川内有緒(かわうちありお)
記事一覧
心のなかをのびのびと自由でいさせる方法とは
先日出版した『自由の丘に、小屋をつくる』の試し読みができるようになりました!!以下のサイトで1章まるまる読んでいただけます。 https://www.bookbang.jp/article/76…
美術作品の中で眠ったら、一回死んで生まれ変われた気がした
先週、4泊5日で一人旅していた。
娘が生まれて以来、はじめてのひとり旅。何年もとても忙しい日々だったので、自分にちょっと休暇を与えてみることにしたのだった。
どこに行こうかなぁ。せっかくだから海外に行こうかなとも思ったんだけど、結局5日しかないので、前から行ってみたかった豊島美術館を目指すことにした。
コロナ以降、あまり使う機会がなかったマイルを使い、高松空港行きのフライトを予約。あとは適当
午前4時の試写室 vol.4 韓国へ続く道
今年、すでに韓国に2回行った。不思議なもんだ。だって、この年になるまで韓国とはほとんど縁がなかったから。2021年ごろまで韓国ドラマも見たことなかったし、K Popも聞かず、韓国の作家の本も数えるほどしか読んだ記憶がない。ただし、初めて行ったのだけはわりと早くて、1988年、高校生の頃だった。
それは2泊3日の普通の観光旅行で、最初は母や妹と行く予定だった。しかし、父が突然「重度の蓄膿症」という
『ロッコク・キッチン』 食の記憶を探して 国道6号線を行く
少し前になるけれど、福島県の双葉町と大熊町における2週間の滞在作品制作を終えた。『ロッコク・キッチン』というプロジェクトで、キッチンや食を通じて、暮らしを紐解きつつ、一冊の本と映画を作っていくというなかなかの長期プロジェクトだ。ロッコクとは、仙台から日本橋まで続く国道6号線のこと。まずはロッコク沿いの町に住む人々に呼びかけ、食にまつわるエッセイを募集するということろからプロジェクトは始まった。通常
もっとみる心のなかをのびのびと自由でいさせる方法とは
先日出版した『自由の丘に、小屋をつくる』の試し読みができるようになりました!!以下のサイトで1章まるまる読んでいただけます。
https://www.bookbang.jp/article/766829
そこに出てくるのが、娘のためにはじめて作った小さな机。家庭科が「一」で、不器用すぎる自分には大きなチャレンジでした。
8年後も現役で、なかなか長持ちしています。我ながら手作りらしい味が出てい
午前四時の試写室 (後編)
映画の宣伝・配給というものに実に多くの資金が必要になることを知った私と三好は、最終手段ともいえるクラウドファンディングを決意した。配給のための資金なので、キャッチフレーズは「映画を全国に届けたい!」である。
威勢の良いフレーズと比例するように、私は不安がどーんと募り、夜もよく眠れなかった。過去に一度だけ友人の作品集を制作するためにクラウドファンディングをしたことはあったが、今回はその時の四倍近い
午前四時の試写室 (前編)
二〇二二年の二月一〇日午前五時五〇分――。
私と友人の三好大輔は、制作中のドキュメンタリー映画の試写をしていた。場所は、私の自宅マンションのリビング。夜半まで編集作業を続け、いったん仮眠をとり、家人が眠っているさなかの午前四時から試写を始めるというのがこの頃の習慣だった。プロジェクターで壁に映像を投映すれば、即席の試写室ができあがる。まだ映画のタイトルは決まっていなかった。
エンドロールが
本屋大賞ノンフィクション本大賞を受賞しました
先週の金曜日、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』が本屋大賞ノンフィクション本大賞を受賞いたしました。大きな喜びと、そこに輪を大きな驚きとともに受けとめています。
受賞の第一報は、担当編集者の河井さんからの電話でした。その日は週末の朝で、娘とふたりでぼやっとしながらコーヒーを飲んでいました。あれ、週末の朝に電話?なんだろう、珍しいな。おっ、まさか、増刷か!?と思いながら電話をとると「受賞」