刹那

逆噴射小説大賞用でした。 今は細々と書いたり書かなかったりしてます。

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  • 読書感想文

    自分の読書感想文をまとめてみました。思想が強くて申し訳ないです。

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固定された記事

崇拝する夢野久作先生へ

夢野久作先生、あの世でどうお過ごしですか。 私はあなたに魅了されて、あなたに研究人生を狂わされたと言っても過言ではない。 でもそれは、後悔なんかじゃなくて、むし…

刹那
4年前
8

脳内幹事

お世話になっております、☆☆エンターテイメントの刹那と申します。 …お世話になっております。 前職のときに●●様にはお世話になって…はい… あ、株式会社▲▲の刹…

刹那
11か月前

浜松旅行記

ピアノの音が響かない待合室に、 どこか安心する自分がいた。 浜松の駅にはピアノがある。誰でも弾けるあのピアノを、ちいさな子がめちゃくちゃに叩いていた。 ガンガンと…

刹那
1年前
7

生誕と人生と

27歳になって余命あと3年になった。 22歳の時を思い出す。 私には異性の親友がいる。 出会ったのは22歳のときで、いろんなことを一緒にした。 オール・セックス・台本読…

刹那
1年前

サイコパス

自分でも「頭おかしいな」と思いながらも そう思わずにはいられないことが多々ある。 その度に早く死ななきゃいけないなとも思う。 私は比較的倫理観が死んでいる。 道…

刹那
1年前

春風日菜

3年E組 春風 日菜 今年の私の誕生日に、私は不思議な体験をしました。 誰も信じてくれませんが、これは本当の事なんです。 私には小学生からの夢がありました。 中央区に…

刹那
1年前
1

演劇

後輩たちの作る劇を見てきた。 やっぱり私は演劇が本当は嫌いなのかもしれない。 自分自身を直視できないから 作品や言葉にされることをなんだかこそばゆいように感じてし…

刹那
1年前
2

リハビリテーション

雨が降った翌日に、地面に桜が咲いていた。 窓から見えるスカイツリーの頂上から、ビームがでないかと毎日思っていた。 飛んでいく飛行機の高さの、空気の薄さを思った。…

刹那
1年前
1

有休が付与されない

わくわくの10月のはずだった。 体調的に良くないためちまちま消費してしまった有給。 その付与時期が10月なのだ!! でもわたしはタイトルの通り有給は付与されないのだ…

刹那
2年前
1

笑い方を忘れていた

笑い方を忘れていた 先日すごく面白いと思う場面があった。 声がでなかった。目に力が入ってしまった。 息ができなかった いつの間にか以前のようにガハハと笑うことがで…

刹那
2年前
5

仕事をやめたいのに二ヶ月で復職した話

経済的な理由から復職をしました。 二ヶ月で戻れる人なんてまず居ないんだけど 無理矢理戻ったのは、普通に貯金額が減っていくのに耐えれなかったから。 私は金を貯める…

刹那
2年前
2

傷病手当をもらったのと映画を沢山見た

さきほど、二回目の斜陽の感想文を書いたのですが全部消えたので、もう書きません。別の事書きます。 でも二回目読みきりました。 無頼派の坂口安吾とかも引き合いに出して…

刹那
3年前
3

斜陽読み終えて二回目の感想文書いたんですが全部消えたのでもう書きません。

刹那
3年前

斜陽を2冊購入してしまった話

初めて同じ本を2冊買うということをしてしまった。 斜陽 太宰治 あまりにも有名だ。私は、タイトルだけで話を思い出せなかった。 本をなんの疑問もなく購入し、冒頭を読…

刹那
3年前
4

生誕

社会人になって一年がたった。 あの記事をかいて一年がたった。 たくさん考えたようでこんなに考えない一年は始めてだった。 周りは高圧的で、自分の意見なんか曲げる気…

刹那
3年前
9

飛び込み

数時間前、なにもなくさよならした友人が飛び込んで死んだ。 本当に、仕事もなにもかも、つらかった素振りなんて無かった。 いつもみたいに適当な話をして変わった素振り…

