#57 炎が揺らめく魔法鉱石
「あ、Alexさん。
気のせいかもしれないけど、
私達のいたところに、何か埋まってるかも。
さっき、Danが来る前、何か光った気がして。」
「そうなの?
崩れてこないように片づけるから、
その時に少し調べてみるわ。」
採掘チームは
崩落現場を片付ける人と
私達と脱出する人と二手に分かれた。
OliviaとNoah(ノア)、私とLiam(リアム)の2人ずつで
二つのラグに座ると、宙に浮いた。
まるで空飛ぶ絨毯のように。
そして、グングンと加速して出口へ向かった。
掴まるところのないラグは
振り降りされるのではないかと怖かったが
風は感じるものの、
体はしっかり絨毯に貼り付いているかのようだった。
ラグに乗っていない2人と5つのランタンが
その横を並走していた。
よく見るとひとつのランタンだけ
かなり傷だらけだと気が付いた。
どうやらこのランタンは
私達を置いて出口に向かったランタンで、
チームに知らせに行ってくれたらしい。
空飛ぶラグはあっという間に洞窟を出て
迷うことなく救護室へと飛んだ。
ラグはDanが先頭で指揮していた。
それぞれの部屋の位置は把握できたようだった。
救護室に着くと女性医師が迎えてくれた。
ベットに案内され、
腰を掛けると、すぐに暖かいスープを貰った。
「どこか痛むところはないかしら?」
30代後半くらいのショートカットで
小柄な女性医師の胸には
Margaret(マーガレット)という
ネームプレートが付いていた。
Oliviaはぐったりと疲れ切った顔で首を横に振った。
私も大丈夫です、と答えた。
「あとから痛むこともあるかもしれないから
その時は言ってくださいね。
あと、そのスープ、できれば飲み干してね。」
スープを飲み干すと
体中に暖かい何かが染み渡るような感覚がした。
飲み干したスープの器を置こうと
ベットサイドのテーブルを見ると
Alexに貰った鉱石ランプと
綺麗な鉱石が置いてあった。
その鉱石は炎が揺らめくような模様が入っていて
触ってみるとほんのり暖かかった。
遠くの棚には4色の鉱石が置いてあったが
サイドテーブルには
緑の炎の鉱石が置いてあった。
「それ、持ってると落ち着くかしら?
心を温めてくれる炎の鉱石よ。
火山の洞窟で稀に採れるの。
良ければ持って行ってね。」
「はい、なんだかホッとします。
ありがとうございます。」
Oliviaの方を見るとその鉱石を握って
眠ってしまったようだった。
それを見て、私も横になってみた。
そのあとはすぐに寝てしまったらしく
次に気が付いた時、
薄いカーテンの向こうで
何やら興奮した声がコソコソと聞こえていた。
Oliviaも起きたようだった。
これが炎が揺らめく魔法鉱石と
出会った時のおはなし。
続きはまた次回に。
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