ryoma sato
脳震盪がおこったときのカルテ。本、音楽、映画、アート、インテリアが主。
天に向かって広がるあの角はすべてを受け入れる。
良い本、良い映画、良い音楽ーーー良いものとの出会い。 自分が「良い」と感じるものに出会った夜は寝付けない。高揚しているのは確かなのだか、冷静な自分もそこにはいる…
夏が肌にまとわりついてくる夜。俺は、あぐらをかきながら大江健三郎の死者の奢りを読んでいた。死者たちが生前の個性を濃褐色の溶液に溶かしながら、死者という強烈な個…
突然ですが、私は鹿が好きです。 きっかけは、、、、、ありません。 幼小の頃の鹿の思い出は、鹿のステーキを食べたくらいです。(北海道出身なので) 何故か好きなので…
男と目が合った。黄ばみ、黒ずんだ歯をのぞかせながら、奇妙な上目づかいで、俺を見透かすように見てくる。じっと見つめながら、犬のように身体を大きく震わせて、あばらを…
雨が上がった6月の夜、男は持病の偏頭痛で頭を揺らされながら、駅の喫煙所のベンチに腰を掛けた。自分が生まれた年に製造されたZIPPOで煙草に火をつけ、向かいのベンチ…
踊ってばかりの国の秋のワンマンライブに行ってきた。 圧倒的音圧を受けて、カラダは揺れ続け、脳は螺旋を描きながら昇天し、おれは何度も目を瞑った。 その音楽の海に溺…
個性的でありたいと願う人間に「どこが一番個性的であるか」という問いを投げかけるとなんと答えるだろうか。性質、性格、外見。それが個性的である所以は?私自身にも問い…
手の届くものになってしまった 君の横顔を重ねることも 手をかざして消してしまうことも 出来なくなってしまった ピントを合してシャッターを切るのは 君を時を宙に浮かせ…
2018年12月23日 21:55
良い本、良い映画、良い音楽ーーー良いものとの出会い。自分が「良い」と感じるものに出会った夜は寝付けない。高揚しているのは確かなのだか、冷静な自分もそこにはいる。この名状しがたい感覚を言葉にしてみようと思う。私がこの感覚を味わったことを思い出せるは小学校の頃だ。小学校の時に毎年新刊が出版されていた「ハリーポッター」、何度も読み返した「ダレン・シャン」。本を手に取るなり、寝る間も惜しんで読み続
2018年11月20日 11:41
夏が肌にまとわりついてくる夜。俺は、あぐらをかきながら大江健三郎の死者の奢りを読んでいた。死者たちが生前の個性を濃褐色の溶液に溶かしながら、死者という強烈な個性を吐き出し続けている。一本一本、短くなるまで煙草を吸いながら、そんな絵を想像していた。読み終えたと同時に灰が太ももに落ちた。しばらく、輪郭がはっきりとしない横顔が書かれた単行本の表紙を見つめ続けた。高揚するような面白い小説を読み終えたあと
2018年11月18日 20:46
突然ですが、私は鹿が好きです。きっかけは、、、、、ありません。幼小の頃の鹿の思い出は、鹿のステーキを食べたくらいです。(北海道出身なので)何故か好きなのです。アンティークショップや古着屋では、ハンティング・トロフィーの鹿が飾ってあるところが多く、テンションがあがってついつい触ってしまいます。自分でも謎だったので私の中での「鹿」を考察しようと思います。私が改めて感じている鹿の
2018年11月18日 18:34
男と目が合った。黄ばみ、黒ずんだ歯をのぞかせながら、奇妙な上目づかいで、俺を見透かすように見てくる。じっと見つめながら、犬のように身体を大きく震わせて、あばらを鳴らして、机に腕を打ち付け続けている。爪が異様にのびて、黒ずんでいる。時折、発する笑い声が、耳ではなく、俺の脳に響く。この男の行動には、一定の周期があるようだ。ぶつぶついいながら、全身を空気に叩き付け、肺で笑う。そして、肺を震わせくしゃみを
2018年11月18日 18:19
雨が上がった6月の夜、男は持病の偏頭痛で頭を揺らされながら、駅の喫煙所のベンチに腰を掛けた。自分が生まれた年に製造されたZIPPOで煙草に火をつけ、向かいのベンチに座っていた若い男女たちを何気なく見つめた。そこの喫煙所は、自販機の明かりしかないため、顔が暗闇から染み出したように見える。女が笑う度に歯だけが一層闇から浮き出し、顔全体に広がっていく。ベンチが濡れていたことへの後悔が偏頭痛と共鳴を起こ
2018年11月18日 18:06
踊ってばかりの国の秋のワンマンライブに行ってきた。圧倒的音圧を受けて、カラダは揺れ続け、脳は螺旋を描きながら昇天し、おれは何度も目を瞑った。その音楽の海に溺れ続けるのには音の情報量が多すぎたため、視覚を遮断せざるを得なかった。目を開けては閉じ、開けては閉じ、そのたびにステージが脳裏にこびりつく。その映像が重なっていき、輪郭を持たない5人が音楽に溶けていった。最高の夜、「行けると
2018年11月18日 17:59
2018年11月18日 17:48
個性的でありたいと願う人間に「どこが一番個性的であるか」という問いを投げかけるとなんと答えるだろうか。性質、性格、外見。それが個性的である所以は?私自身にも問いかけてみた。男、北海道出身、175㎝、眼が茶色、、、いくら挙げても記号の集合密度が薄まるだけであることに気が付く。これについて小林秀雄はゴッホが弟に宛てた書簡から語る。ゴッホは自分の精神病と戦い続けた男である。己の狂気性を恐れ、またそれに真
2018年10月21日 17:43
手の届くものになってしまった君の横顔を重ねることも手をかざして消してしまうことも出来なくなってしまったピントを合してシャッターを切るのは君を時を宙に浮かせたいだけなのにあの星には君がいるけどおいしそうには見えないかな目指すのはあのぼんやりとした月雲をまとったあの柔らかな光のことで見つめる先の黒い瞳にあの月が1回転した自分がいる鏡の前のあの人は今も時計ばかりを見つめてい