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3 count...の仕入れ先『あちらの世界』のおはなし

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3 count...(3カウント)は、不思議なあちらの世界から仕入れた魔法や不思議な雑貨を使うハンドメイド雑貨屋さん。 minneギャラリーで販売中。 ここでは、アクセ… もっと読む
運営しているクリエイター

#レジン

#78 妖精のためのファータの実

#78 妖精のためのファータの実

「あ、そうそう!この樹の実はね、
すっごくおいしいんだよ!
Fataは世界の何よりも美味しい実を作ったの!
あっちの方にいくつかなってるはず…」

Sophiaはファータの樹の一帯の
奥の方へ進んでいった。

私は樹を観察しながら
ゆっくりSophiaの後を追った。

「あった!こっちこっち!!」

Sophiaの声のする方へ行ってみると
その近くの樹には実がいくつかなっていた。

華の中心部と同

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#75 精霊の宿る石

#75 精霊の宿る石

鍵を手に取った私は
前回深海都市への扉の鍵を買ったときのことを
思い出した。

深海へ行く準備を全くしていない状態で
何も考えずに扉へ向かおうとしていた。

鍵屋に声をかけられ、
薬のことを教えられなかったら
扉をくぐった瞬間、どうなっていただろう。

「あの…精霊の宿る樹の辺りは
何か行く前に準備するものとかありますか?」

「あぁ、前回は
深海にそのまま行くとこでしたもんね。
でも、大丈夫。

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#58 炎が揺らぐ琥珀のドラゴンエッグ

#58 炎が揺らぐ琥珀のドラゴンエッグ

「Olivia、大丈夫?気分は?」

「えぇ、かなり良くなったわ。
…あなたは?」

「大丈夫。ありがとう。」

そう話していると
カーテンがそっと開いてMargaretの声がした。

「あら、起きたかしら?
気分はどうー?」

良くなりました、と2人で答えた。

「採掘チームから
嬉しいお知らせがあるようなの。
少し、チームのみんなを呼んでも良いかしら?」

そうMargaretが言い終えたと同

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#57 炎が揺らめく魔法鉱石

#57 炎が揺らめく魔法鉱石

「あ、Alexさん。
気のせいかもしれないけど、
私達のいたところに、何か埋まってるかも。
さっき、Danが来る前、何か光った気がして。」

「そうなの?
崩れてこないように片づけるから、
その時に少し調べてみるわ。」

採掘チームは
崩落現場を片付ける人と
私達と脱出する人と二手に分かれた。

OliviaとNoah(ノア)、私とLiam(リアム)の2人ずつで
二つのラグに座ると、宙に浮いた。

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#53 ドラゴンエッグストーン

#53 ドラゴンエッグストーン

Gretaたちと分かれて進んだすぐ先から
周りの岩の色がかなり青みがかっていた。

また、これまで以上に
通路の高さと幅が広くなっていった。

温度も少し下がって、気候が変わったような感覚だった。

Alexはさらにペースを落とし
ほとんど立ち止まりながら言った。

「この辺りから、ドラゴンの痕跡を感じるわ。
ここまでは通路だったけど、
少し前から空間が大きくなったでしょ?

それに、岩もドラゴン

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#52 ゴブリンの秘密の鉱石コレクション

#52 ゴブリンの秘密の鉱石コレクション

洞窟に着くと、
入り口で待機と指示されていたDanは
お気をつけて、と別れを告げた。

採掘チーム7人とOliviaと私と
鉱石商のPierreさんは洞窟の中へと進んだ。

入り口から数歩入ったところで、
壁面から私達に向かって複数の”何か”が
サッとと飛んできて、ふわりと空中で付いてきた。

私は思わずビクッと驚いた。

すると、すぐ後ろから
Miguel(ミゲル)の声がした。
「大丈夫だよ、俺

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#47 はじまりの水の天球儀ペンデュラム

#47 はじまりの水の天球儀ペンデュラム

相変わらず目線が合わない
Francesco(フランチェスコ)の
胸付近で何かが煌めくのが目に入った。

見てみると
それは長いネックレスだった。

そのネックレスには
天球儀らしい複雑に絡んだ円の中心に
浮かぶように丸いモノが入っていた。

さらに丸いモノには液体が入っていて
その液体が時折虹色に煌めいていた。

「Francescoさん、
そのネックレス素敵ですね。
煌めいているのは何ですか?

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#41 不死鳥の癒しの涙

#41 不死鳥の癒しの涙

「さて、君は…
確か、以前来てくれたよね?」

Emilio(エミリオ)は私のことを覚えていた。

「はい。以前は、色がガラリと変わる
時の鳥の翼を購入させていただきました。」

「あぁ、そうだったね!
今、とっても希少なものが入ってきているけど
見てみるかい?」

「希少なもの?ぜひ見てみたいです!」

Emilioはカウンターの下の方から
丁寧に何かを取り出してきた。

「えぇ…!すごい綺麗な

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#35 鉱石に舞う小さな蝶

#35 鉱石に舞う小さな蝶

鉱石商のPierre(ピエール)が
私が購入した

ドラゴンブラッド 最強の力を引き出すペンデュラム、
ドラゴンブラッド 最強の力を引き出すスクエア、
ドラゴンクリスタルレンズを丁寧に包装しているのを
私とOliviaは見ていた。

すると、後ろからOliviaのお母さんが
Oliviaに声をかけた。

「Olivia、今回も持って帰ってきたわよ」

その手にはとても小さな小瓶が
数本握られていた

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#33 ドラゴンブラッド 最強の力を引き出すスクエア

#33 ドラゴンブラッド 最強の力を引き出すスクエア

再び店の奥から
カウンターに戻ってきたPierreは
先程のドラゴンブラッドのペンデュラムと
同じようなトレーを
同じく大事そうに持ってきた。

「これ!これもとても美しい
ドラゴンブラッドですよ」

先程見ていたペンデュラム型の
ドラゴンブラッドを四角にカットしたものだった。

「このカットだと、キラキラが
すごくたくさん見られるでしょう?」

「確かに、表面が大きいから
深い色の奥から見えるキ

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#32 ドラゴンブラッド 最強の力を引き出すペンデュラム

#32 ドラゴンブラッド 最強の力を引き出すペンデュラム

Pierre(ピエール)に案内された
ショーケースのカウンター前の豪華な椅子に座り
店の奥に入ったPierreを待った。

Pierreは右手にトレーを持って
大切そうに何かを運んできた。

「お待たせしました。
コチラが、つい先日入ってきた
貴重な宝石”ドラゴンブラッド”です。」

「ドラゴン…ブラッド…?
…ドラゴンの血?」

「そうそう、正解!
こちらはドラゴンの血から形成される宝石です。

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