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【コラム】公認会計士・税理士のインハウスキャリアを考える(ベンチャーの経理・財務・経営企画などへの転職時の注意点)

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はじめに

有り難いことに、ここ5~6年でベンチャー界隈に優秀な士業人材が流入する事例が増えてきました。
10年くらい前はそういう事例を探す方が難しかったのですが、今では毎月のように公認会計士、税理士、弁護士などの最高難易度の国家資格試験を突破した経験豊富な士業の皆さんがベンチャーの重要役職に入っています。

それ自体はとても喜ばしいことですし、ベンチャー大好きな私にとっては歓迎したい事象です。

しかし、それと同時に失敗事例もそこそこの数見ているので、今ベンチャーへの転職を検討している若手士業の皆様に対しては、少し慎重に考えた方がいいですよと思っている自分もいます。

そこで今日は、公認会計士・税理士のインハウスキャリアについて考えてみようと思います。
なお、この記事でいう「インハウス」とは、公認会計士・税理士の皆さんがベンチャー企業の正社員として働くケースをいうことにします😁

そして、公認会計士・税理士がベンチャー企業で働く場合、職種は主に以下のようなものとなります。

・CFO(ファイナンス担当役員)
・経営管理部長
・CSO(経営戦略担当役員)
・IR
・経営企画
・経理マネージャー
・財務マネージャーなど

いずれも会計知識を活かしてベンチャー経営に貢献する重要な役職ばかりです。



1.公認会計士・税理士のキャリア

公認会計士・税理士以外の方も読むことが想定される記事なので、まずは一般的なお話として、公認会計士・税理士のキャリアについて考えてみましょう!

そもそも、公認会計士と税理士は、同列に語られることが多いのですが、実は専門分野が違います。
このことを知らない人の方が多いのが実情です。

公認会計士は日本の三大国家資格の一つで、極めて広範な専門分野を持っている最強士業の一つですが、多くの場合は監査法人に勤めるので、原則として監査の専門家です。
ここでいう監査とは主に上場企業が出す決算書等の書類が会計基準に照らして適切に作られているのかをチェックする作業をいいます。

監査法人とは、上場企業等の監査を主な生業とする法人です。
監査法人の社員は公認会計士だらけなので、監査のプロフェッショナル集団といえます😁


一方で、税理士は、税務会計の専門家です。
税金を納めるために税務署に提出する確定申告書の作成のプロフェッショナルだと考えていただければ結構です。
その他税金に関する相談業務などに従事しています。

税理士の主な勤め先は、税理士事務所です。
規模が大きなところだと200人以上の税理士が在籍している事務所もあります。
特に外資系の税理士法人は規模が大きいです。
KPMG税理士法人などが有名ですね。

このように、公認会計士と税理士は同じ会計分野に属する専門家ではありますが、活躍する主なフィールドが異なっています。

ちなみに、両者の専門分野では、適用される法律も異なってきます。
公認会計士が主に活躍する上場企業の監査領域の法律は会社法と金融商品取引法ですが、税理士が活躍する税務領域の法律は法人税法、消費税法など税法分野です。

そのため、両者は似て非なるものという認識をまず持ちましょう。
本当によく似ていますが、宮侑と宮治くらい違います。


宮兄弟は最強でした


公認会計士試験に合格すると税理士にも登録できることから、公認会計士の方が試験難易度は高いと考えられていますが、実はそうとも限りませんし、公認会計士試験に合格しているからといって税理士業務がまともにできるかは怪しいところです。
それぞれの試験で課される試験科目にも違いがあるので、専門分野が異なると思っていた方が良いと思います。

ということで、公認会計士と税理士のキャリアをまとめると、公認会計士は、試験に合格した段階で監査法人や会計事務所に勤める事が多く、そこで上場企業の監査業務を経験したり、財務諸表作成業務等を行います。
その後、監査法人で出世してパートナーを目指すか、会計事務所で経験を積んで自分の会計事務所を立ち上げるかになると思います。

