マガジンのカバー画像

女とか男とか結婚とか

15
ジェンダーのこと(日本の結婚制度に関することが多し)について、考えた記事とか読んだ本のまとめを入れてます。
運営しているクリエイター

記事一覧

認知の歪みは、加害者だけのものか?:「『小児性愛』という病―それは、愛ではない」

認知の歪みは、加害者だけのものか?:「『小児性愛』という病―それは、愛ではない」

ハヤカワ五味さんのツイートでこの本を知りました。

かなりショッキングな話も出てくるのですが、最近疑問に思っていたことの答えが書いてあったり、とてもおすすめなので(3時間くらいで一気読みしました)、すごく長くなってしまいましたが…内容をまとめてみました。今後さらに書き足すかもしれませんが一旦力尽きたところで公開してみます…。

著者の斉藤章佳さんは、東京都豊島区の大森榎本クリニックに所属されている

もっとみる
ヘルジャパンを少しでもよくしたい!(男女共同参画パブコメを送ったよ)

ヘルジャパンを少しでもよくしたい!(男女共同参画パブコメを送ったよ)

私のフォロワーさんには、女/男の生きづらさについて関心高い方も多いと思うので、しつこいようですがパブコメの話!

今、内閣府が「第5次男⼥共同参画基本計画」の素案について、一般の意見を募集してます!今日(9月7日)の23時59分まで!

そもそもパブコメとはなんぞやパブリックコメント(英: Public Comment)とは、公的な機関が規則あるいは命令などの類のものを制定しようとするときに、広く

もっとみる
機能不全家族で育った私による『1122』最終7巻の感想

機能不全家族で育った私による『1122』最終7巻の感想

『1122』の最終7巻を読み終えた。

…というか、ほんとは発売日に読み終えてたんだけど、感想を書こうとすると自分の根深い苦しみ(いちこちゃんと同じく機能不全家族で育ったので、いちこちゃんの痛みに過剰に反応してしまう)も一緒にぐるぐるして、なんかまとまらなかったのよね…。
やっと書きたいことがそこそこまとまってきたので、公開してみる。

※注意!以下、ネタバレあります!

必要なのは「結婚」じゃな

もっとみる
自作自演対談:戦いじゃなくて話し合いで世界を変えたいので、そういうお仕事ください

自作自演対談:戦いじゃなくて話し合いで世界を変えたいので、そういうお仕事ください

皆さん、こんにちは。けそです。最近、自営業者になりました。

私には、クリエイターとして、大きな抽象的な目標があります。

――――
目標の内容(長いよ):

戦いじゃなくて話し合いで、誰かの世界を変えたい。

そうしてもっと、私が(それはたぶん、「=いろんな人が」)、生きやすい世界にしたい。

特に、日本の男尊女卑とか男女それぞれへの「こうあるべき」圧が生む「苦しい」を減らすこと(対象は女性だけ

もっとみる
自尊感情、自給しよ!:『さよなら、俺たち』

自尊感情、自給しよ!:『さよなら、俺たち』

ジェンダーとは「社会的・文化的に形成された性別」と訳される言葉だ。常識や役割、システムやルール、教育やメディアなど様々なものの中に潜んでいて、それらを空気のように吸い込むことで知らぬ間に構築されてしまう「男らしさ」「女らしさ」のようなものを指す。何かと男女二元論で語るのは乱暴だし、「男女である前にひとりの人間」と性差をめぐる議論を敬遠する向きもある。それはその通りだと思う。しかしジェンダーとしての

もっとみる
結婚したら、恋愛は封印しなくちゃいけないんだろうか?:『1122』

結婚したら、恋愛は封印しなくちゃいけないんだろうか?:『1122』

いい夫婦の日ですね…。

そして、渡辺ペコさん『1122』6巻発売日…ということで

あらすじいちことおとやは、結婚7年目の30代の夫婦。

好みも考え方も近く、なんでも話し合える仲のいい夫婦だが、セックスだけは、しない。

ある出来事をきっかけに、「家庭にセックスを持ち込まない」ことにしたから。

いちこは、おとやの不倫をルール付きで認めており、おとやは第3木曜日だけ既婚者の「恋人」

もっとみる
生物として正しくなくても、堂々と愛したり生きたりしようぜ:ぼくは愛を証明しようと思う。

生物として正しくなくても、堂々と愛したり生きたりしようぜ:ぼくは愛を証明しようと思う。

恋愛についての有料noteを書くため、研究のためにいろいろ読んでいる。

で、Twitterなどを見ているとたびたび出てくる「恋愛工学」というものを知ろうと思って、小説形式で恋愛工学について読めるという『ぼくは愛を証明しようと思う。』を開いた。

