『O駅の隙間女』第7話
7.伝言板と公衆電話
駅に戻った私は、帰りの電車の時間を確認するために時刻表を眺めていた。
まだ余裕があるので、傘を返すついでに珈琲も飲めそうだ。まずその前に、ビジネスホテルに荷物と傘を引き取りに行かなければならない。
時刻表の隣の掲示板には、この夏の花火大会の告知ポスターや詐欺防止の啓発ポスターなどが貼られている。
順番に眺めていたら、一番隅の目立たない場所に、全体が色褪せて罫線も剥げてしまった小さな黒板があることに気づいた。
伝言板である。
まだこんなものが残っていると