PrL ext ⇒ MD/BLA
Results
1. PrL(前辺縁皮質)では選択的に痛みと痒みが表現される
PrLにAAV9-CaMK2a-GCaMP6fを注入し、in vivo Caイメージングを実施した。Chloroquineまたはcapsaicinを投与すると、それぞれにより活性化するニューロンの集団は選択的であった。
2. PrL(前辺縁皮質)では選択的に痛みと痒みを調節される
FosTRAPラベリングによりchloroquineまたはcapsaicin反応性ニューロンにDREADDを発現させた。
まずchloroquine-TRAP細胞を抑制すると、掻き動作は抑制され、活性化すると自発的掻き動作が誘発された。一方、capsaicin投与による疼痛行動には影響を与えなった。
次にcapsaicin-TRAP細胞を抑制すると、舐め行動は増加し、活性化すると減少した。一方、chloroquine投与による掻き動作には影響を与えなかった。
3. PrLは痛みと痒みによる負の情動を制御する
FosTRAPラベリングによりchloroquineまたはcapsaicin反応性ニューロンにChR2またはhM4Diを発現させた。
chloroquine-TRAP細胞の光活性化はreal-time place avoidanceを誘発した。一方、chloroquine-TRAP細胞の遺伝学的抑制はCPAを消失させた。
また、capsaicin-TRAP細胞の光活性化はreal-time place preferenceを誘発した。一方、capsaicin-TRAP細胞の遺伝学的抑制はCPAをさらに増強させた。
4. PrLは発散的な投射により痛みと痒みを調節する
FosTRAPにより投射先を標識すると、痒み情報は特にBLA(扁桃体基底外側核)に投射されており、痛み情報は特にMD(視床背内側核)に投射されていた。
また、hM4DiによりPrL-BLA経路を抑制すると、chloroquine誘発掻き動作は抑制され、capsaicin誘発舐め行動は変化しなかった。
一方、hM4DiによりPrL-MD経路を抑制すると、capsaicin誘発舐め行動は抑制され、chloroquine誘発掻き動作は変化しなかった。
5. PrL-BLA経路は痒みによる嫌悪感、PrL-MD経路は痛みによる嫌悪感を制御する
hM4DiによるPrL-BLA経路の抑制は、chloroquine誘発CPAを消失させた。
また、PrL-MD経路の抑制は、capsaicin誘発CPAを消失させた。
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