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音楽史・記事編131.ウィーン・ロプコヴィッツ宮殿
〇ハイドンとベートーヴェン、ロプコヴィッツ侯爵から弦楽四重奏曲を委嘱される
ベートーヴェンは1792年に生まれ故郷のボンからウィーンに音楽留学し、そのピアノ演奏はウィーン中の評判となり、作曲においても作品1の3曲のピアノ三重奏曲をリヒノフスキー侯爵に献呈し、さらに作品2の3曲のピアノ・ソナタを師のハイドンに献呈し、そして作品12の3曲のバイオリン・ソナタをベートーヴェンの歌曲の師である宮廷楽長
音楽史・記事編125.ウィーン・ベートーヴェン記念館(パスクアラティハウス)
ベートーヴェンは1804年10月から08年6月まで、また1810年4月から15年春までの間、メルケルバスタイのパスクアラティ男爵所有の住居に居住し、ベートーヴェン中期の傑作を作曲しています。ベートーヴェンはこの住居をウィーンの拠点とし、たびたびバーデンやメードリンクなどに避暑などに出かけていたようです。
〇パスクアラティハウスにおける創作
メルケルバスタイのパスクアラティハウスはベートーヴェ
音楽史・記事編123.ウィーン・フォルクスオパーと「魔笛」
〇フォルクスオパーの歴史
ウィーンのオペラ劇場はウィーン国立歌劇場のほかにアン・デア・ウィーン劇場とウィーン・フォルクスオパーがあり、国立歌劇場では原則オペラが上演され、オペレッタでは唯一ヨハン・シュトラウス2世の「こうもり」のみがレパートリーに加えられ、年末年始に上演されています。アン・デア・ウィーン劇場やフォルクスオパーではヨハン・シュトラウスやレハールのオペレッタを中心にモーツァルトの「魔
音楽史・記事編119.ウィーン楽友協会
ウィーン楽友協会は1870年に完成し、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地として、音楽史においてもブラームスやブルックナーの交響曲を初演するなどの歴史をもち、現在では毎年新年にはニューイヤーコンサートが開催されるなど世界有数のコンサートホールとなっています。
〇ウィーン楽友協会の設立
ウィーン楽友協会は1812年にウィーンにおける音楽振興を目的として、旧市街に設立されています。シューベ
音楽史・記事編117.ベートーヴェンとドロテーア・エルトマン
生涯にわたってベートーヴェンを敬愛し、尊敬しつづけた女性には、ピアノ製作者のナネッテ・シュトライヒャー、ハンガリーのテレーゼ・ブルンスヴィク、そしてベートーヴェンの音楽を生涯の課題として演奏活動を続けたドロテーア・フォン・エルトマン男爵夫人がいますが、今回はドロテーア・フォン・エルトマン男爵夫人について見て行きます。
ドロテーアはフランクフルトに生まれ、オーストリアの軍人エルトマン男爵と結婚し