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#創作大賞2024
もう祝うことのできない誕生日
今日は何かの日だ。しかし、何の日だか思い出せない。こんなことがよくある。だがそれは、大抵の場合、誰かの誕生日であることが多い。
私は昔、友人の誕生日を知ると、必ずカレンダーに記入していた。生まれてきたことを、そして生き続けていることを祝福するためである。だが、カレンダーに記入しなくなると、段々と忘れてゆき、このように何か引っかかる日になっていった。
十月十七日は、誰の誕生日だっただろう。し
共作小説【白い春~君に贈る歌~】第3章「繋ぎとめるもの、思いとどまらせるもの」③
繋ぎとめるもの、思いとどまらせるもの【エッセイ】
インドカレーが好きである。
特に好きなメニューはバターチキンカレーだ。チーズナンとサフランライス、そして野菜にオレンジ色のドレッシングも添えてあるのが最高である。
ああ思い浮かべるだけで唾液が分泌されてくる。ここ数年食べていないから、無性に食べたくなる。
東京に住んでいた頃、隣の駅近くに行きつけのインドカレー屋があった。
そこへ友人や
共作小説【白い春〜君に贈る歌〜】第4章「好きって伝えたかったら、嫌いって書けばいい」④
好きって伝えたかったら、嫌いって書けばいい【エッセイ】
髪を切ってもらいながら、美容師さんの好きな音楽について聴いていた。すると、あるバンドの名前があがった。私はそのバンドのボーカルを少し知っている。だが、黙ってそのまま聴いていた。
美容師さんの話は、だんだんと熱が入る。笑顔で相槌を打ちながら、Sさんのことを考えていた。
Sさんは日本武道館で歌っていた。
偉大なミュージシャンたちも、昔の