一方で、税理士は、試験に合格した後は原則として税理士事務所に勤め、企業や個人事業主の記帳代行確定申告書作成業務、その他税務相談業務等に従事します。
その後、税理士事務所で経験を積んだ後に税理士として独立するケースが多いでしょう。


公認会計士と税理士は互いに「会計」という分野で専門分野が共通していますが、それぞれ違う世界で活躍していることが多いです。

それが一般的なキャリアだと思います。


なお、ここからはただの余談ですが、実は弁護士資格を持っている人間も一応「税理士」として登録が可能です。
しかし、実際に税理士として登録している弁護士は稀です。
とてもじゃないですが、司法試験程度の知識で税理士の専門分野に足を踏み入れるという愚行を犯すことはできませんし、通常はしません😱
元々税理士をしていた人や公認会計士を目指していた人が弁護士になって税理士にも登録するというケースはありますが、ただの弁護士が税理士の業務を行うというのはほぼ不可能です。
餅は餅屋ですね。



2.公認会計士・税理士の年収

これらの会計専門職の年収については諸説ありますが、概ね平均値800~1000万円くらいになると思います。

公認会計士の場合、大手監査法人であれば、30代で1000~2000万円程度(残業代含む)の年収になるかと思います。
マネージャークラスまで出世できなかった場合でも、700~800万円程度は稼ぐことができます。

税理士は事務所の規模や抱えている顧問先の規模・数で上下に大きく振れますが、30代で700~1000万円程度の年収を得ている人が多いかなという印象です。
転職サイトに登録している税理士の皆さんの年収を見ても、そのくらいの層が最も多いです。

また、税理士が監査法人に勤める場合もあるので、その場合は公認会計士の年収と近接していきます。


正社員の全国平均年収が約500万円ですから、いずれにしても、公認会計士・税理士で普通に大手監査法人又は税理士事務所等に就職して働いている場合はかなり高い年収を獲得していることは間違いなさそうです。


でもこれは当然のことだと思います。
異常なほど難しい国家資格試験を突破した天才たちなのですから、平均より高い年収をもらうのは当たり前です。
そもそも国家資格を取れなかった場合のリスクを取って時間を投資しているのですから、合格後の年収でリターンを獲得できないと意味がありません。

多くの公認会計士・税理士の皆さんが監査法人や大手会計事務所に勤めて、20代~30代をリターン獲得+ノウハウ習得に費やすことでしょう。
試験に合格した年齢によって上下はありますが、しっかり働いて、無駄遣いをしなければ、20代から30代までの十数年間で3000~5000万円くらいは貯金できると思います。
おそらく忙しすぎてお金を使う時間が取れないと思うので、皆さん勝手に貯金が増えていっているはずです。

40代半ばくらいには、第一線から退いて地元で会計事務所を経営しながら悠々自適に暮らすなんてことも十分に可能です。
それくらいの戦闘力を持っているのが公認会計士・税理士の皆さんです。



3.ベンチャー転職を検討する理由

上記のとおり、公認会計士・税理士の有資格者は、大手監査法人や大手会計事務所、税理士事務所等に勤めていれば、(仕事は激務で大変だけど)40代以降はイージーモードで人生を謳歌できます。

それでも時々、ベンチャー界隈に流れてきてくれる人たちがいます。
そういう人たちはなぜベンチャーでのインハウスに興味を持つのでしょうか🤔

最終的には個々人で理由が異なると思いますが、私が聞く範囲だと以下のような理由が多いです。


(1)監査法人激務過ぎる
(2)スキルに偏りがあって先々不安
(3)IPO実績がほしい
(4)ベンチャー役員の肩書がほしい
(5)事業会社の経験がほしい
(6)何となくイケてそうな雰囲気
(7)大好きなベンチャーがある

