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海外ミステリー小説の楽しみ方

大きな書店に行き、少し時間に余裕がある時は必ず「ハヤカワ文庫」のコーナーに行きます。ハヤカワ文庫には翻訳もののミステリー小説が多く、私はこれを読むのがこの上なく好きです。

外国のミステリー小説は、読む人と読まない人にきっぱり分かれます。それは以下の3点の理由によるのではないでしょうか。

① 登場人物が多過ぎて、誰が誰だか分からなくなる

② 外国の文化や習慣が微妙に理解しづらい
③ 時間を置いてしまうと、話の筋が分からなくなってしまう

少なくともこの3つのストレスを解消していかないと、海外ミステリーを読むのはある種の「苦痛」をともなうものになるかもしれません。

私は村上春樹さんが大好きで、小説だけでなくエッセイや翻訳ものまでだいたいの作品を読んでいるのですが、村上さんが何かのエッセイでレイモンド・チャンドラーというアメリカの作家を絶賛していて、そのチャンドラーの探偵小説を読んでいる時がまさにそれでした。

①に関していえば、著者が、登場人物をていねいに紹介してくれるのは初回の登場時だけです。2回目からは、当たり前のようにカタカナの名前で出てきたりして、「サンドラ・カーソンっていったい誰だよ?」ということになるわけで、そのたびに本の最初のほうのページの「登場人物」欄を参照しなければならない。これがホントにストレスで何度も挫折しそうになります。

②については、いわゆる衣食住的ものだけではなく、会話の返し方なんかも明らかに日本語とは違うウィットやアイロニーが効いてたりして、それが微妙に分かりづらくって(きっと面白いことを言ってるんだろうけど)理解できない歯痒さがありますよね。

そして③は、これは翻訳ものだけではなくて長めの小説なんかでは全般的にいえることだと思うんですが、話の筋を忘れてしまうと「もう読まなくていいかな」という気持ちになってしまう。

これら①②③の解消法として私が考えたのは、翻訳もののミステリー小説はあんまりダラダラ読まずに、グッと集中して読むこと。これで①と③は解決できます。集中して読むためには、とにかく自分の興味のあるものだけを読むに限ります。本屋でじっくり吟味して、「これだったらいけそうだ」という1冊を選び出す。私は興味のあるミステリーを見つけたら、Amazonレビューもちくいちチェックしてます。(4以上の評価だったらまず買いです)

登場人物は最初は覚えられず読むのが大変ですが、いったん物語にハマってしまえば、いちいち調べなくても分かるようになってきます。よって忍耐がいるのは最初だけです。それともう一つ大事なのは、翻訳もののミステリーを読む時は必ず、そばにスマホを用意しておくこと。そう、衣食住や文化の違いなどはまめにググるのです。こうすることによって②をある程度まで解決できます。

ということで、私が今ハマっている海外ミステリーがこの「ミレニアム」です。

リスベット・サランデルという名のスーパー少女(天才ハッカーであり、喧嘩も強い)と、ミカエルという有名な雑誌記者を中心に話が展開されていく本作も、今回で6巻目。いよいよ完結だそうです。心して読ませていただきましょう。

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