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小説紹介

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これまでに紹介した小説をまとめています。
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記事一覧

【小説】プライバシー売ります〜『ユートロニカのこちら側』#12

【小説】プライバシー売ります〜『ユートロニカのこちら側』#12

「足し算のできるゴリラは朝食のあとにブラックコーヒーを飲むか?」

あなたはこの質問に対してどう反応しますか?

これは、「ユートロニカのこちら側」という小説に登場する、実験都市アガスティアリゾートへ移住するための応募HPで問われる質問です。

なんの意味があるかかわからない質問ですが、小説を読み進めていくと、この質問が確かにアガスティアリゾートで住むための適性を図ることができる質問になっていると

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【小説】多様性への寛容は虚栄か?〜『正欲』#11

【小説】多様性への寛容は虚栄か?〜『正欲』#11

※ネタバレを含む記事です。

『正欲』は朝井リョウさんによる新潮社から2021年に出版された小説です。
2023年11月10日に映画も公開されます。

発売当時にも読んでいたのですが、先日、映画を観に行くにあたって、小説の方を再読しました。

テーマは”多様性”?こちら出版社の方も販促に気合が入っており、特設サイトも開設されています。

特設サイトには、以下の小説のセリフが引用されています。

【小説】公平という名の未来〜『顔の美醜について』#10

【小説】公平という名の未来〜『顔の美醜について』#10

『顔の美醜について』(原題:Liking What You See : A Documentary)は、短編集『あなたの人生の物語』に収録されているテッド・チャンの短編小説です。表題作の『あなたの人生の物語』は、映画にもなったテッド・チャンの代表作です。

テッド・チャンについてテッド・チャンの短編作家としての力量については、スタージョン(小説よりもスタージョンの法則でよく知られるSF作家)や、ル

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【小説】未来の残酷さ〜『第四間氷期』#2

【小説】未来の残酷さ〜『第四間氷期』#2

「第四間氷期」は安部公房による、日本で最初の本格長編SF小説と言われています。間氷期とは、氷河時代のうち、寒冷な氷期と氷期の間にある断続的な温暖期のことです。現代も氷河時代と整理されており、現在のこの時代の間氷期を、本書では<第四>間氷期と呼んでいます。

あらすじソ連が世界で初めて予言機械「モスクワ1号」を作り様々な予言を的中させます。そこで、日本も対抗して、中央計算技術研究所の勝見博士(主人公

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【考察】未来への責任〜『第四間氷期』#3

【考察】未来への責任〜『第四間氷期』#3

以前の記事で安部公房の小説「第四間氷期」(新潮文庫,昭和45年)について、紹介しました。

今回は、第四間氷期のテーマについて、個人的な考えを紹介していきたいと思います。

※この記事にはネタバレが含まれています。

未来への責任個人的にはこの小説のテーマは、現代人の「未来への責任」と考えています。

この小説は、これから来たる海底火山の噴火による陸地の水没の未来で、人類の存続をかけて、現在の人類

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【小説】宇宙スケールの勇気と友情の物語〜『たったひとつの冴えたやりかた』#4

【小説】宇宙スケールの勇気と友情の物語〜『たったひとつの冴えたやりかた』#4

本書は「The Starry Rift」という原題で1968年に発表されたものを元にして、収録されている作品のうちのひとつからタイトルをとり、邦題を「たったひとつの冴えたやりかた」として、1978年に早川書房から出版されたジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの作品です。

体裁上は、宇宙連邦のデネブ図書館に連邦草創期の人間のファクト・フィクションを探しにきたコメノという種族の宇宙人の学生が、この3編

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【小説】これが元祖ユートピア!〜『ユートピア』#5

【小説】これが元祖ユートピア!〜『ユートピア』#5

「ユートピア」(トマス・モア/平井正穂 訳,岩波文庫,1957年)は、イギリスの法律家、人文学者のトマス・モア(1478~1535)が1516年に、理想の国ユートピアについて描いた小説です。

この小説のタイトルのユートピア(Utopia)は、「どこにもない国」(ギリシア語の「οὐ(not)」と「τόπος(place)」という意味のトマス・モアの造語です。
ユートピアという言葉は、今では一般的に

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【小説】隠れたアシモフのベスト短編〜『夜来たる』#6

【小説】隠れたアシモフのベスト短編〜『夜来たる』#6

『夜来たる』(原題:Nightfall)はアイザック・アシモフが、1941年の21歳の時に発表した短編小説です。
アシモフといえば、ロボット三原則やファウンデーションが有名ですが、アシモフのベスト短編としてよく挙げられるのが、この『夜来たる』です。

(※短編小説の『夜来たる』は、ハヤカワ文庫から出ている同名の短編集『夜来たる』に収録されています。長編小説の方ではありません。。なお、早川書房から出

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【小説】人間の終焉〜『すばらしい新世界』#7

【小説】人間の終焉〜『すばらしい新世界』#7

「すばらしい新世界」(オルダス・ハクスリー/黒原敏行、光文社、2013)は、イギリスの作家オルダス・ハクスリー(1894~1963)が1932年に発表したディストピア小説です。原題「Brave New World」です。
出版から90年以上経った今でも、色褪せないディストピア小説の古典的名作となっています。

世界観この世界はT型フォードが発売された西暦1908年を元年とするフォード紀元(AF)が

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【小説】イモータリティ イズ ジャスティス〜『ボーダーガード』#8

【小説】イモータリティ イズ ジャスティス〜『ボーダーガード』#8

『ボーダーガード』(原題:Border Guards)はオーストラリア出身のSF作家グレッグ・イーガンが、1999年に発表した短編小説です。2000年の英語圏のSF・ファンタジーの文学賞であるローカス賞中編部門を受賞しています。本作品は、短編集『しあわせの理由』(早川書房、2003年)に収録されています。

イーガンは現代ハードSFの代表的作家です。ハードSFとは、厳密な科学理論に基づいて描かれた

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