むき出しの脳に攻撃できるか(第二期:第6回④)
1.むき出しの脳に攻撃できるか
相手の言動に強い恐怖を抱くとき。相手から自分の存在が軽んじられて踏みにじられ、見捨てられていると感じるとき。
その感覚は、ここまでで触れてきた実際に生じる「脳の病変」に繋がるような「痛み」とでも言えるような、脳からの「警鐘」かもしれません。「脳」が助けを求めているのかもしれません。
そのリアルタイムで見ることができない脳の動きを、仮に目視できたとして、もし、自分の言動が相手の脳に作用する様を目の当たりにできたら、私たちは相手とどのように接するでしょうか。
「痛い」と叫ぶように脳が反応する様子を見たら、私たちは何を感じ、それに対してどのように反応するでしょうか。
ここまでの内容を学ぶ意義は、私たちが「むき出しの脳に攻撃ができるか」ということを自問することにあります。「脳」という目に見えない器官(O)に対して、どのような言動が目に見えない形での「攻撃」となるのかを考えていく必要があります。その人の存在の奥にある「心」と置き換えても同様です。
2.希望があるにしても…
かつて再生不能だと信じられていた脳細胞(ニューロン)は、回復の可能性があるそうで、脳科学の「希望」として語られています。また、トラウマを受けた子どもたちも、心理療法(プレイセラピー)の中で自己治癒力を発揮し、実際に過去を克服していきます。これは私たちにとって「救い」でもあります。
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