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#養育
むき出しの脳に攻撃できるか(第二期:第6回④)
1.むき出しの脳に攻撃できるか 相手の言動に強い恐怖を抱くとき。相手から自分の存在が軽んじられて踏みにじられ、見捨てられていると感じるとき。
その感覚は、ここまでで触れてきた実際に生じる「脳の病変」に繋がるような「痛み」とでも言えるような、脳からの「警鐘」かもしれません。「脳」が助けを求めているのかもしれません。
そのリアルタイムで見ることができない脳の動きを、仮に目視できたとして、もし、自
4つの精神疾患と脳(第二期:第6回③)
『虐待が脳を変える』には虐待やマルトリートメントが脳に与える影響の他に、PTSD、うつ病、解離性障害、境界性パーソナリティ障害の脳研究も紹介されています。これらはその「結果」と理解することもでき、その視点も必要ですが、こういった状態であることがさらなる傷つきの「原因」となることを理解することも重要です。
子どもの脳は、柔く、それでいて(だからこそ)、発展可能性をもちますが、虐待やマルトリート
うつ、不安、パーソナリティ(第二期:第5回③)
「うつ」に代表される気分に関わるもの、「パニック」や「PTSD」などの不安や恐怖が関与するもの、そして発達障害以前に注目されていた「パーソナリティ」の障害。
私たちが出会う可能性のある「精神疾患」は数多くあります。ここでは、「気分」、「不安と恐怖」、「人格」ということについて触れます。
1.「気分」とその障害 「気分の波(浮き沈み)が激しい」と他者のことを形容することがありますが、そこまでで
愛着の発達や機能~虐待や家族関係との関連~ (第二期:第3回③)
1.虐待と関連して(②への補足) 被虐待児特有の症状を被虐待児症候群と呼びますが、これは異常な環境における正常な反応で、セリグマンの実験で犬が示した学習性無力感やハーロウの実験でサルが示した反応と同様です。
また、虐待は連鎖すると言われますが、実験環境で育ったサルも親になり育児をすることに困難を示したそうです。
2.愛着の体験から発揮へ 愛着対象を安全基地とすると、子どもは徐々に探索の範囲を広
「愛着」とその「障害」(第二期:第3回①)
1.はじめに第3回は「愛着障害」を扱います。
未だに世間を賑わす「発達障害」に比べてまだまだ知名度は低いように思われますが、虐待やマルトリートメントの結果として現れる状態・傾向、さらに発達障害と同様に大人にとっての「育てにくさ」や当事者にとっての「生きにくさ」の原因として、知る必要があります。
愛着障害を理解するには、関連事項として、心理学的な意味としての「愛着」をはじめとする用語と、研究や実験