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2022年6月の記事一覧
康村諒『アニメーション文化論 映像の起源から現代日本のアニメ』森話社
アニメーションの制作現場に40年以上いた著者が、アニメについて教える側になったことから、放送大学大学院の通信課程で学び、書いた修士論文を加筆修正したものが本書である。そのため、アニメの起源として、フランスのニオー洞窟の古代洞窟壁画から説き起こしている。
日本のアニメが産業として認められた一方で、産業として苦しむ日本がアニメがある。「ブラック」と呼ばれ、「やる気搾取」と呼ばれる産業について、著者の
樋口泰行『パナソニック覚醒 愛着心と危機感が生む変革のマネジメント』日経BP
パナソニックのカンパニー会社であるパナソニックコネクト株式会社の社長の樋口氏による5年間の社内改革の取り組みを1冊の本にまとめたものである。樋口氏は、松下電器産業に入社後、ハーバート経営学院への留学、ボストン・コンサルタントグループ、アップルコンピュータ、コンパックコンピュータ、日本ヒューレット・パッカード、ダイエー、日本マイクロソフトを経て、パナソニックに戻った。
日本企業を退職して世界の厳し
佐々木チワワ『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』扶桑社新書
「ぴえん」という言葉は、幼い子どもや若い女性が泣くときの表現としてアニメやマンガに使われた「ぴえええ」と「ぴえーーーーん」が始まりとされるが、諸説ある。今にも泣きだそうな表情をしているスマホの絵文字「Pleading Face」(嘆願する顔)が使用され、若者に親しまれていく。
歌舞伎町のゴジラビルの横の広場には、「ぴえん」系と呼ばれる少年少女が集まっている。ホストやアイドルといった存在を「推す」
天野祐吉『天野祐吉ことば集 広告の見方 ものの見方』グラフィック社
博報堂で雑誌『広告』の編集に携わり、また広告ジャーナリズム誌『広告批評』を創刊(2009年休刊)した天野祐吉氏が、大衆文化についての批評活動の中で残したことばを集めた本である。天野氏は2013年に亡くなっている。以下、その一部である。
「不思議、大好き。」(西武百貨店)という広告が面白かった。どう面白かったのか。ひとことで言ってしまえば、「暮らしのなかの小さな”不思議”にいつも新鮮な驚きを持ちた
トム・アイゼンマン『起業の失敗大全ースタートアップの成否を決める6つのパターン』ダイヤモンド社
著者はハーバード・ビジネス・スクールの教授で、「なぜスタートアップの大部分は失敗するのか?」という質問に答えられないことに気づき、また、立て続けに、教え子の2つのスタートアップ(オンライン出会い系サイトのトライアンギュレート、若いプロフェッショナルな女性向けに体にフィットした仕事着を販売するクインシー)が崩壊するのを目の当たりにしたことが、本書のきっかけであるそうだ。
著者は、スタートアップの成