かなりしんどいながら読み終えたので、内容をさくっとまとめるとともに、私がなんで「しんどかったか」書こうと思う。

恋愛工学とは何か?進化生物学や心理学の

もっとみる
選択肢が増えたら、呼吸はもっと楽になる:『逃げるは恥だが役に立つ』第11巻

選択肢が増えたら、呼吸はもっと楽になる:『逃げるは恥だが役に立つ』第11巻

この間、「つぶやき」でも触れましたが
『逃げ恥』の最終・11巻には
心に残るところがたくさんありました~。

(前書いたっけ?恋愛漫画だけど
 みくりさんと百合ちゃんが
 抱き合ってる表紙が
 最終巻なのも、素敵だなー)

中学生くらいの「必読漫画」にしたら
みんなもっと気持ち楽に・人に優しく
生きられるんじゃないかと思ったり…。

ということで、印象的だったシーンをご紹介します!

ちょっとネタ

もっとみる
エピソードに乾杯

エピソードに乾杯

長らく更新してませんでしたが、本のお気に入りの言葉を久々に紹介します!今日は言葉というよりも、お気に入りのシーン、ですね。『82年生まれ、キム・ジヨン』(この本、装丁も好き)より。

久しぶりに高校の同窓生たちと忘年会をして、 かなり遅く帰宅すると、妻が食卓に向かって何か熱心に書いていた。近寄ってみると、問題集を解いている。 カラフルな文字とかわいい絵や写真がページの半分を埋めている、小学生用の算

もっとみる
上手に祝えなくてごめんね

上手に祝えなくてごめんね

本の言葉と、そこから思い出した出来事に関するちょっとしたエッセイをお届けするマガジン。

今日は、『私がオバサンになったよ』より、ラジオパーソナリティのジェーンスーさんのお言葉を紹介します。

私がラジオに出始めた頃は、女が口を開いているだけで気に食わない人ってもっといたんです。アシスタントではない女に慣れてないというか。うちの番組では、一緒にやってる人は男でも女でもパートナーと呼んでいて、アシス

もっとみる
「パートナーはただ一人」を疑ってみて見えたこと:わたし、恋人が2人います

「パートナーはただ一人」を疑ってみて見えたこと:わたし、恋人が2人います

前から、結婚について思うことがあった。「好きな人が、世界の中でただ一人私だけを選んでくれるって、そんな嬉しいことないなと思うけど、」

「それを受け入れたら、『恋が始まる!』っていう、あのモゾモゾした温かい気持ちはもう永遠に悪者になっちゃって、封印すべきものになっちゃうの?」

「新しく出会った素敵な人に触ってみたいって思う素直な気持ちも、許されなくなっちゃうの?」

結婚は、してみたい。
苗字を

もっとみる
仲良しじゃない人と共有する、輝く時間について:『ハレ婚。』

仲良しじゃない人と共有する、輝く時間について:『ハレ婚。』

「非イスラム教徒の日本の人が、一夫多妻制度をやったらどうなるんだろうなあ」とは、やっぱり考えるのであって、そんな思考実験を漫画にしてくれている(たぶん)のが、『ハレ婚。』である。

家族について考えさせられる作品だということで読み始めたのだが、読み進めるうちに共通するものがあるとひらめいたのは、意外にも、『SLAM DUNK』だった。

私の人生の目標として、私のことをいいと思ってくれる人とばっか

もっとみる
支配から降りて、同じ目線で歩くこと、そのまぶしさ:『聖なるズー』

支配から降りて、同じ目線で歩くこと、そのまぶしさ:『聖なるズー』

ノンフィクション作品『聖なるズー』が、ものすごくものすごくよかったから、熱烈におすすめします…。

―――

ズーとは…
動物性愛者を意味するズーファイル(zoophile)の略語。

動物性愛とは…
人間が動物に対して感情的な愛着を持ち、
ときに性的な欲望を抱く性愛のあり方。
獣姦とは、似て非なるもの。

⇔獣姦(bestiality)
 ・動物とセックスすること
  そのものを指す用語
 ・そ

もっとみる