刹那
3年前
崇拝する夢野久作先生へ

崇拝する夢野久作先生へ

夢野久作先生、あの世でどうお過ごしですか。

私はあなたに魅了されて、あなたに研究人生を狂わされたと言っても過言ではない。
でもそれは、後悔なんかじゃなくて、むしろ先生を知れて良かったと思って居ます。
たくさん私に美学を教えてくれてありがとうございます。
あなたに費やした三年間も、私の卒業論文も、あなたの作品に恋したから
出来たことです。

今回は根拠や文献が必要な考察や論文とは別で聞いてくれると

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脳内幹事

お世話になっております、☆☆エンターテイメントの刹那と申します。

…お世話になっております。

前職のときに●●様にはお世話になって…はい…
あ、株式会社▲▲の刹那…あ!覚えててくださったんですね!
その節はありがとうございました~!

あの時は大盛況で社員からの評判も良くて…はい…●●様のお陰です本当に、ありがとうございます…いえいえとんでもないです…ありがとうございますぅ

えっと、今回お電

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浜松旅行記

ピアノの音が響かない待合室に、
どこか安心する自分がいた。

浜松の駅にはピアノがある。誰でも弾けるあのピアノを、ちいさな子がめちゃくちゃに叩いていた。
ガンガンと音を鳴らすピアノに、あれほど恐怖と嫌悪を感じたことはない。

新幹線がすごい勢いで通過する音
子供が泣き叫ぶ音
路上ライブの音

耳がつんざけるかと思った

漫画喫茶で休憩していると非常ベルが鳴った。

私も同行人も急いで受付まで降りた

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生誕と人生と

27歳になって余命あと3年になった。

22歳の時を思い出す。

私には異性の親友がいる。
出会ったのは22歳のときで、いろんなことを一緒にした。
オール・セックス・台本読み合わせ・散歩・カラオケ・ゲーム・食事・映画を見る・買い物…
数えきれないくらいなんでもした。
哲学的な話もたくさん話した。
きっかけはあっちが私に好意を抱いてくれたことだったけれど
それがいつの間にか友情に、友情よりも愛情に変

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サイコパス

自分でも「頭おかしいな」と思いながらも
そう思わずにはいられないことが多々ある。

その度に早く死ななきゃいけないなとも思う。

私は比較的倫理観が死んでいる。

道徳的に悪いとされることにあまりに慣れすぎていたり
好奇心が勝ってまず謝れなかったり
悪いと分かっててやってたり
怒られる場面で嬉しくなったり

自分でも頭がおかしいと分かる。

相手の痛みを図れない訳じゃない。
誰の痛みでも分かりすぎ

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春風日菜

3年E組
春風 日菜

今年の私の誕生日に、私は不思議な体験をしました。
誰も信じてくれませんが、これは本当の事なんです。

私には小学生からの夢がありました。
中央区にあるD大学に行って、将来はEという職に就くことでした。

そのためにこのAという町に越してきてこの高校にはいりました。
成績も悪くなく、私はD大学へ本当に推薦で入学が決まってしまいました。
夢のようでした。
残るはE職に就くだけで

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演劇

後輩たちの作る劇を見てきた。
やっぱり私は演劇が本当は嫌いなのかもしれない。

自分自身を直視できないから
作品や言葉にされることをなんだかこそばゆいように感じてしまう。

嫌いだ。劇なんて
演劇部でありながら、観客の目を捨てきれなかった私はついぞ役者に向いているとは到底思えなかったけど。
劇なんてこそばゆいから嫌いだ。

うしろで見ていた子たちは泣いていた。
ある程度ストーリー性と起承転結を用い

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リハビリテーション

雨が降った翌日に、地面に桜が咲いていた。

窓から見えるスカイツリーの頂上から、ビームがでないかと毎日思っていた。

飛んでいく飛行機の高さの、空気の薄さを思った。

なかなか飛び立たない鳥の、感情に思いを馳せた。

会社の窓から見える開けた品川の、100日後を思った。

全部、私にとって苦くて仕方なかった。

全部、タバコに火をつけながら一人で考えていたことだ。

生きることの延長線上に今はタバ

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有休が付与されない

わくわくの10月のはずだった。

体調的に良くないためちまちま消費してしまった有給。
その付与時期が10月なのだ!!

