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【初心者向け】脊髄後角における痒み神経回路について
先日、研究始めたてのラボの後輩に向け、脊髄後角における痒み神経回路のレクチャーを行いました。
脊髄後角介在ニューロンに関しての記事はコチラ↓
自分で言うのもアレですが笑、講義録として後世のために残しておこうと思います。
※今回は、レビュー論文を基に話を進めていますが、私個人の主観も入っていますのでご了承ください。
Peripheral and Central Mechanisms of I
MS GABAergic ⇒ ACC
Introduction・内側中隔(MS)は前脳基底部の構成要素である。
・MSは主にGABA、コリン、グルタミン酸作動性ニューロンの3つのサブポピュレーションから構成されている。
・MSへのGABAAアゴニスト投与は炎症性疼痛を抑制する。
・MSは脊髄SP陽性ニューロンから直接投射を受ける。
ResultsC57BL/6にchloroquine、compound 48/80を皮内投与し、MSに
Prl ext ⇒ NAcC
ResultsSDラットにCompound 48/80、5-HTを皮内投与した後のPrlのc-fos発現を確認した。
Prlの興奮性ニューロンにhM4Diを発現させると、48/80、5-HT、chloroquineの掻き動作が抑制された。
NAcCに投射するPrl興奮性ニューロンにhM4Diを発現させると、同様に各種掻き動作が抑制された。またCPAテストを行うと、急性掻痒によって誘発されたCP
PrL ext ⇒ MD/BLA
Results1. PrL(前辺縁皮質)では選択的に痛みと痒みが表現される
PrLにAAV9-CaMK2a-GCaMP6fを注入し、in vivo Caイメージングを実施した。Chloroquineまたはcapsaicinを投与すると、それぞれにより活性化するニューロンの集団は選択的であった。
2. PrL(前辺縁皮質)では選択的に痛みと痒みを調節される
FosTRAPラベリングによりch
CeA Pdyn+ ⇒ PBN
Introduction・CeA(扁桃体中心核)には抗侵害受容機能を持つ2つの亜集団がある。1つはソマトスタチンとプロダイノルフィン(Pdyn)を発現する。もう一つは全身麻酔薬により活性化する。
・CeAからPBN(橋結合腕傍核)へ投射する、大部分がダイノルフィンを発現する経路もまた疼痛シグナルを調節する。
・CeAへのGABAAアゴニスト投与は急性および慢性掻痒を抑制する。
Results1
AICext ⇒ PrL
Introduction・ACC(前帯状皮質)とPrL(前辺縁皮質)はセロトニン作動性掻痒と48/80作動性掻痒を別々に調節する。
・IC(島皮質)は痒み刺激中に前部および後部が活性化する。
・AICはPICを介し内部感覚入力を受け取る。
・ICへの突起をもつ背側縫線核もまた掻痒刺激中に活性化する。
Results1. 各種起痒物質によりICにおけるcfosが上昇する
C48/80または5-
LH ORX neuron ⇒ PAG
Introduction・脳領域では主にvlPAG(腹側中脳水道周囲灰白質)で痛みと痒みの相反的な処理がなされている
・著者らは以前にPAGより上位のORX(オレキシン産生)ニューロンも相反する役割を示し、痛みは抑制するが痒みは促進することを見出した
Results1. ORXニューロンの光阻害は痛みと痒みを相反的に調節した
ORX-tTAマウスを用いてLH(視床下部外側野)にArchTを発
AICext ⇒ dBNST GABAergic
Introduction・AIC(前島皮質)は線条体、扁桃体のような感情・動機に関わる領域と接続。
・PIC(後島皮質)は感覚と運動のつながりに関連付けられる。
・dBNST(分界条床核背側部)はICからの主要な下流の一つ。
Results1. ストレスにより急性掻痒の感受性?があがる
Histamineまたはchloroquineは掻き動作およびCPAを誘発した。また、拘束ストレス後のhi