八日。
今日は吹奏楽団の定期演奏会だ。コンクールに参加しない我々にとって、この演奏会は一年の集大成を示す場でもある。
先程、最終確認を終えたため、後は三〇分後に迫る本番を残すのみだ。始めはホールの控室で待機していたが、緊張ゆえに逆に開き直ってしゃべり倒す面々についていけず、一人舞台袖で楽器と時間を過ごしている。
奏者も観客もいないステージは、輝
【恋愛私小説】恋する青の鎖鋸1章⑥「誰かを好きになることって凄く尊いこと」
前回↓
はじめから↓
十二月。乾いた冬の冷気が肌に刺さる。
十一月では毎週のように会っていたコノミとも、サークルがテスト期間の日は活動を行っていなかったため、しばらく顔を合わせていなかった。
それがよくなかった。
「恋愛結構苦手かも」という彼女の言葉を何度も反芻しては不安に駆られ、彼女の笑顔を思い出しては「好きだ」とひとりごつ日々。どうにもならない葛藤を吸い込んでは吐き出す。
【恋愛私小説】恋する青の鎖鋸1章⑤「この慕情を鎮める術を」
前回↓
はじめから↓
それから数日後。
『この前のアフタヌーンティーのお返しで連れていきたい所あるんだけど』
そのメッセージと共に、ある喫茶店のウェブサイトのリンクをLINEでコノミに送信した。
高円寺にあるその喫茶店は、店員が旅先で手に入れた食材を用いて、クリームソーダとカレーを提供するという他に類を見ないコンセプトを掲げている。喫茶店のツイッター公式アカウントから毎月限定のクリ
【恋愛私小説】恋する青の鎖鋸1章④「でしゃばりで身勝手な胸騒ぎ」
前回↓
はじめから↓
大学のイチョウ並木が少しずつ色付きはじめた十一月。
学園祭を間近に控えた学内は、少しだけ浮足立っていた。観客を呼ばずに、動画配信のみのオンライン開催とはいえ、コロナで失われていた日常が徐々に取り戻されていくような気がして、少しだけ嬉しかった。
吹奏楽団は学園祭のステージに向け、設けられた準備期間の中で練習に励んでいた。感染対策のために設けられたルール上、ステージ
【恋愛私小説】恋する青の鎖鋸1章③「タナトスに見つめられている」
前回↓
はじめから↓
気づけば十月になり、残暑を感じる日もほとんどなくなった。大学からの帰宅途中、季節に振り回されて相変わらず温度調節が下手くそな電車に揺られながら、ツイッターのタイムラインを眺めている。四月に大学垢をはじめて以降、ほとんど日課のようになってしまった。受動的に流れてくる多様な情報を、画面をスクロールしながら流し見るのは時間つぶしにちょうどいい。
フォローしている大学の知人の