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記事一覧
【小説】公平という名の未来〜『顔の美醜について』#10
『顔の美醜について』(原題:Liking What You See : A Documentary)は、短編集『あなたの人生の物語』に収録されているテッド・チャンの短編小説です。表題作の『あなたの人生の物語』は、映画にもなったテッド・チャンの代表作です。
テッド・チャンについてテッド・チャンの短編作家としての力量については、スタージョン(小説よりもスタージョンの法則でよく知られるSF作家)や、ル
【小説】宇宙スケールの勇気と友情の物語〜『たったひとつの冴えたやりかた』#4
本書は「The Starry Rift」という原題で1968年に発表されたものを元にして、収録されている作品のうちのひとつからタイトルをとり、邦題を「たったひとつの冴えたやりかた」として、1978年に早川書房から出版されたジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの作品です。
体裁上は、宇宙連邦のデネブ図書館に連邦草創期の人間のファクト・フィクションを探しにきたコメノという種族の宇宙人の学生が、この3編
【小説】隠れたアシモフのベスト短編〜『夜来たる』#6
『夜来たる』(原題:Nightfall)はアイザック・アシモフが、1941年の21歳の時に発表した短編小説です。
アシモフといえば、ロボット三原則やファウンデーションが有名ですが、アシモフのベスト短編としてよく挙げられるのが、この『夜来たる』です。
(※短編小説の『夜来たる』は、ハヤカワ文庫から出ている同名の短編集『夜来たる』に収録されています。長編小説の方ではありません。。なお、早川書房から出
【小説】人間の終焉〜『すばらしい新世界』#7
「すばらしい新世界」(オルダス・ハクスリー/黒原敏行、光文社、2013)は、イギリスの作家オルダス・ハクスリー(1894~1963)が1932年に発表したディストピア小説です。原題「Brave New World」です。
出版から90年以上経った今でも、色褪せないディストピア小説の古典的名作となっています。
世界観この世界はT型フォードが発売された西暦1908年を元年とするフォード紀元(AF)が
【小説】イモータリティ イズ ジャスティス〜『ボーダーガード』#8
『ボーダーガード』(原題:Border Guards)はオーストラリア出身のSF作家グレッグ・イーガンが、1999年に発表した短編小説です。2000年の英語圏のSF・ファンタジーの文学賞であるローカス賞中編部門を受賞しています。本作品は、短編集『しあわせの理由』(早川書房、2003年)に収録されています。
イーガンは現代ハードSFの代表的作家です。ハードSFとは、厳密な科学理論に基づいて描かれた