など


まだ他にもあると思いますが、今日は上記7つの理由について、比較的長くベンチャーにいる私の視点で見解を述べさせていただきます。

公認会計士・税理士の皆さんでベンチャー転職を検討されている方は参考にしていただけると幸いです。



(1)監査法人激務過ぎる


実際のところ、この理由が実質的1位じゃなかろうかと思うのですが、いかがでしょう。
税理士事務所、会計事務所でもほぼ同様で、今深刻な会計人材不足が続いていますから、ほぼ全員が激務に追われている状態です。

そのため、30代になってパパやママになった公認会計士、税理士が激務から解放されるためにベンチャーへの転職を検討し始めるという事例が多いように思います。

私も「激務から解放されるため」という理由については大賛成です。

そもそも、私達は仕事をするために生まれたのでしょうか?
きっと違うはずです。

読者の皆さまを含め、人類全員、幸せになるために生まれたはずで、激務で身体を壊すために生まれたのではないと思います。
だから、あまりに異常な激務で身を粉にして働くことに私は意味を感じませんし、それで得られた1500~2000万円に何の価値があるんだって本気で思います。
一度崩れた健康はお金で元に戻らないので。

だからこそ、激務からの解放を希望してベンチャーへの転職を検討するというのは一つの良い手段だと思います。


ただし、既にご存知の方も多いと思いますが、ベンチャー企業も千差万別でございまして、残業時間が月10時間を切るようなホワイト企業もあれば、毎月100時間を超える残業が発生している危ない企業もあります😱

特にIPOを目指しているベンチャー企業の場合、経理・財務が全然整っていないことがほとんどなので、公認会計士・税理士の力を最も必要とする時期です。
そのため、残業時間が通常より多くなります!

この点は要注意です。
下手をすると監査法人時代より残業時間が増える可能性すらあるので、慎重に転職先を選びましょう。

会計専門職の皆さんにとっては自明のことだと思いますが、CEOが会計を軽視していたり、経営管理部門の人材の報酬をケチっていたりする会社はオススメしません
そういう会社は経理・財務人材を粗末に扱うことが多いですし、人材が不足してもなかなか採用しません。
その上、報酬を出し渋るので良い人材が獲得できずに負荷が減りません。

そういう会社を選ぶと、負荷がかかりすぎて監査法人時代より大変な思いをすることがあるので辛いだけです。

激務はダメ!絶対!



(2)スキルに偏りがあって先々不安


続いて、スキルの偏りについて考えてみましょう。

例えば、監査法人の場合は、一般的には監査スキルに偏ります。
そして、残念ながら監査スキルは原則として監査法人でしか使えないスキルです🤔

もちろん、その後企業の内部監査担当になったり、監査役に就任するなどでスキルを応用できる場面はあると思いますが、内部監査や監査役のポジションはそこまで豊富にあるわけではありません。

それに、多くの公認会計士が「監査は楽しくない」と感じているでしょう。
他人の間違い探しをして指摘するお仕事ですからちょっとしんどいですよね。
私も監査を20年とか30年続けられるとは思えないです😱

それゆえ、他のスキルを身に着けたいと思う気持ちもよくわかりますし、客観的に見てもそうすべきだと思います。

また、税理士についても、税理士事務所勤務だとスキルが記帳代行確定申告書作成に偏りがちですよね。
こちらはまだ汎用性が高いのでそこまで心配はないと思いますが、他のスキルもほしいと思う気持ちもよくわかります!

それに…記帳代行と確定申告書作成をずっとやり続ける人生で良いのかという不安がある点もよく理解できます。
もっとこう…ワクワク感というか、楽しさがほしいですよね。
それに、記帳代行や確定申告書作成は、会計SaaSに奪われまくっている仕事ですし。


そこでベンチャーへの転職を検討する。


こういう理由の転職も全然ありです!

