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商社マンによる総合商社のビジネスモデル解説

こんにちは!
総合商社3年目で就活アドバイザーのYasuです。

就活を進めていく中で、
「総合商社ってどんなビジネスをしているの?」
と疑問に思った方はいらっしゃいませんか。

事業領域と活動エリアが広い総合商社のビジネスを把握するのは至難の業ですし、入社した後でも関係のない部署が何をしているのか分からないです。

そこで今回は、業界で働いている者の視点で、
◆ 総合商社のビジネスモデルと強み
◆ 就活で志望理由を話す際の注意点

を解説していきたいと思います。

なるべく簡潔にざっと読めるように書きます!

筆者ってどんな人?
2019年卒で、総合商社にて勤務しております。
趣味:読書とスポーツ全般
出身大学:MARCHレベル
就活時は幅広く業界を見ており、40社にエントリー。面接も70回以上受け、結果的に外資金融、外資コンサル、大手食品メーカー、広告代理店を含む6社から内定をいただきました。
noteでは、就活のコツや総合商社業界に関する記事を中心に書いています。
学歴で諦めない、攻めの姿勢の就活を応援します!
profile:https://note.com/bookbility/n/nfd1539ae83ba

総合商社のビジネスモデルとは?

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総合商社のビジネスモデルと聞いて一番最初に思いつくのは
「トレーディング」と「事業投資」
という言葉ではないでしょうか?

トレーディング:買い手・売り手の間に入り、商品の輸出入を行うことで      
         利ザヤを稼ぐ
事業投資:企業に投資を行い、経営に入り込むことで
      株式持ち分の利益を得る

この2つが総合商社のビジネスの軸になっているのは、間違いないです。

総合商社の生業はこれまでトレーディングが中心でした。
伊藤忠と丸紅の創業者、伊藤忠兵衛は近江商人として麻布の出張販売を行って、お金を稼いでいたのです。

ところが、1980年代に「商社不要論」が唱えられるようになり、「商社冬の時代」に突入してしまうのです。

80年代からメーカーが力を持つようになり、自社で調達・卸売・販売を行うようになりました。
これにより、間をつないでいた商社は「中抜き」にあってしまいます。

分かりやすい例は、ユニクロです。
ユニクロは自社製品を自前の小売店で販売するだけでなく、オリジナル商品の開発も自社で行っています。

トヨタも調達、パーツの製造、組み立て、販売まで全ての機能をグループ内に組み込んでいますよね。

これでは右にあったものを左に移す商社のトレーディングでは、稼げなくなります。移動だけでなく付加価値を生む必要があるのです。

そこで出てきたのは、事業投資。
トレーディングで広げてきたネットワークをもとに製造のサプライチェーンに入り込み、投資・経営を行います。
中抜きされる心配もなく、経営自体に関われるメリットも。
昨今、どの総合商社も事業投資による利益がトレーディングを遙かに上回っている状況です。

20年12月データで1,785社のグループ会社に出資している三菱商事は、
構想力・実行力・倫理観を持った経営人材になることを大きな目標として掲げています。

事業投資の機会が増えたのですから、「経営ができる人が欲しい」というのは、当然の流れなのかもしれません。

投資は勿論リスクがつきもの。
三菱商事は20年度決算にて、ローソンで836億円、三菱自動車を始めとするモビリティ事業で、526億円の減損を出してしまいました。
コロナの影響が大きかったようですね。

先が見えない世の中ですが、投資の精度を上げていくことが商社に求められているのだと思います。

トレーディングと事業投資という言葉、ぜひ覚えてください!

総合商社のビジネスの強みは?

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トレーディングと事業投資は、他の業界でもできることですよね?

専門商社のトレーディング量は依然として多いですし、ソフトバンクなどのIT企業による事業投資も多いです。

では、総合商社のビジネスの強みは何でしょうか?
2つあると思います。

まずは言わずもがな、
★世界中に広がるネットワークを持つ点ですね。
長いトレーディングの歴史と厚い信頼から、投資先に地理的な制限がありません。
仮に「アフリカに投資したい!」と思っても平均的なグローバル企業ではなかなか難しいですよね。

2つ目は意外と重要。
★サプライチェーンを網羅している点です。
例えばサーモン養殖事業で考えてみますと、
サーモンの養殖→加工→梱包→販売
上記のサプライチェーン全てに着手しており、グループ会社が関わっています。
つまり、顧客のニーズをタイムリーに掴んで調達に反映できるのです。

三菱商事と伊藤忠商事はそれぞれローソン、ファミリーマートを傘下に置くため、国内のトレンド把握について、有利な印象があります。

総合商社はエリアを限定せず、様々なポジションでビジネスに関われるのが魅力です。

志望理由「それ本当に総合商社?」

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おまけですが、就活関連のお話をします。
総合商社は事業投資に舵を切っている一方で、
「トレーディングをやりたい」という志望理由を持っている就活生が実は多いのです。

「物でギャップを埋めて、発展途上国と先進国の貧富の差をなくしたい」という志は素晴らしい一方で、
「本当に総合商社でやりたいのかな?」
と疑問に思うことがあります。

上でもお話ししましたが、トレーディングをメインで事業を展開しているのは"専門"商社です。
商材も特化しているので自身のキャリアビジョンを立てやすいのではないでしょうか?

私が面接官でしたら、配属リスクを背負って(担当したい商材が扱えない可能性が高い)総合商社でトレーディングに従事したい理由が知りたいなと思います。

トレーディングはまだまだ総合商社の基本ですので否定はしていませんが、経営人材が求められている中、敢えて志望理由として言うのであれば、
しっかりと準備しましょう。

総合商社の志望理由の立て方は以下で説明しています。

まとめ

今回は総合商社のビジネスモデル、強み、そして志望理由を話す際の注意点について解説してきました。

商社志望の方はこれを機にぜひ「トレーディング」「事業投資」だけでも覚えておいてください。

また、サプライチェーンを網羅してビジネスを展開しているという強みも把握しておくと良いです。
ここが、専門商社やメーカーと一番違う点ですので…

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