記事一覧
【はじめに】エはSFのエ〜SFの百科全書が欲しい#1
はじめまして、AI42と申します!
1995年生まれのサラリーマンです。
SF小説が好きで、この面白さをみなさんに共有できればと思い、noteを始めました。
コンセプトそもそもSFというのが、あまりメジャーなジャンルではないのかなと思います。。
最近は、SFプロトタイピングのようにビジネスでSFが注目されるなど、昔よりは認知度が広がっているように思いますが、まだまだです。
本noteでは、S
【SF雑記】崩壊スターレイルのパロディ#18
最近、崩壊スターレイルというゲームにハマっています。
このゲームはターン性コマンドバトルのRPGで、ストーリーを簡単に説明すると、災厄の元となる星核によって引き起こされる事件を解決するために宇宙を旅する星穹列車の乗組員となり、星々をめぐるといったものです。
舞台が宇宙であり、物語の設定もSFチックなものが多いです。例えば、反物質や虚数エネルギー、光円錐といった名前だけでテンション上がるようなも
【雑記】科学と民主主義が交差するとき
『テクノクラシー』という言葉をご存知でしょうか?
デジタル大辞泉によると以下のように解説されています。
テクノクラートというのは政策決定に関与する技術官僚や専門家のことを指します。
昨今の政治家の裏金問題などの政治不信を考えると、政治家が国会で政策を決めるよりも専門家がエビデンスに基づいて政策決定した方が社会は良くなるのかもしれません。それかMAGIシステムのようなAIによる合理的な決定とか。
【雑記】ディストピアの条件#14
SF小説の中でも、ディストピアものは人気のジャンルです。
コテコテな作品を言えば、『1984年』『すばらしい新世界』『われら』などが挙げられます。
自分もディストピア小説が好きで、伊藤計劃さんの『ハーモニー』を大学時代に読み、そこからSFを読み始めました。
なので、ディストピア小説に対する思い入れはそこそこあるのですが、『侍女の物語』や『誓願』の翻訳者である鴻巣友季子さんの『文学は予言する』とい
【2023.11月まとめ】SF百科全書への道②#13
11月に紹介した2冊のSF小説に登場したガジェットや思想などを、この記事で紹介します。
我心匪石 不可轉也
我心匪席 不可卷也
『顔の美醜について』カリーアグノシア(美醜失認処置)
顔の美醜に関する判断だけを失認させる処置。ニューロスタットというプログラム可能な薬剤を注入し、特定の部位のニューロスタットを活性化、非活性化させるプログラムができるヘルメットで、顔の美醜を判断する神経回路を閉鎖
【小説】公平という名の未来〜『顔の美醜について』#10
『顔の美醜について』(原題:Liking What You See : A Documentary)は、短編集『あなたの人生の物語』に収録されているテッド・チャンの短編小説です。表題作の『あなたの人生の物語』は、映画にもなったテッド・チャンの代表作です。
テッド・チャンについてテッド・チャンの短編作家としての力量については、スタージョン(小説よりもスタージョンの法則でよく知られるSF作家)や、ル
【小説】イモータリティ イズ ジャスティス〜『ボーダーガード』#8
『ボーダーガード』(原題:Border Guards)はオーストラリア出身のSF作家グレッグ・イーガンが、1999年に発表した短編小説です。2000年の英語圏のSF・ファンタジーの文学賞であるローカス賞中編部門を受賞しています。本作品は、短編集『しあわせの理由』(早川書房、2003年)に収録されています。
イーガンは現代ハードSFの代表的作家です。ハードSFとは、厳密な科学理論に基づいて描かれた
【小説】人間の終焉〜『すばらしい新世界』#7
「すばらしい新世界」(オルダス・ハクスリー/黒原敏行、光文社、2013)は、イギリスの作家オルダス・ハクスリー(1894~1963)が1932年に発表したディストピア小説です。原題「Brave New World」です。
出版から90年以上経った今でも、色褪せないディストピア小説の古典的名作となっています。
世界観この世界はT型フォードが発売された西暦1908年を元年とするフォード紀元(AF)が
【小説】隠れたアシモフのベスト短編〜『夜来たる』#6
『夜来たる』(原題:Nightfall)はアイザック・アシモフが、1941年の21歳の時に発表した短編小説です。
アシモフといえば、ロボット三原則やファウンデーションが有名ですが、アシモフのベスト短編としてよく挙げられるのが、この『夜来たる』です。
(※短編小説の『夜来たる』は、ハヤカワ文庫から出ている同名の短編集『夜来たる』に収録されています。長編小説の方ではありません。。なお、早川書房から出
【小説】宇宙スケールの勇気と友情の物語〜『たったひとつの冴えたやりかた』#4
本書は「The Starry Rift」という原題で1968年に発表されたものを元にして、収録されている作品のうちのひとつからタイトルをとり、邦題を「たったひとつの冴えたやりかた」として、1978年に早川書房から出版されたジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの作品です。
体裁上は、宇宙連邦のデネブ図書館に連邦草創期の人間のファクト・フィクションを探しにきたコメノという種族の宇宙人の学生が、この3編