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【きさらぎ書店】名探偵不在 加護なき探偵達(デミアイズ)前編【本紹介】

こんばんは、如月伊澄です。
細かすぎて伝わらないと思いますが、某探偵マンガの劇場版をイメージしてタイトルつけてみました。ダメかな、探偵達(デミアイズ)

さて、今回のフェアは「名探偵がいないミステリー(広義)」

探偵役は出てくるのもの、名探偵に必要な「(作者の)加護」がない探偵たちを集めました。加護がないと、探偵たちはいったいどうなってしまうのでしょう?



【黒牢城 米澤穂信】

黒牢城 あらすじ

本能寺の変より四年前。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起こる難事件に翻弄されていた。このままでは城が落ちる。兵や民草の心に巣食う疑念を晴らすため、村重は土牢に捕らえた知将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めるが――。

事件の裏には何が潜むのか。乱世を生きる果てに救いはあるか。城という巨大な密室で起きた四つの事件に対峙する、村重と官兵衛、二人の探偵の壮絶な推理戦が歴史を動かす。

カドカワストア https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g322311000514/

【ひとこと】

ミステリだけでなく、時代小説としても楽しめる1冊。
ただの推理合戦は興味持てないな、という人はこちらのミステリー小説から始めてみては?

*なぜとは言えませんが、管理職についている方にお勧めの1冊です。
……あなたの城も崩壊の種を抱えていませんか?


【箱舟 夕木春央】


箱舟 あらすじ

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?

大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。

翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。

だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。

タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。

講談社BOOK倶楽部 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000369228

【ひとこと】

まさに「加護なき探偵」を象徴する1冊。犯人はいったい誰なのか、なぜこの状況で殺人事件を起こしたのか?
そして、「殺人犯だから」生贄として犠牲にしてもよいのだろうか?
タイムリミットが迫る「犯人当て」ミステリー。

ただの「探偵小説」にはもう飽きた、そんな方はぜひこの1冊を読んでみてください。続編も販売中ですよ!

8月に文庫出るそうなので、急がないなら8月に書店で買うといいかも。


【十戒 夕木 春央】

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=000037962

こっちは続編の「犯人を当ててはいけない」ミステリー。
この1冊だけでも楽しめるけど、できれば方舟を読んでからのほうがもっと楽しい。

殺人犯を見つけてはならない。それが、わたしたちに課された戒律だった。

浪人中の里英は、父と共に、伯父が所有していた枝内島を訪れた。
島内にリゾート施設を開業するため集まった9人の関係者たち。

島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、十の戒律が書かれた紙片が落ちていた。

“この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命が失われる”。

犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まったーー。

講談社BOOK倶楽部 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000379627


前編はここまで。
後編では、それは禁じ手だろう!?な探偵小説と賛否両論を巻き起こした探偵小説(?)を取り上げます。異色だね。

【おまけ】


なぜ探偵が犯人を前にして謎解きを始めても、犯人はおとなしくそれを聞いているのでしょうか?
探偵が犯人に狙われないのはなぜ?

その答えがこちらの小説に載っています。
しつこいですが、推しは推せるうちに推せ。ということで、再度広告しちゃいます。

この本がわずか燻る残り火に、新たに火を注いだのだ。
責任はとってもらうぞ。


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