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かわせみ💎読書論考 継続中

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もっとも苦手だった読書。ひたすら読み、修行のごとく解読した。読んだことを忘れ、いまだ振り返り読書をしています。ただ、その読書は二度と忘れない「ボクだけの図書」として、生涯のアーカ…
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#私のコレクション

城崎にて、串ネズミ話

城崎にて、串ネズミ話

 今年は、城崎温泉に行く予定だった。そんな年を、何回過ごしたかわからない。二桁はある。ところが、今年9月に行くことになった。姫路城→有馬温泉→城崎温泉→伊根の舟屋→天橋立。ボクにとってはゴールデン・コース。すてに、家内がツーリズムに申し込んでくれた。(8月は、息子が石垣島へ招待してくれている🛳️)

 なんで城崎温泉に行きたいかというと、志賀直哉作「城崎にて」が好きだからです。主人公は交通事故の

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人間力の総和による五重塔

人間力の総和による五重塔

 ご存知、文豪露伴の代表作。風采のあがらない主人公:のっそりの生涯の唯一の傑作:五重塔完成までのお話である。

 作中、のっそりの執念、棟梁のあり方、奥様の役割、また詳細に現れない腕自慢の職人達が生き生きと描かれ、「。」が三ページに一個くらいしかない読みにくい文体も気にならず、一気に読み終わりました。
 中でも、カリスマの如く君臨する大僧正のあり方には感動した。終盤、天災に打ち勝ったのは、まさに彼

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短すぎた愛のお話

短すぎた愛のお話

「武器よさらば」は、恋愛小説です。
 ヘンリーとキャサリンとの清く、そして短すぎた愛のお話です。さらに、身ごもった新しい命まで失う。

 後半、スイスに向かう湖上での二人の件には共鳴しました。なれないオールを必死に漕ぐ姿は、所帯を持ちたての自分の心境に、相似していた。まさに、「おれが、こいつを幸せにする。」という決意にほかならない。 
 また、健気なキャサリンの存在は、私の細君の存在にダブる。ちょ

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「アンジェラの祈り」もぜひ

「アンジェラの祈り」もぜひ

 著者マコートの回想録であり自叙伝は、この作品「アンジェラの灰」と続編の「アンジェラの祈り」で完結する。しかし、実は続編が読まなければ、前編の題名の意味が理解できない。

 誇り高き「父の教え」は、時代錯誤の滑稽劇でありながらも、少年マコートの精神主柱となる。また、生きるべく世間は常に少数負組み!正義を知りつつも、常に貧困と差別の被害者。精一杯生きた抜くことで、彼は生きる活路を見出す。
 本著

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圧巻「白痴」

圧巻「白痴」

ドストエフスキニーに圧巻!

 とても悲しいお話です。公爵は本当に白痴であったのしょうか?

 おりしも19世紀、科学の進歩・社会の変容・宗教のあり方は、…。いずれも大きな曲がり角であったことは、言うまでもない。しかし、急変するそれら諸要素を、じっくりと人間の生活に溶かし込めたのでしょうか?あるいは、熟成させるべく器を、こしらえられることが出来たのしょうか?
 著者は当時を時代背景とし、未来の人類

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趣味の変遷

趣味の変遷

ボクは、いろいろな趣味を経験した。

ボクは意外にいろいろな趣味を経験している。

剣道。小学三年から高校卒業まで習った。ある理由で、止めた。高校三年時に流派の三段までとなった。誰よりも上達が遅かった。しかし、練習以外も道場に通い師匠に稽古をつけてもらった。気がつくと仲間はやめて、ボクが師匠代理で後輩を指導をした。

陸上競技。足の速いことに憧れた。これも、小学三年の頃だった。父に相談した。父は協

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読書の仕方

読書の仕方

 ボクなりの「読書の仕方」を整理します。この考え方は、内田義彦「読書と社会科学」から学びました。

1、情報としての読書

 著名人などの書籍、とりわけエッセイ集は情報として読まれている。かつては「蒼い時」「安全地帯」「なんとなくクリスタル」などが大ヒットをした。さて、作者は。ボクは覚えてます。
 これらの作品は、近代文学や現代小説を継承した物でない。文字を使って、知りたい情報を得るため本を読んだ

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作家と作品、あれこれ📚

作家と作品、あれこれ📚

いろいろな視点で、作家を整理/整頓をしてみます。てとも、ワクワクしています。

1、日本文学の偉大な作家

①夏目漱石(こころ、三四郎)
②森鴎外(雁、青年)
③川場康成(古都、伊豆の踊り子)
④志賀直哉(城崎にて、清兵衛と瓢箪)
⑤島崎藤村(破戒、千曲川スケッチ)

2、日本文学の好きな作家

①志賀直哉(城崎にて、清兵衛と瓢箪)
②夏目漱石(こころ、三四郎)
③川場康成(古都、伊豆の踊り子)

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