読書日記断片⑦ 忘れられた女性作家

すくなくとも近代文学の世界では、女性作家のことをとくに「閨秀作家(けいしゅうさっか)」なんて呼んだりする。「閨秀」というのは頭のいい女性のことを指すそうだが、先日、文学部の先輩方と話をしたときにこの言葉が通じなくてちょっと面食らった。確かに女性作家について調べようと思わなければ出会わない単語と言ってもいいのかもしれない。

●宮野村子『無邪気な殺人鬼』『童女裸像』(盛林堂ミステリアス文庫)

閨秀

もっとみる

【日記】4月26日〜5月2日

4月26日
緊急事態宣言が発令されたため15店舗だけに商品を送る。逆に休業した17店舗からの返品が大量に届く。1年前と全く同じ光景を前にして複雑な思いに駆られる。

4月27日
昨日の返品を開けまくる覚悟で出勤すると、昨夜上司が全部開けたようで段ボールの山は綺麗に無くなっていた。
明日、金曜日は慌ただしくなる模様。嵐の前の静けさ、そんな1日。

夜、クラフトワーク「ミニマル・マキシマム」を聴く。

もっとみる
やったー!
5

中年ニートが事件を解決?横溝正史「呪いの塔」

1932(昭和7)年8月に刊行された、横溝作品の中ではさほどメジャーではない推理小説。
長編で、ページ数は約400P。
80年前近い!古い!
が、コレがかなり面白く、今でも十分、探偵小説として楽しめます。

こんな方が、読者にピッタリ(1)横溝正史に1ミリでも興味のある方
(2)横溝正史のメジャーな小説は読んだが、それ以外はあまり読んでいない方
(3)おどろおどろしい小説が読みたい方

あらすじ雑

もっとみる
スキありがとうございます!
3

【日記】4月19日〜4月25日

4月19日
いよいよ金曜日から夏フェアが始まる。緊急事態宣言によって休業要請が出るかもしれない雰囲気を感じつつ、慌ただしく一日が過ぎる。

夜、田渕ひさ子さんの新作を聴く。コロナ禍の中で誰もが心に抱えている不安やどうしようもない寂しさや戸惑いを描いたような繊細な歌に思わず涙がこぼれる。田渕さんの歌声はとても切なくて、とても優しくて、とても暖かい。

4月20日
今週は休みなしで発送作業の日々、らし

もっとみる
あなたは素晴らしい!
6

『かわいい女』 作者:レイモンド・チャンドラー

こんな日があるものだ。出っくわす人間がみんな一人前ではない。鏡で自分の顔を見直したくなる。

レイモンド・チャンドラーの長編五作目である本書は、前作『湖中の女』から6年を経た1949年に世に出たものだ。
その間、著者はハリウッド映画に携わっていたという。
そこで得た経験を活かしたかったのか、それとも映画界のきらびやかな表面に隠された虚飾に満ちた内実を知り、嫌気が差したのだろうか。物語は、中盤からハ

もっとみる
スキ 嬉しい〜です!是非また読んでください!

ヨーゼフvsホームズ 第十話:ノイケルン区××番地アパート666怪死事件  その9

「私はこの精神的に動物である女の小間使いに犬に対するようにナデナデしながら聞いたものだ。『いい子だから早くホントの事を言うのだよ。そうやって犯人をかばったところで餌なんかもらえないんだからね』と私が優しく言ったのに、この小間使いと来たら私の手を掴んでふざけんなとか言って殴りかかってきたのだ。私はこの野獣にも等しい女の手を押さえつけて無理矢理椅子に座らせると、女に最後の尋問をはじめた。『最後に聞こう

もっとみる
愛…いただきました
9

子どもと大人、考えの未熟と成熟

『探偵伯爵と僕』
森博嗣

小学生の僕が語り手として、「探偵」こと怪しいおじさんに出会ってから、友達が失踪する事件を解決するまでを描いたお話。

語り手を子供として設定してしまうと、その世界観は全て「子供」目線で捕らえられ、再現されるわけで。
でも、大抵の場合は、そのような世界は、作家という大人が「擬似的に」子供になり、「擬似的に」子供目線から世界を捉えたものだ。
それゆえに本当の子供の目線から捕

もっとみる

文章からのイメージ

 推理小説、探偵小説というと、どんな作品を思い出すだろうか。推理小説、探偵小説となると、事件がおきて、その事件の謎解きをしてくれる、もしくは、犯人を示してくれる探偵さんが登場する。

  その探偵さんが自分の好みに合うと、シリーズものであると読み続けることになる。とは、以前、友人の物書きさんが、何気に話したことだった。

 その言葉をよく覚えているのは、私もだいたい、探偵小説や推理小説は主人公であ

もっとみる
ありがとうございます。
68

雪のふる街 ポール・オースター『ニューヨーク三部作』

京都も今週は雪になるそうで。最近結構暖かかったからいよいよやってきちゃうのかあ……底冷えの厳冬。とぼやきながらこの記事を書いている(追記:この記事書くのをいったん中断していたので今はもう春が目覚めている。梅が綺麗だ)。

今回の記事表紙に使用させていただいたのは(嬉しいことにご了承頂きまして)絵本作家たなか鮎子(Tanaka Ayuko)さんが2014年ギャラリーハウスマヤTwo Window展に

もっとみる
❤三倍返しです
33

【有栖川有栖・法月綸太郎各氏の推薦コメント紹介!】エラリイ・クイーンフェア 開催中!

◎エラリイ・クイーンの円熟期の四部作が新訳で読める!

本格ミステリの巨匠エラリイ・クイーン。そのキャリア中後期の円熟期における傑作4点が、ハヤカワ文庫より新訳版で大好評発売中です!

『災厄の町〔新訳版〕』
『フォックス家の殺人〔新訳版〕』
『十日間の不思議〔新訳版〕』
『九尾の猫〔新訳版〕』

◎有栖川有栖・法月綸太郎各氏からの推薦コメント紹介!

 小社noteで既報のとおり、『フォックス家

もっとみる
ありがとうございます!『名探偵ポアロ オリエント急行の殺人』もどうぞ!
12