でもわたしはタイトルの通り有給は付与されないのだ。

これも休職したせいなのだ。
出勤率が8割に満たない場合、年次有給休暇は付与されない。
休職は欠勤扱いなので、つまりは私は丸腰でアフリカの荒野に投げ出されたようなものなのだ。

年次有給休暇がない…だと…
もっと早く知っていれば

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笑い方を忘れていた

笑い方を忘れていた

笑い方を忘れていた

先日すごく面白いと思う場面があった。
声がでなかった。目に力が入ってしまった。
息ができなかった
いつの間にか以前のようにガハハと笑うことができなくなっていた。

笑い声がうるさくて別のクラスの先生に怒られていた私が
笑えなくなった…?
にわかに信じがたい話だった。

いつの間にか本気で笑うことなんてなくなっていた。
本気で笑いすぎて呼吸できなくておしっこちびってしまいそうな

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仕事をやめたいのに二ヶ月で復職した話

仕事をやめたいのに二ヶ月で復職した話

経済的な理由から復職をしました。

二ヶ月で戻れる人なんてまず居ないんだけど
無理矢理戻ったのは、普通に貯金額が減っていくのに耐えれなかったから。

私は金を貯めることはできても、増やすことは向いてなくて
ただコツコツ貯めた金が使わないのに、息をするだけで、生きるだけで会社から徴収され、家賃も徴収され、減っていくことに耐えれなかった。

それだけで、復職した。

リワークも利用しなかったから、いき

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傷病手当をもらったのと映画を沢山見た

傷病手当をもらったのと映画を沢山見た

さきほど、二回目の斜陽の感想文を書いたのですが全部消えたので、もう書きません。別の事書きます。
でも二回目読みきりました。
無頼派の坂口安吾とかも引き合いに出してちゃんとそれなりに考察までしたのに消えました。

卒論が前日に消えなくてよかったです。
自分のメールアドレスに適宜卒論添付してメールしたり、デスクトップとUSBメモリどっちにも保存したりしてバックアップバッチリしましたけど
今回はその点、

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斜陽読み終えて二回目の感想文書いたんですが全部消えたのでもう書きません。

斜陽を2冊購入してしまった話

初めて同じ本を2冊買うということをしてしまった。

斜陽 太宰治

あまりにも有名だ。私は、タイトルだけで話を思い出せなかった。
本をなんの疑問もなく購入し、冒頭を読んだとき全てを思い出す。

スープを啜ってお母さまが「あ」と言ったように
私も「あ」と声を漏らす。

おかあさまのふんわりした端麗さ
かず子と直治という名前
恋と革命
没落貴族

すべてが私の中で繋がった。

やってしまった。おんな

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生誕

生誕

社会人になって一年がたった。

あの記事をかいて一年がたった。

たくさん考えたようでこんなに考えない一年は始めてだった。

周りは高圧的で、自分の意見なんか曲げる気なくて
人の話を聞くのが嫌いで、自分の事が大好きな人ばかりだった。思うよりも優しくない人の方が多かった。

学問は私に優しかった。
自分にたくさん問うた。考える時間をくれた。
そもそも人間とは。生きるとは。存在とは。我々とは。
日本と

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飛び込み

飛び込み

数時間前、なにもなくさよならした友人が飛び込んで死んだ。

本当に、仕事もなにもかも、つらかった素振りなんて無かった。
いつもみたいに適当な話をして変わった素振りもなく、なんならいつもよりも元気だった。

その後遺族から手紙が届いた。

私宛に遺書が丁寧に残してあって
そこには
これは、両親には内緒だけど、彼氏と喧嘩して別れたから死ぬと
そんな趣旨が書いてあった。
彼女らしく、本当の内緒話をするよ

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