私は法務なので深いところまでは理解できていませんが、やはり監査法人とインハウスでは立場が全然違うので、楽しいと思えるポイントも違ってくるはずだと考えています。
監査法人の監査担当としてクライアントに接するのは、やはり外部の人という印象ですし、本人たちも外部の人間として監査(チェック)をするという意識だろうと思います。

でも、インハウスで経理・財務・経営企画・CFO等をやるというのは、圧倒的当事者感が出ます。
今まさに動いている事業をどう切り盛りするのか、どういう戦略で戦うのか、どうやって資金調達するのか。

毎日ヒリヒリしながら活動しないといけません。
ベンチャーのインハウス会計士・税理士は、基本的に人材不足の中で活動しないといけないので、全部自分で考えて、自分で行動して、自分で解決しないといけないポジションです。
そして、原則として、社内にあなた以上の知識を持っている人はほとんどいません🙄

ベンチャーで会計専門職が何人もいるなんていうところは少数派なので、基本的には自分で全部解決する必要があります。
そのため、半強制的に実力が底上げされます。

ときには自分の業務の結果次第で事業が止まったり、会社が債務不履行を起こすなんてこともあるので、それはもう緊張の連続だと思います。
詳細には言えませんが、WARCの創業者である山本さん(公認会計士)も、ベンチャーに転職してすぐの頃は何度か修羅場を経験しています🤣

だからこそ、会計専門職としての本質的な実力が身につきます。
そういうヒリヒリ感を求めている人にとっては、ベンチャーへの転職は大正解だと思います。

資金調達、IPO実務、事業会社の経理、経営戦略など、自分がどういうスキルを身に着けたいと思っているのかによって応募すべき案件は変わってきますが、いずれにしても当事者になるので、精神的負荷がかかる分、成長できると思います。
正解がない世界で働くことの楽しさを感じられる人には向いています。

頼れるのはあなただけ!



(3)IPO実績がほしい


この理由も結構多いと思います。

監査法人では主に上場後の会社の監査を担当するので、IPOの実際のところはよくわからないですし、税理士事務所も記帳代行や確定申告部分を手伝うのみなので、内部統制構築などには関わらないことが多いです。

会計専門職としてIPO準備経験及びIPO経験というものは特別な意味があって、市場価値がグッと上がる事象でもあるのでIPO実務経験は多くの会計専門職が欲する経験です。


しかし、既にご存知のとおり、実際にIPOできる会社は極々僅かです😰
ここ数年はIPOの数がかなり増えてきたのでチャンス自体はあると思うのですが、それでもポジションはまだまだ少数です。

そして、IPOの「準備」の経験自体は比較的簡単に積めるのですが、実際にIPOが現実化してくるN-1の経験が積めるかどうかは運次第なところがあります。

なので、せっかく監査法人等から転職したのに3年、4年とずっとN-2で留まっているなんてことも多くあります。
N-2段階は通常の経理業務とほとんど変わりがないので、あまり経験値としては価値がありません。
その上で、最終的にはIPOを諦めるという決断をするベンチャーも多いです。

そのため、IPO実績がほしくて転職するならば、IPO実現可能性の高いベンチャーに行くことを強めにオススメします🙄
事業が順調に伸びていて、資金調達もしっかり成功していて、監査法人も大手がついていて、主幹事証券会社も経験豊富な会社及び担当者がついていて、社内に優秀な経営メンバーが揃っていて、違法行為やコンプライアンス違反が無い状態の良好なベンチャー企業に行きましょう。

まぁ、そんなところどこにあるんだよと思いますし、実際にあったとしても、そういう企業には応募が殺到するので採用される可能性は極めて低くなるのですが…😰

良い会社の応募状況はこんな感じ



(4)ベンチャー役員の肩書がほしい


綺麗事を抜きにすると、この理由も結構多いはずです。
ベンチャー役員にこだわっていない場合でも、広い意味で「キャリアアップしたい」「肩書を上げたい」という理由は多いです。

やはり、監査法人や大手会計事務所は、年功序列要素が強めで、シニアに上がるのに3~5年、マネージャーに上がるのに7~9年以上、パートナーに上がるのはいつかしら?という状態です。

