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「最恐のカリスマ」を見る
「回路」と「カリスマ」と役所広司
過日、黒沢清監督の映画「回路」(二〇〇一年)がBS松竹東急で放送されていたので、録画して視聴した。最近は、テレビ番組をそれが放送されている時間帯にそのまま見るということはとても少なくなった。今春で、いつも土曜日の夜に見ていた「ブラタモリ」が終わってしまうらしい。これによって、さらにまたリアルタイムの視聴の回数は減ることになるだろう。基本的に見たくなるような番組が
2024年のうた (四月)
2024年のうた四月
かたむけないで声をきく明恵の右耳フィンセントの左耳
自然化をされる以前の環境の自然のままの自然をおもう
生きてればきっといいことあるよっていっておくれよ左官長兵衛
あちこちにぶつかりまくりよろけたりへこへこしたりへらへらしてる
近づけば近づくほどに血の気が引いてゆくようで春にとまどう
音楽をきいても耳に入らない食べても味がしないみたいに
ゆらゆらと揺らいでひとり
2024年のうた 第一期 冬・春
2024年のうた第一期 冬・春
新年やまたふるさとが遠くなる二〇世紀は記憶のかなた
元日のポストはまるでオルゴールどこであけてもあけおめことよろ
かためを買った歯ブラシがあんまりかたくなかったのこれも時代か
力尽き年を越せずに一一時一一分で止まった時計
ごま煎餅をもらったひととあげたひと因縁のあるあの二人
つぎつぎと地震津波の情報が画面のうえで白くまたたく
百万の顔なき顔の虚ろな笑顔
読まずに死ねるか(令和五年秋の陣)
まつりに参加した。もうかなり久しぶりのことになるのではないか、秋のまつりに参加するのは。前に行ったのはコロナの前だったと思うから、おそらく四年か五年ぶりぐらいだろうか。今回のまつりの開催期間は、二〇二三年一一月一三日から二一日までの九日間。春のまつりにくらべると、ちょっとだけ期間は短かったような気もする。事前の予定では期間中に二回ほどまつりに参加しようと考えていたのだが、いろいろあって実際に足を運
もっとみる「雲霧仁左衛門6」について(+X)
BS時代劇「雲霧仁左衛門6」が放送された。二〇二三年八月二五日から一〇月一三日までの全八話。第六シリーズの舞台は、江戸を遠く離れて古の都、京都である。表面的には徹底的にドライであることを信条とする雲霧仁左衛門(とその一党)の無駄のないてきぱきとした仕事ぶりと全編に飛び交うまったりとした京ことばの絶妙に食い合わせの悪い感じが、何とも新鮮な感じがしておもしろかった。本シリーズの冒頭には、昼の日向の日差
もっとみる2023年のうた 第三期 夏・秋
2023年のうた第三期 夏・秋
終わらないこのレコードが終わらないヒステリックな侯爵夫人
なんかこう打ったその場で歩きだすホームランとか打ちたいきぶん
じょぼじょぼと高いとこから低いとこよごれはすべて海にじゃぼじゃぼ
びきびきと破線にそってふた月分のカレンダーめくりとる午後
まだ青い葉をめきめきとのばしてる稲が穂をだしふくむ文月
文月のおのずからふる雨のついたち神祗釋教戀無常
むしむ
2023年のうた 第二期 春・夏
2023年のうた第二期 春・夏
ぼんやりと物思いする万愚節つみなき嘘はありやなしやと
四月馬鹿りちぎに用意した嘘を噴かすツイート眺めたりして
駅前で信号待ちをしていると頭のうえにまた飛行船
駅前のスクランブルする交差点見上げる先をビルがさえぎる
その先の道が見えてる春ならば散る花ですら目に楽しかろ
ひらひらり書いて消してのその後ろ桜吹雪がとめどなくふる
あの頃のリアルスティックどこい