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家のソトとナカで暮らしはどう変わる?withコロナでの「密」と「疎」を考える

「おおぉ、真逆の価値観が生まれているなぁ…」

そう感じることが増えました。コロナの影響で、これまでの常識とは異なる、新しい価値観が続々と生まれています。俯瞰で考えた時に、我々の暮らしはどこに向かっていくのか。それを見越した時、我々の未来の生活はどう変わっていくのでしょうか。

あらためて、これからの生活について考えてみます。

生活は「開疎化」と「密」の2極化へ

今回のコロナウィルスもそうですが、ウィルスの病原体の多くは野生動物を宿主としています。人間による自然破壊が進み、野生動物との接点が増える限り、人類が新種のウィルスと遭遇するリスクは今後も増えると考えられます。

過去も人類は多くのウィルスと戦い、生存してきたことを考えると、コロナウィルスもいずれ人類は克服する思います。しかし、問題は「コロナで終わりではない」ということ。COVID-20、21、22・・・映画のナンバリングシリーズのように続く、もしくは新種のウィルスとの闘いが新たに始まることはこの先想定しておくべきでしょう。

そう考えると、「ウィルスとともに生きる」という前提で、私たちは暮らしていかなければなりません。残念ながら…。

このwithコロナの環境において、YahooのCSO安宅さんはマクロ視点で以下の4つの方向性を指摘されています。

密閉(closed) ⇒ 開放(open)
高密度(dense)で活動 ⇒ 疎(sparse)に活動
接触(contact) ⇒ 非接触(non-contact)
ヒトが物理的に動く社会 ⇒ モノが物理的に動く社会

この方向性を見据え、今後は「開放×疎」すなわち「開疎化」というかなり強いトレンドが生まれると説明されています。ソーシャルディスタンスが生活のデフォルトになり、「間隔をあけて並ぶ」は当然のマナーになっている今、この「開疎化」トレンドは今後より色濃くなっていくでしょう。

一方で、直近の消費者アンケートでは「家族との絆」が高まっているというデータもあります。先日20代の女性のチームメンバーが「車を買おうかな」と語っていました。外出時に電車、バスなどの公共交通機関を使うことに対する衛生上の危機感があるとのこと。見ず知らずの人との接点はできるだけ避けたい、逆に「家族となら安心」という気持ちが「マイカー所有」というニーズにつながっています。若者の車離れが進んでいる中で、新しいニーズが誕生している片鱗を感じました。

つまり、「開疎化」は家の外における考え方であり、逆に家の中では「密」になる傾向があります。自宅での生活、車での移動、旅行は自然の中でのキャンプなど、家族との接点は徹底的に密になっていきます。一方で、家族以外の人とのコミュニケーションは常に「開放×疎」の意識がぬぐえない、という意識が今後デフォルトになりそうです。

レジャー行動はどうなるか

直近の影響で最も影響を受けているのはレジャー関連とそれに付随するビジネスです。外出自粛は正に移動の制限でした。今後緩やかに回復に向けて動き出すと考えられますが、完全に回復はしそうにありません。なぜならばレジャー消費のかなりの割合をインバウンドが支えていたからです。インバウンドが回復するには相当な時間がかかりそうです。

直近の消費者アンケートの結果を総まとめすると「人里離れた郊外の温泉で、コロナによるストレスを癒したい」というニーズが生まれているとのこと。これはよくわかります。私もそう感じます。家の中に閉じこもった生活は変化を感じにくく、誰しもストレスを感じやすいものです。その気持ちを「開放×疎」な空間で癒したいニーズは、この先しばらく高まりそうです。

一方で、この先の予測としては若者は8月の夏休みから、高齢者は10月の紅葉シーズンから本格的に動き出すのではないかと思われます。年末には遠方に広がりますが、当面は国内での移動にとどまるでしょう。

コロナ渦においてリモートワークの浸透率は3割程度ですが、1000人以上規模の企業では約6割に迫る浸透率です。これにより、時間の余裕が生まれています。ネット通販は4月対前年比で1割以上増加し、旅行、映画館などの利用が減る一方テレビ、ゲームの利用時間、利用者が増加しています。

自宅で時間のある生活はスマホではなく、据え置き型のゲームを始める人が増えています。「ヒトが物理的に動く社会 ⇒ モノが物理的に動く社会」の変化を先に挙げましたが、これまでは「バタバタと忙しく移動していた中でのすきま時間」の奪い合いでしたが、「自宅でのんびり過ごす時間」の奪い合いにスイッチしています。つまり、移動通信端末としてのスマホの重要性も少しずつ変わってきていると言えます。

「つながる」から「つながらない」へ

コロナ下で常にオンライン接続され、自宅にいながら常に仕事がそばにある。そんな生活は通勤がない便利さがある一方、ストレスを感じやすい環境です。

私の周りでもスマホの「通知」機能をオフにする人が増えています。自分で自分の時間を確保し、セルフケアしたいというニーズは高まっているように思います。これは「あえて不便になる」という価値観です。これまで常識と思われていた価値観は真逆のベクトルで価値を持ち始めています。ざっと挙げるとこんな感じです。

「つながる世界」→「つながらない世界」
「外での接点」 →「内への結束(家族)」
「特定機能活用」→「空いてるリソース活用」
「時間短縮」  →「時間消費」 
「On  Off切替」  →「いつでもOn&Off」

「シェアしたい」→「保有したい」
「ファスト〇〇」→「ロングターム〇〇」

これまでの常識がガラガラと崩れています。その変化はシームレスなので、よく見ないと気づかないことも多いです。我々はこうした変化にうまく対応していかなければなりません。 

まとめ

今回のコロナウィルスはいずれ収束に向かいますが、「ウィルスとともに生きる」という視点はこの先、人類が常に持たなければならない概念となりそうです。

その時に消費のキーワードになるのは、家の外での「開疎化」そして、家の中での「密化」、この両極端の動きです。

これまではテクノロジーを使って、いわゆる「未来の生活」を夢見て暮らしをアップデートしてきた私達ですが、この3か月でこの価値観は大きく変わっています。健康の大切さ、家族の大切さ、時間のゆとりなどに気付き、「近未来的非現実的な暮らし」を夢見るのではなく、「昔ながらの人間らしい助け合う暮らし」こそが大切であると学びました。今後はこの価値観に沿ってテクノロジーも活用されていくと思います。

これからも世の中は刻一刻と変化します。その変化に気付き、自分で自分の生活のステアリングを握り、自らコントロールしていきたいですね。

今の生活の変化を悲観せず、前向きにとらえて生活していきたいものです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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