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書評

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文学、芸術、歴史を中心に、書評だけでなく、そこから思い付く思想を展開します。
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#ラグビー

<ラグビー及びエッセイ>『スワーブをきりながら(私とラグビーとの長い旅)』

<ラグビー及びエッセイ>『スワーブをきりながら(私とラグビーとの長い旅)』

 2024年4月4日、『スワーブをきりながら(私とラグビーとの長い旅)』というエッセイを、Amazonの電子書籍及びペーパーバックで出版しました。

 これは、私が大学時代にラグビーに出会ってから、その後社会人(国家公務員)となり、いろいろな海外で勤務をしながら、現地でラグビー、タッチフットなどをしてきたこと、そして息子の(全国大会出場経験のある)高校ラグビーの父兄としての経験など、40年にわたる

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短編小説集出版のお知らせ(宣伝です)

短編小説集出版のお知らせ(宣伝です)

 この度、Amazonのkindleストアから、電子書籍として二冊の短編小説集を出版しました。一つは、長年書き溜めてきたクリスマスストーリーから9編を選んだ『クリスマスストーリーズ』。もう一つは、J.D.サリンジャーの『ナインストーリーズ』や中井英夫の『とらんぷ譚』(特に『幻想博物館』)のような作品をイメージした、九つの短編を選んだ『九つの物語』です。

 これまで、noteでいくつかの作品を投

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<書評>『LEGACY 15 Lessons in leadership(伝統 15通りのリーダーシップ)』

<書評>『LEGACY 15 Lessons in leadership(伝統 15通りのリーダーシップ)』

James Kerr著 2013年 Constable & Robinson Ltd. London

 もう一つの副題に、「What the all blacks can teach us about the business of life(オールブラックスに学ぶ日々のビジネス)」とあるように、オールブラックス監督にサー・グラハム・ヘンリーが就任した2003年以降、2011年のオールブラックス

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<書評>『Classic Rugby Clangers(古典的なラグビーの騒音=ラグビーの面白いエピソード)』

<書評>『Classic Rugby Clangers(古典的なラグビーの騒音=ラグビーの面白いエピソード)』

『Classic Rugby Clangers』 David Mortimer著 2003年 Robson Books

 1871年から2002年までのラグビーの歴史を振り返って、もっとも残念だったエピソードを集めたもの。いかにもイギリスのコアなラグビーファンが喜ぶような内容の本。

 最初のラグビーとサッカーが分化したときの説明が面白い。ラグビーはラグビー校のルールが基になったが、サッカーはイ

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<閑話休題>2022年のまとめと2023年の抱負

<閑話休題>2022年のまとめと2023年の抱負

 明けましておめでとうございます。旧年中のご愛顧を感謝申し上げますとともに、引き続き本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 2022年4月以降は、定年退職して時間ができたこともあり、読書及び創作活動に勤しむことができた。そこで、2022年のまとめと2023年の抱負を書きたい。

1.読書

(1)2022年のまとめ

 なんといっても、ダンテ『神曲』を邦訳ながら読了できたこと。翻訳しているせいも

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<ラグビー>日本XV対オーストラリアA、明治対立教、帝京対筑波の結果等々

<ラグビー>日本XV対オーストラリアA、明治対立教、帝京対筑波の結果等々

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
 1920年代というと、アメリカでは、ジャズと禁酒法(下で隠れて飲むこと)と第一次大戦後の空前の繁栄を謳歌した時代だが、この頃に活躍した作家リング・ラードナーを最近読んでいる。本当は原書を入手したかったのだが、古すぎてあまり手に入らない一方、英語が昔の表現なので理解できないところが沢山ある。一方、昔神保町の北沢書店などで購入した

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<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その10(最終回)

<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その10(最終回)

 2014年は、ハミルトンのイングランド戦まで17連勝を記録したが、オーストラリアに12-12で引き分けて、またもや連勝記録が止まった。エリスパークの南アフリカ戦では、イングランド人レフェリーのウェイン・バーンズが、オールブラックスFLリアム・メッサムにPKを取り、南アフリカSOパット・ランビーにPGを決められて、オールブラックスは負けてしまい、不敗記録も22戦で止まった。南アフリカは、2011年

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<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その9

<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その9

2012年、オールブラックスは、監督グラハム・ヘンリーとアシスタントコーチのウェイン・スミスが勇退した。後任は、アシスタントコーチだったスティーヴ・ハンセンが監督に就任し、アシスタントコーチには、イアン・フォスター(チーフス)、オージー・マクリーン(クルセイダーズ)が指名され、セレクターは引き続きグラント・フォックスとなった。
 ハンセンは、FLでキャプテンのリッチー・マコウとSOダニエル・カータ

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<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その8

<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その8

 2009年は、ダニエル・カーターがサブバティカルを取ってフランスに行ったが、足首を怪我して戻ってきた。またリッチー・マコウも休養を取っていた。そのため、2人が不在となったダニーデンのフランス戦で負けてしまう。

 さらに、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズにシリーズで勝ち越して自信を持った南アフリカに、ブルームフォンティーン、ダーバン、ハミルトンと3連敗してしまう。それは、監督ピーター・デ

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<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その7

<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その7

2003年トライネーションズの最終戦となる、ヨハネスバーグの南アフリカ戦で、26-40とオールブラックスは大敗し、カップを取り損ねた。この後のチームミーティングは、その後のチームを変えるものとなった。アシスタントコーチのウェイン・スミスは、「これから、我々はどうすべきなのか。世界最高のチームを目指すのか、それともただオールブラックスというだけで良いのか」と選手に問いかけた。
それからチームは、歴史

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<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その6

<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その6

 1996年には、トライネーションズの最終試合に加えて3試合のテストマッチ、さらにミッドウィークのゲームも行う、オールブラックスの南アフリカ遠征が行われた。この遠征で、オールブラックスは南アフリカとのテストマッチ4試合に3勝1敗と初めてアウェイで勝ち越す快挙を成し遂げた。

 特に、最後の1995年RWC決勝の舞台となったエリスパークでの第4テストマッチでは、SOアンドリュウ・マーテンズが怪我で欠

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<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その5

<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その5

1995年RWCを迎えて、オールブラックスには新たな若手が加わった。それは、WTBジョナ・ロムー、SOアンドリュウ・マーテンズ、FLジョシュ・クロンフェルド、WTB/FBグレン・オズボーンだった。彼らの力は、イーデンパークのカナダ戦で確かなものと認められた。

ロムーは、前年のフランス戦で活躍できなかったため、NZ国内でもその価値が理解されていなかった。一時期はオーストラリアリーグのカンタベリーブ

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<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その4

<書評>“Behind the SLVER FERN, Playing rugby for New Zealand”「シルバーファーンの裏側で、NZラグビーの歴史」その4

1987年以前は、南アフリカが世界NO.1と見られていた。また、1987年RWCの優勝候補には、前年のブレディスローカップを制していたオーストラリアが挙げられていた(南アフリカは、アパルトヘイトで不参加)。そして、優勝候補NO.2には、前年のオールブラックスのフランス遠征で1勝1敗の記録を残したフランスが有力視され、オールブラックスは3番目とされていた。

オールブラックスは、イタリア、フィジー、

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