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(じぶん用)何度も読み返したい記事

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ひそやかなバラの名前

ひそやかなバラの名前

30年ほど前のこと、関東近県で新しく誕生したバラに名前が公募され、参加したことがあった。

企画に関わる親しい友人に誘われての参加だった。主催はバラ園だったのか、愛好家の方だったのかよく覚えていないが、それほど大々的に行われたものではない様子だった。

そのバラは、こちらの昨日のつぶやきのものに少し似た雰囲気があった。(ヘッダーはつぶやきと同じ写真です)

色はこれよりも淡く、ほぼ白といってもいい

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若葉のプリーツ

若葉のプリーツ

よいお天気で気温20℃前後という日が続いたせいか、草木が俄然元気だ。

昨日の土曜日は近所中で芝(うちは芝ではなくその他諸々勢。いわゆる雑草)を刈る音が聞こえていた。
あちらこちらに漂うソーセージを焼く匂いが、初夏の幕開けを告げているようだ。

さて、先週の森の散歩で、間伐作業の進められている一角を通った。

「材木」となってしまった幹から出ていた細い細い枝。折れかかっていたのを夫が持ち帰った。

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ひとひらに宿るもの

ひとひらに宿るもの

このときのチューリップももう終わり。

残った3本は毎日水切りをしてだいぶ短くなった。

畑から切ってきたときのすっと背伸びをするような瑞々しさにもだが、時を経た姿にしかない美しさにも惹かれる。

透きとおるような光沢はとろりとした上質なシルクのよう。

感謝と賞賛を。
ひとひらに宿る神秘を感じながら…

さて、今年の山の桜は

さて、今年の山の桜は

昨日の日曜日、昨年の5月↓にも記事にしている森のあの場所に、山の桜を見に行ってみた。

昨年はちょっと遅く、だいぶ散ってしまったあとだった。
ちょうどよい頃合いは、おそらくその10日前ぐらいだったはず。そしてその頃には、昨日のつぶやきにも載せた近所の八重桜が満開だった。

ということは、八重桜が見頃になっているいま行けばいいのではないか、と思ったわけだ。
土曜日の気温27℃からは若干下がったし、標

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ロンドン生活516日目|Barbicanへ

ロンドン生活516日目|Barbicanへ

Moikka! Olen mitsuki.🍄

今日と明日はHolidayを取っていて、久しぶりにBarbicanに行ってきたよ!クラシックだけど、やっぱりロンドンの建築の中で一番気持ちが良い。風の抜け方とか、水の存在感などとても良い。因みにトトロはここの劇場でやっているのだけど、場所の選定大正解だと思う。都会の喧騒から切り離されて、良い風が抜ける場所にある劇場といったらロンドンの中でここしか無

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また「すずき」を|魚介のおいしいレストラン@ミラノ

また「すずき」を|魚介のおいしいレストラン@ミラノ

義母の誕生日ランチに訪れたレストランでの続き。

前の記事で紹介したアンティパストのあと、プリモ・ピアット(第一の皿。リゾットやパスタなど)はパスして、セコンド・ピアット(メイン)へ。

絶対あるはず、と、ちらっとメニューを確認し即決したのは…

Branzino al sale=すずきの塩ロースト!嬉
(珍しく太字にしております)

もうひとり、家族の中に絶対このメニューを注文するだろう人がいる

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ピィと鳴かないピィ

ピィと鳴かないピィ

ときどき青空の一片がのぞくもののほぼ曇天、時々小雨という日が続く。
そんな中、元気に活動している鳥がいる。

カササギだ。
シャープな白黒に羽と尾の青が美しい。

鳴き声は「カシャカシャ」や「カチカチ」と形容されることが多いようだが、このあたりでよく聞くのはもっとダミ声というか、「ギャ、ギャギャギャ」といったイメージだ。

生涯を同じ相手と過ごす、いわゆる一夫一婦制をとると聞く。
冬のあいだから巣

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クリームソーダ、あの日の #『こりずに わるい食べもの』を読んで

