#41 不死鳥の癒しの涙
「さて、君は…
確か、以前来てくれたよね?」
Emilio(エミリオ)は私のことを覚えていた。
「はい。以前は、色がガラリと変わる
時の鳥の翼を購入させていただきました。」
「あぁ、そうだったね!
今、とっても希少なものが入ってきているけど
見てみるかい?」
「希少なもの?ぜひ見てみたいです!」
Emilioはカウンターの下の方から
丁寧に何かを取り出してきた。
「えぇ…!すごい綺麗な鳥…」
「綺麗でしょ?伝説の不死鳥だよ。
輝くような美しい羽根を持ち、
最期は炎となって燃え上がるが
その灰の中からまた雛として再生される。」
「不死鳥…私、知ってる。
私の世界でも有名な伝説の鳥ですよ。
でも、コチラでも”伝説”なの?」
「そう、なんせ1羽しかいないからね…
実在はするんだけど
なかなか姿は見られないよ…」
「そうなんですね。残念。」
「いつだったか、
由緒ある偉大な魔法使いが飼っていたとか…
不死鳥を飼い慣らすなんて
信じられないよね!
知ってるかい?
不死鳥の涙の特徴は?」
「不死鳥の涙。えっと、
傷を癒してくれるんでしたっけ?」
「そう。よく知っているね。
”不死鳥の涙はいかなる傷をも癒す。”
この不死鳥のモチーフが抱えている
雫のような形の石には
不死鳥の涙の成分が含まれているよ。
本当に必要となったら、使うといい。
その時は溶けるように流れ出すから。」
「それはすごい…
この綺麗なグラデーションは不死鳥の涙が
作り出しているんですね!
でも、伝説の鳥の涙って
どうやって手に入れるものなんですか!?」
「今回手に入ったのは、
冒険家が偶然出会ったものなんだ。
その冒険家は私の友人でね。
山で酷い怪我をしてしまって
意識が朦朧とする中に
不死鳥が現れて涙を流してくれたと。」
「なんだか神秘的なお話…」
「でしょ?さすが不死鳥だよね。」
「そういえば、不死鳥っていうと、
赤や黄の炎の色のイメージだけど
他の色も同じ不死鳥なんですか?」
「おや、炎の色は赤や黄だけかい?」
「あぁ、確かに…
青や紫、緑の炎もあるのはありますね…」
「不死鳥の羽根は美しく輝く。
その目撃される色は様々だよ。大抵赤系だけどね。
不死鳥自身、または見る人の感情や状況が
影響しているんじゃないかと言われているけど
本当のところはよくわかっていないんだよね。」
そんな話をしている時
Oliviaが呼びかけてきた。
「Emilioさん!
どうかしら、この子、私達になついてそう?」
大きなワシミミズクを見てみると
心なしか先程より
穏やかな目をしているように見えた。
「おっ!大丈夫そうだね!
じゃぁ、この子をよろしくね!」
「ありがとう!!」
身長が170㎝はあるOliviaだが、
モデルのようなスラリとした体格では
その鳥かごがさらに大きく見えた。
鳥かごの中の
大きなワシミミズクはとても大人しかった。
「Olivia、良かったね!名前は決めた?」
「いくつか候補は思いついたけど…
後で家族みんなで決めようかしら。」
そう話しながら
私たちはカフェへ向かった。
これが不死鳥の癒しの涙を
仕入れた時のおはなし。
続きはまた次回に。
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