私はベンチャー歴が長いので、そういう公務員的な年功序列制度がどうも合わず、受け入れられないタイプです😰
監査法人等であれば、ほぼ全員が公認会計士・税理士なので、出世している人自体に実力もあるのでしょうけど、普通の大手企業だと部下の方が遥かに優秀なのに、年齢が若いというだけで安く買い叩かれている事例が散見されます。

本当にバカバカしいことだなと思います。
実力がある人間は、年齢に関係なく高い報酬をもらうべきですし、安く買い叩こうとしてくる会社に留まるべきではありません。
人生は有限であり、一度キリですから、自分を高く評価してくれる場所に行くべきです。

この点、ベンチャー企業の多くは実力主義で、年齢に関係なく高い報酬をもらえるチャンスがありますし、そういう事例は本当に多く存在します。
20代で執行役員以上になるなんて別に珍しいことではないですし、20代~30代前半のCXOもゴロゴロいます。
むしろ、ベンチャーでのメインの経営メンバーの多くは20代、30代の若手です。

最近のイケてるベンチャー企業は、20代の優秀な若手に1000万円以上の報酬を出すことも当たり前になってきているので、大手で安く買い叩かれているのであればさっさとベンチャーの世界においでやすと思ってしまう自分がいます。

公認会計士や税理士の有資格者にとって、ベンチャーの役員になるのはそこまで難しいことではないですし、タイミングさえ合えば比較的簡単になれると思うので、チャンスを虎視眈々と狙ってほしいです。

そのためにも、ベンチャーと関わりが深い人達との関係を構築しておくことと、SYNCA等でベンチャー界隈の求人情報を日頃からチェックしておくことを強めにオススメいたします。
ある日突然スカウトが来て、意外と気があって転職に至るなんてことが日常茶飯事で起こっています。


ちなみに、ベンチャーの執行役員以上の役職の求人の多くは表に出てこないことが多いです。

ついこの間、私の知人がベンチャーの役員候補として転職を決めましたが、その案件もCEOから私に直接相談が来た案件でした。
ベンチャーは狭いコミュニティの中で成り立っていることが多いので、執行役員以上の経営メンバーを探す際はまず知人・友人に声をかけて、良さそうな人材を探します。

そのときに声がかかるような距離にいることが重要だと思います。
知人・友人に声をかけまくって、いろんな人に会ってみて、それでもどうしようもない状態になったら求人媒体に載せたり、人材紹介会社に情報を流すという流れが多いので、優良企業の案件は情報が表に出る前に埋まることが多いです。

そして、一部のベンチャー特化型ヘッドハンターは、他の人材紹介会社と異なり、CEOなどから直接かつ個人的にそういう非公開案件を預かっていることが多いので、そういうヘッドハンターたちとの繋がりも作っておくと良いです😁

必要であればそういうヘッドハンターもご紹介しますので、いつでも私宛にご連絡ください。

LinkedIn:

https://www.linkedin.com/in/harukazutakita/


Facebook:

https://www.facebook.com/harukazutakita


上述のとおり、ベンチャーの役員案件は非公開で選考が進むことが多いので、情報戦の色彩が強いです。
知人・友人・ヘッドハンターなどの人脈を駆使して、そういう案件が出たら情報が流れてくるようにしておくと良いです😁

実はとっても狭い世界なんですよ



(5)事業会社の経験がほしい


続いては、シンプルに事業会社での経験がほしいという理由について検討してみましょう。
この理由で転職を検討するのは主に公認会計士の皆様に多いと思います。

というのも、公認会計士の皆様の多くは監査法人に勤めますので、実は多くの人が、試験合格後にほとんど仕訳作業をせずに年齢を重ねていきます😱
会計専門職にとって仕訳や決算書の作成能力は極めて重要な能力で、そういう能力を日々磨いていないと監査しかできない人になってしまいます。

