#読書
テクノ・リバタリアンという、新しいアナキストたち
"テクノリバタリアン″と呼ばれる人たちのことをご存知だろうか。
テクノリバタリアンとは、技術(テクノロジー)とリバタリアニズム(自由主義)を組み合わせた言葉であるが、テクノリバタリアンをChatGPTに聞いてみると以下のような答えが返ってくる。
おそらくこの定義に間違いはないだろう。テクノ・リバタリアンはテクノロジーの進化を推し進めることで中央集権的な管理から自由になること。そしてそれが社会全
「趣味は読書」の人の醍醐味〜私の本の読み方と買い方〜
「本を読まない人が増えた」と言われるようになって久しい。私のように出版社に籍を置く人間や本屋さんからしてみたら、商売あがったりの実に厳しい時代である。
ネットやスマホの影響はもちろんあるが、私は何よりも本(活字)というコンテンツに魅力を感じる人が少なくなったことが、大きな理由だと思っている。
つまり本よりも魅力のある娯楽やコンテンツが増えたということだ。
可処分時間はサブスクの映画やドラマ、
ロシア文学に出てくるロシア料理で、食の妄想をふくらませる
ロシアというとあまりよいイメージのない昨今ではあるが、本屋で思わず手に取り即買いしてしまったのが
『ロシア文学の食卓』(ちくま文庫)である。
本書は、東京外語大学教授の沼野恭子さんによる、ロシア文学に登場する食や料理をテーマにした本である。
有名なロシア文学作品に登場する料理や食事のシーンが紹介され、その料理や食事に込められた意味や背景が解説されている。
例えばこんな具合だ。
それに対す
スチームパンクとサイバーパンクが融合したSF小説に酔いしれる
サイバーパンクと呼ばれるジャンルの映画が好きだ。
例えば、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』、大友克彦監督の『アキラ』、押尾守監督の『ゴースト・イン・ザ・シェル』、そしてウォシャウスキー監督の『マトリックス』シリーズ。
サイバーパンクとは、近未来の世界を舞台にしたサブカルチャーの一つで、高度なテクノロジーや人工知能、サイバーネティックスが進化した社会を描いたフィクション作品や文化運動
奴隷根性から脱却するための本
「今の政治はひどい」と思っている人は少なくないかもしれません。しかし「そもそも政府なんて必要ない」と思っている人がいたとしたら、これは全然違う話になってきます。
政府なんて必要ないという考え方を、無政府主義(アナキズム)と呼びます。今からおよそ100年前、明治の終わりから大正時代にかけて、このアナキズムの急先鋒と言われ注目されていたのが大杉栄という人です。
個人的には大好きな、この大杉栄につい
ジャズを聴きながら、ある自由人のことを思い出す
今朝、通勤中に(なぜかむしょうに)ジャズが聴きたくなって、“NOW JAZZ BEST millennium”というアルバムを聴いてました。
私がジャズを聴くようになったのは、まぎれもなく植草甚一さんの影響です。この植草さん、一言で言ってしまうとむちゃくちゃ変なおじさんで、映画とジャズと古本(特に洋書)をこよなく愛し、コーヒーが大好きで、タバコを15分に一回吸うという超ヘビースモーカー。背は小さ
「ただ、そこに、居るだけ」に意味はあるのか?-自立か依存か、居場所とは何か-
『居るのはつらいよ』(医学書院)を読み終えました。本当に素晴らしい本で共有したいことが山ほどあるのですが、できるだけポイントをしぼって書きます。
本書は副題にもある通り、「ケア」と「セラピー」の違いを徹底的に「現場感覚」で書き切った、いや、描き切った作品です。
冒頭から何度も出てくる「それでいいのか?」という声。それはセラピーを志す著者が「ただ、いる、だけ」のケアという仕事に対して、「