記事一覧
寝込んでいた時のこと。
陽性反応が出る前に、体調が悪く、とても風邪とは思えないことを、近所に住む実家へ連絡しておいた。
陰性のうちから了解していた家族が、食事を玄関先に届けてくれるらしく、ひとまずホッとした。
ピンポンとインターホンが鳴り、食事をとりに行くと、発泡スチロールの箱の上にお盆があって、食事が紙皿とプラ容器によそってあり、いつもとは違う環境に物寂しさをおぼえた。
体温は一時38.5℃まで上がったが、すぐに解熱し
レクリエーション企画
ハヤくんは以前、この事業所で相談員をしていた職員だ。
この事業所での介護士歴が長いので、デイサービスの利用者も、デイケアの利用者も、みんながハヤくんのことを知っていて、慕っていた。ハヤくんも、デイケアの利用者もデイサービスの利用者も全部情報が頭に入っていて、なんでも知っているんじゃないかというくらい、詳しい人だった。
私は相談員として入ったばかりで、ハヤくんからいろいろな業務を教わってきた。
しか
リスクマネジメントと安心出来る生活のあいだ
ハヤくんは、私が入職した時に相談員の仕事を教えてくれた年下の先輩だ。
しかし、私が入職して2ヶ月足らずで、この世を去った。
ハヤくんの引き継ぎを受けて、他の職員の助けを借りながら、私はなんとか仕事をこなしている。
引き継ぎは中途半端ではなかったが、完全でもなかったから、私は色々調べたり人に教わったりしながら仕事を進めていた。
そんな時、ハヤくんが戻ってきた。他の職員に彼の姿は見えない。ハヤくんは事
遅い新人研修とフラバ。
送迎に連れて行ってもらえることになった。
入職してすぐに受ける研修だから、本当なら私も入職した時から送迎に付いて行くべきだったが、先輩であるハヤくんが退職することになり、その後色々あって研修どころではなくなってしまったので、後回しになっていた。
「やっとさかきさんも新人研修を受けられるね」
「もう新人とは思えないんだけどね」
口々に投げかけられる冷やかしの声に、つい胸が高鳴った。送迎は初めてではな
もう恋なんてしない。
事業所の鍵がある。
主任、リーダークラスの職員が持っていて、朝晩誰かが解錠、施錠している。
私は平社員だけれど、生活相談員という職種柄、残業が多いから、と主任から手渡された、ハヤくんからのお下がりだ。私はハヤくんの鍵、と呼んでいる。事業所ではなく、ハヤくんから預かっているだけの鍵だと思って持っている。
ハヤくんは、相談員として入職した私に引き継ぎをして、2ヶ月足らずで亡くなった、年下の先輩だ。
事故後カンファレンス
事故が起こった。
風呂場で利用者を転ばせてしまったという。
介護士が付き添っていながら、こんな事故が。
何をおいても利用者のもとに駆けつけて、お詫びする。
風呂から上がった利用者の前で、正式に謝罪した。
主任に報告をして、家族、担当のケアマネに伝えて、謝罪した。
骨折などの大事にならなくて良かった、うちの人は体が大きいから、逆に介護士に怪我をさせていないか心配…など、優しい言葉をいただいた。
「
間に合う、間に合わない
人生には、間に合うことと間に合わないことがあると思う。
限界まで耐えて、助けが来る前に力尽きるか、それともギリギリ誰かが手を取ってくれるか。
元夫と暮らしていて、元夫の散財により私の手術費用が足りなくなった。「間に合わなかった」から、私は愛猫との別れを選んで、実家に帰った。だけど、実家では両親が健在で、「間に合った」から今でも実家に身を寄せていられる。
以前の職場では、膝の痛みに耐えかねて、業務内