クリームソーダ、あの日の #『こりずに わるい食べもの』を読んで

 千早茜さんの『こりずに わるい食べもの』を読んだ。

 千早さんは『しろがねの葉』で直木賞を受賞された作家さん。noteの連載で食にまつわるエッセイを読み、精緻な情景描写と淡々とした文章に引き込まれ、すっかりファンになった。

 私は人見知りならぬ作家見知りをする質で、文体やリズムに慣れるまで時間がかかるのだけれど、千早さんの文章はすっと入ってきて、すぐに馴染んだ。小説はもちろん、エッセイ集の『

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球根のある暮らし

球根のある暮らし

風は冷たいけど日差しはだんだん暖かく、春の気配を感じられるようになってきました。
ひと足早く春らしさを味わいたくて、今年は球根の水耕栽培を始めてみました。

球根は美殿町のnii-Bさんで購入。
オンラインストアでもお買い求め頂けます〜◎

こんな感じで、球根生活を満喫した1月〜2月でした。
プランターを用意する必要もないし、ベランダで場所も取らない(これ以上置く場所があんまりない…)し、毎日の変

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快晴の雪原を歩く

快晴の雪原を歩く

土曜日は久々に文句なしの快晴。
日照時間=8時間という予報は当たった。

5年ぶりのドイツの冬となった息子も一緒に、車で雪のあるところへ向かった。

たくさんの人が通るが、雪が払われることなくこのまま残されているベンチというのがなんかいい。

午前中から出かける場合はだいたいおにぎりやサンドイッチなどを持って出かけることが多い。
でもこの日は朝のスタートが遅く、現地で調達しようということになってい

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一緒に雪見を

一緒に雪見を

昨日は思いがけず街なかの平地でも雪になった。

朝、少しだけ風花が舞ったものの、降雪確率はゼロのはず。それがお昼ごろには本格的に降りはじめ、辺りは柔らかな白でうっすらと覆われた。

ゲストルームのようになっている2階の部屋を掃除していると、斜め向かいのご主人が道路の雪を除けているのが見えた。
うちもやらなきゃな、と思いつつ、なんだか昨日は家事の手際が悪く(いつもか)、すっきり進まないでいた。
「あ

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霧氷の森散歩

霧氷の森散歩

氷点下の気温が続き、湿度が増した。
街から山の尾根を眺めると、上のほうがうっすらと白い。

日曜の午後、20分ほど車を走らせて冬化粧した森へ行ってみた。

雪は積もっておらず、地表に霜が降りているという感じ。滑らずに歩けたのはよかった。

林道沿いの小さな沢から道を横切る流れが凍り、枯れ葉が閉じ込められている。

初夏にはカモの親子の泳ぐ池も凍っていた。

歩いているうちに少し青空が見えてきた。

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北欧の国に幸せはない

北欧の国に幸せはない

「世界一幸せな国ってどんなだろう」
「行って住んでみれば何か変わるかもしれない」
フィンランドに留学に行く前、そう思っていたわたしは本当に幸せを「追い求めるもの」と認識して過ごしていたなと今はとても俯瞰して見ている。

ただ、行ってよかったと、本当に心の底からそう思う。
行ってわかったことがあるから、その後触れられた今の価値観が心の底から尊いものだと思えるなと今は感じている。

北欧の国へ行くとき

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はじめましての再会|高速バスでの出会い

はじめましての再会|高速バスでの出会い

先日、ミラノへ向かう高速バスの車内でのこと。

私たちの斜め前の席に二人連れの男性がいた。
一人は私たちと同じぐらいの年だろうか、もう一人はずっと若く、親子のように見えた。

発車してしばらくすると、快晴だった空がミルク色に変わっていき、やがて視界を遮る濃霧となった。
そんな空が暗示するように、なにかよくないことが起こったらしい。ふたりは急に落ち着かない様子で話しはじめた。

一緒に乗っていた夫は

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