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#24 やって良かったな協力隊。私の思う地域振興エピソード(3)

「地域おこし協力隊」として、地域振興の一環で、地域にある古民家カフェを活用し、地域の子ども対象にハロウィンの企画を行いました。

私の担当地区には、小学校が1つあります。全校児童約30名。令和6年度の新1年生2名。小学校はなかなか厳しい現状ですが、私は協力隊として着任してから、この小学校の読み聞かせボランティアグループに入りました。毎月1回、地域の方と一緒に読み聞かせを行っています。それで、子ども達にも顔が知られていますし、学校の先生達にも顔を知ってもらっています。企画の周知も学校を通してスムーズに行えました。

この、地域の子ども対象ハロウィンは1日企画。子どもの参加者は10名。
・午前、カフェにてハロウィン絵本読み聞かせ、ハロウィンクイズ
~カフェでランチ~
・午後、カフェにて仮装づくりをして、その仮装衣装で、
カフェのある集落を周り、地域の高齢者のお宅へ「trick or treat」でお菓子をもらいに行きます。

カフェのある集落には小学生は住んでいません。その集落の高齢者も日ごろ地域の子どもと接する機会はありません。私のイメージは、地域の古民家カフェ✖地域の子ども✖地域の高齢者、といった感じで、3つの接点を作り、何か楽しめることができたらいいなと思って企画しました。

事前に、お訪ねする高齢者へは主旨説明をし、協力をお願いしていました。

そして、子ども達が、地域の高齢者のお宅へ「trick or treat」でお菓子をもらいに行ったときのこと。

「こんにちは~。協力隊のななにいごです~。」
「こんにちは~(子ども)」
「あ~来たね、来たね。」
「あら!どうしたんですか、その花飾り!?」
「作ったの。」
「え、○○さんが?今日のために?」
「そう。」

80歳過ぎている高齢のおばあちゃまが、ハロウィンで仮装した子ども達がお菓子をもらいに来るからということで、自分でも、花飾りを作って、頭につけて、出てきたではありませんか。

「かわいいですね~!」
「(笑顔)」
「お菓子くださーい(子ども)」
「全部やっていいとかい?」
「あ、あともう1グループ来るんで、半分で。」
「はい、はい。」

80歳のおばあちゃまには、「trick or treat」なんてなんじゃそりゃ、
ですが、子ども達が来るからということで、花飾りを作って待っていた。

とても嬉しい、ほほえましい一場面でした。

さらに、高齢者のお宅を周ってカフェへ戻っている途中、

「おーい、ななにいごさーん。」(路地先の玄関から顔出して手招き)
「? あ、どーも、○○さん。」
「お菓子、お菓子。」
「ええ?いいんですか?」
「いいよ、いいよ。」
「わ~ありがとうございます。お菓子くれるってよ!」
「ありがとうございまーす!(子ども)」

と、周る予定ではなかったお宅の方が、お菓子を用意して待っていてくれたのです。

「あら、子どもこれだけ?お菓子まだあるけど」
「あ、2グループに分かれて周ってたんですよ。
 もう1グループ呼んできますね。ちょっと待っててください!」
「はい、はーい。」

どちらの方も、この日、子ども達が来るから、ということで花飾りやお菓子を用意して待ってくれていたのです。

企画の説明をしてから、企画当日までの間、きっとこの方達は、子ども達が来るのを楽しみに待っていた、と想像すると、私はとても嬉しくなりました。

これは、ハロウィンをしたかったのではなく、この企画を通して、日ごろ接点がないところに接点を作りたかったのです。他のテーマでもいいと思います。

同じ地域内とはいえ、接点があるとは限らない、交流があるとは限らない。
いつもと違った接点を作り、地域の人が地域を知る。

私は、この積み重ねが「地域振興」につながると思っています。






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