WARCの創業者である山本さん(公認会計士)も、若い頃にこんな事を言うてました。

山本CEO

経理とか財務にとって、仕訳は呼吸みたいなもので、瞬間的にできないといけないんです。
それくらいやり込んでないとそもそも経理とか財務はできないです。

by 若い頃の山本さん


我々法務にとっての契約書作成能力と同じかなと思います🤔
直感的に「これはあれだな」「この場合はこうすればいいな」というのがわからないといけない。

それくらいやり込んでいないと職人として役に立たないのです。

このことをよく理解していらっしゃる公認会計士の方が、事業会社での経理・財務経験をしっかり積んでおきたいというお考えの下、ベンチャーへの転職を検討されています😁
素晴らしいなと思います。

ここであえて大手企業の経理を狙っていない点が「わかっている人」の証明だと思うのです。
大手企業の場合、経理・財務のメンバーだけで数十人規模で存在します。

そこまでの規模になると、完全に仕事の分業化が完了していて、細分化された特定の経験しか積めません…
それだとわざわざ事業会社に転職する意味がないんですよね。
監査法人に居続けた方が報酬も高いですし、経験の価値も高いです。

公認会計士や税理士は、先々独立することを視野に入れているはずなので、できる限り広範かつ専門的な経験を短期間で一気に積めた方が効率が良いのです。
その点、ベンチャーは基本的にお金が無いので、少数精鋭でしか経営管理部門を構築できません。
その結果、公認会計士や税理士資格を持った人が経理や財務に来てくれたら、もうほぼ全部関わってもらうくらいの勢いでタスクを任されます🤣

経理業務、決算業務、デット・ファイナンス業務、エクイティファイナンス業務、IPO実務などなど全部です。

良くも悪くも全てにおいて頼られるので、否が応でも仕訳や会計論点の勉強をし直さないといけませんし、日々新しい論点に接することができます。
それを通じて会計専門職としての能力を一気に高められることでしょう。

そのため、事業会社の経験がほしいという理由でベンチャーを選ぶのはとても良いことだと思います。
ただ、単なる中小企業の経理・財務経験を積むだけだと経験値として価値が低いと思うので、IPO達成の確率が高そうなベンチャーを狙う方が良いと思います。

最低でも監査法人がすでについているベンチャーを狙いましょう👍

そういえば、山本さんがベンチャーのCFOをやっていた頃、山本さんの部下として活躍していた公認会計士が、今や2人ともベンチャーのCFOをしています🙄
そのうちの一人はすごいベンチャー100にも選出されている企業のCFOなので凄いですよね…。

また、直接的な部下ではないけど、山本さんが採用した他の会計士の方も今別の会社でCFOをしていて、その会社もすごいベンチャー100に選出されているので、やっぱ事業会社で経理・財務を経験することはとても重要なことなのだと思います。

経理・財務の経験はとても重要なんですね



(6)何となくイケてそうな雰囲気


この理由は主に20代の若手会計士・税理士さんに多い理由です。
何となくの「イケてる感」がほしくてベンチャーを検討しているケースです。

私服で?
フルフレックスを利用して自由な時間に出社して?
なんか観葉植物多めのイケてるオフィスで?
またはカフェのようなレイアウトの自由スペースで?
優雅にコーヒーでも飲みながら談笑混じりにお仕事?

的な?🙄
気持ちはわかりますよ。

ただ、このイケてる感を享受したいという理由での転職はあまりオススメしません。

多くのベンチャー企業が、自社のPR活動の一環として「イケてる感」を出そうとします。

厳しい中小企業の現実を見せつけたところで誰も興味を持ってくれませんから、少しでもよく見せるために命がけで良い写真を撮って、イケてる感を醸し出そうと努力しますとも…

でも、現実は泥臭い厳しい毎日が続くんですよ。
イケてる感とか…フッ…😏

とかいうてるWARCもイケてる感を醸し出す能力は高いので、以下のようなオフィスの写真を公開しています。
是非見てほしいです。

WARCのオフィス入口
自由に使えるスペース
エントランス兼くつろぎスペース(自販機付き)
WARCの執務スペース


いや、ちょっと待ってくださいよ!🙄

自社ながらめちゃくちゃイケてる感出てるじゃないですか!
しかもよく見たら、執務スペースの椅子、1脚10万以上する高級椅子じゃないですか!
オフィス移転担当チームの皆さんセンスあるなぁ…。

