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#58 炎が揺らぐ琥珀のドラゴンエッグ

「Olivia、大丈夫?気分は?」

「えぇ、かなり良くなったわ。
…あなたは?」

「大丈夫。ありがとう。」

そう話していると
カーテンがそっと開いてMargaretの声がした。

「あら、起きたかしら?
気分はどうー?」

良くなりました、と2人で答えた。

「採掘チームから
嬉しいお知らせがあるようなの。
少し、チームのみんなを呼んでも良いかしら?」

そうMargaretが言い終えたと同時に
カーテンがやや乱暴にガサッと開き、
チームのみんながドッと入ってきた。

「ちょっと!まだ入っていいって言ってないわよ!」

「ごめんごめん。でも早く伝えたくて!
Margaret、診てくれてありがとう!」

「仕方ないわね…10分だけね。
その2人にはもうひと眠りしてほしいの。」

「わかってるって。」

Alexは軽い調子で答えた。

Margaretはしぶしぶその場を離れた。
チームの全員が私達を取り囲むように入った。

「さて。勝手に洞窟に入ったあなたたち。
反省はあとでしっかりしてもらうわよ!

…でも、その前に…
M.ちゃんが見つけた光の正体がわかったの。」

Alexは満面の笑みで後ろ手に持っている何かを
もったいぶって見せた。

「あ!あれ、やっぱり何か埋まってたんですね!」

「そう!なんと…!
ドラゴンの赤ちゃんが固まった琥珀だったの!
ドラゴンの卵が丸々固まったものよ!」

写真 2021-03-20 15 51 02

チームのみんなも
ワーッと盛り上がった。

中でもベテランのStuartも興奮気味に言った。
「なかなか無いぞ!
しかも炎が焚きつく様子もしっかり出てる!
今にも孵りそうなくらい状態がいい!」


透明な卵の中には
小さいが今にも動き出しそうな迫力ある
ドラゴンが確かにそこにいた

その周りにはキラキラとしたモヤや
シャボン玉のような気泡、
光を受けてさまざまに輝く光があった。

よく見ると
ドラゴンの手元には
小さなダイヤモンドのような石が掴まれていて
時折キラリと光った。

さらに、少し影を作ると
卵が焚きつく炎の中にあるかのように
全体がチラチラと炎の揺らぎを見せた。

この炎の揺らぎこそ
あの洞窟で閉じ込められてしまった暗闇の中で
見た光だった。


でかしたな!やったね!
とチームのみんなが口々に言った。

写真 2021-03-20 17 56 27


「いえいえっ…
というか、見つけたのはOliviaのおかげです。
Oliviaが気になるって言って覗いていたところなんです。
…だから、2人で見つけました!

チームのみんなは一瞬考えた様子だったが
すぐにまたワッと盛り上がった。

「そうだな!2人のおかげだ!!
2人ともすごいぞ!」


私達2人はしばらく称賛を浴びていたが
チームの後ろからMargaretの声がした。

「さぁさぁ、そろそろ出てちょうだいね。
全く、あなたたちったら声が大きいんだから。
2人はもうひと眠りしてくださいね。
さぁ、スープをどうぞ。」


チームのみんなが
また後でな、とぞろぞろ出ていくのを見ながら
私達は再びスープを飲み干し眠りについた。



これが炎が揺らぐ琥珀のドラゴンエッグが
発掘された時
のおはなし。
続きはまた次回に。


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