WARCの場合、ついこの間オフィス移転したばかりなのでまだ凄くキレイなんです(宣伝)

今ならこのオフィスで働けるんですよ。
若い会計士・税理士の皆さん。
ちょっと遊びに来ませんか?

by 瀧田

もしWARCに興味がある方がいれば、いつでもご連絡ください。
すぐ人事に繋ぎますから(笑)

20代の若手の皆さんは、イケてるオフィスで働きたいですよね?
気持ち、すごく良くわかります。
私も20代前半の頃に幽霊が出そうなボロボロオフィスで毎日働いていたのでドラマのようなオフィスに憧れていました。

でも、忘れないでいただきたいのは、ベンチャーは、どれだけイケてる感を装っても、ベンチャーだということです。
毎日泥臭く作業して、プロダクトやサービスを少しでも良くするために日々それぞれが頑張って働く。
毎日いろんなイレギュラーが発生して、その対応に追われ、それでも何とかやっていく。
そうやって日々忙しくしている中で、イケてる感なんていつの間にか忘れてしまうのです。

そういうものです。

だからこそ、単にイケてる感を欲するだけの転職は止めときましょう!
そのベンチャー企業の理念やビジョンに強烈に共感していることが最重要です。
ついでにオフィスがキレイだからという理由ならばありですが、単にイケてる感だけを求めていくと厳しい現実が待っています。

WARCのオフィスは正直イケてる感ある



(7)大好きなベンチャーがある


さて、最後となりましたが、大好きなベンチャーがすでに存在しているという場合も検討しておきましょう。
公認会計士や税理士の皆さんは、ベンチャーとは一定の距離がある方が多いと思いますので、通常はベンチャー企業の情報をそれほど持っていないと思います。

それでも、たまたま見た記事や偶然使ったアプリなどからイケてるベンチャーのことを知り、働きたくなったという事例も稀に存在します。

そういう転職こそ最高だと思うんです😍

偶然出会ったベンチャー企業のサービスを使って、惚れ込んで転職。
そのまま経営メンバーに入って大活躍…

最高の人生ですよね。
そういう素敵な転職を是非していただきたいと思っています。

そのためにも、週に5分くらいでいいのでベンチャーの情報を収集する時間を設けていただけると嬉しく思います。
そのうち、このnoteでもベンチャー企業の分析記事などを挙げていく予定でございますので、是非ともこのアカウントをフォローしていただけますと幸いです(宣伝)

よろしくお願いします!



おわりに

ということで長々と私見を書かせていただきました。
実際のところ、公認会計士・税理士の皆さんは自分で調べて、自分で考えて決定できる方々なので何も心配はしておりません。

ただ、できれば最高の転職にしていただきたいと心から思っているので、何かWARCでお手伝いできることがあればいつでもお声掛けください😁

WARC社内には、監査法人やコンサル出身の公認会計士がたくさんいるので、ベンチャー転職のリアルな話が聞けると思います。
Co-WARCという会計コンサル事業部もあるので、いきなりベンチャー転職ではなく、一旦副業でベンチャー案件をいくつかこなしてみるということも可能です。

公認会計士・税理士さんのスキルは常に需要があるので、かなり自由度の高い転職活動ができます。
私でよければいつでもご相談お受けいたしますので、気軽にご連絡くださいませ。


では、また次回👋



【お問い合わせ】

この記事は、株式会社WARCの瀧田が担当させていただいております。
読者の皆様の中で、WARCで働きたい!WARCで転職支援してほしい!という方がいらっしゃったら、以下のメールアドレスにメールを送ってください😁
内容に応じて担当者がお返事させていただきます♫
この記事に対する感想等もぜひぜひ😍

recruit@warc.jp


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【著者情報】

著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長
専門:法学、経営学、心理学
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Facebook:https://www.facebook.com/harukazutakita
LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/harukazutakita/

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