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読書レビューまとめ

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読書のレビューをまとめてみました。
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2024年2月の記事一覧

『推し、燃ゆ』(宇佐美りん著)

『推し、燃ゆ』(宇佐美りん著)

【内容】
女子高生あかりの『推す』の男性アイドル真幸はファンを殴ったことで、真幸たげではなく、あかりにまでその影響が及んでくる。

※ネタバレします。

【感想】
気になっていた作品なので、今更ながら読んでみました。
(最近の作品だと思っていたのですが、もう3年も前の作品なんですね…)

主人公は、男性アイドルグループの『推し』が引退まで追い込まれ、それとともに主人公のあかりが精神を病み、高校を中

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『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』(島田裕巳 著)

『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』(島田裕巳 著)

【内容】
日本の仏教に関する伝来から現代までの流れを、宗派の成立などを絡めて解説した本。

【感想】
それほどページ数ない本でしたが、仏教伝来から現代までののことを要領よくまとめていて興味深く読みました。
更に、大まかな仏教の流れというだけではなく、近年の研究や社会との関係性を盛り込んでいたのも良かったです。

いくつかの例を挙げていくと…
・日本人の無宗教の根底には、天台本学論と呼ばれる思想があ

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『サピエンス全史(下)』(ユヴァル・ノア・ハラリ著)

『サピエンス全史(下)』(ユヴァル・ノア・ハラリ著)

【内容】
ホモ・サピエンスの過去、現在、未来を俯瞰する世界的なベストセラーの下巻。

※ネタバレ(?)します。

【感想】
人類と何か?
神とは何なのか?
死は克服されるのか?

チラリと頭をよぎることはあっても、普段は大きな話過ぎて、基本的にスルーしがちな話題を、凄く頭の良い学者が今わかっている最新の研究を絡めて語ったらどうなるのか?

そしたら、やたらに面白く、今まで見えていなかった世界のあり

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『ボールのようなことば。』(糸井重里 著)

『ボールのようなことば。』(糸井重里 著)

【内容】
『ほぼ日刊いとい新聞』主催の糸井重里の短い文章や詩のようなものを集めた文章集。

【感想】
伝える技術と、独自の時代や世界を切り取る視点の沢山のピースを集めた標本箱のような本でした。
簡素な言葉で、サラッと言葉で刺してくる…

コピーライターとして培ったものの見方や手法が、習慣のように言葉にする癖のようなものかも知れないと感じたりしました。
コピーライター的な手法で言葉にすると、色んな言

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『凡人として生きるということ』(押井守 著)

『凡人として生きるということ』(押井守 著)

【内容】
アニメ映画の監督である押井守が、社会について、若者について、映画について語った本。

【感想】
若さに価値ない…
『嘘はいけない』なんて嘘だ…

社会の建前の裏にあることを忖度なく直球で語ったり、創作についての独自の見解を述べている押井守節が炸裂していました。

押井守はペシミニストのようでいて、書いているうちに熱を帯びて来る…
おっさんになって説教する的な傾向もあるとは思いますが、わり

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『国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶』(加谷 珪一 著)

『国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶』(加谷 珪一 著)

【内容】
他の先進国が消費を拡大する中、なぜ日本だけが沈み続ける原因は、緊縮財政でも消費増税でもなく「日本人の性格」である。
「優しさ」「思いやり」「絆」の像とは裏腹に、じつは猜疑心が強く、他人の足を引っ張るという隠れた国民の本性を解説していく。

※ネタバレ(?)します。

【感想】
なかなか辛辣なことが描かれていました。
世界的な意識調査や、今まで書かれた日本人論の山本七平の『空気の研究』とか

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『日本の10大新宗教』(島田裕巳 著)

『日本の10大新宗教』(島田裕巳 著)

【内容】
日本の新宗教が、いつどう成立したかを、代表的教団の教祖誕生から社会問題化した事件までを繙きながら、日本人の精神と宗教観を概観した本。

【感想】
『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』という同じ著者の本が面白かったので、こちらの本も読んでみました。

単純に日本における信仰宗教、新宗教の紹介や解説と言うだけに留まらず、明治維新以降の日本の社会史や精神史についての本でもありました。

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『局アナ 安住紳一郎』(安住紳一郎 著)

『局アナ 安住紳一郎』(安住紳一郎 著)

【内容】
テレビの司会やラジオで活躍しているアナウンサーの安住紳一郎のエッセー本。

【感想】
安住紳一郎のラジオリスナーなのですが、ラジオで話す時の感じともちょっと違って、もう少し砕けた感じでした。ラジオのフリートークのネタ帳を覗き見ているようでもあり、著者の器用さを感じた本でした。
ラジオでも話題にしていたチアリーディングで全国制覇したお姉さんの話など、ラジオのトークとは違った描写の仕方をして

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『天才IT大臣オードリー・タンが初めて明かす 問題解決の4ステップと15キーワード』(オードリー・タン、黄亜琪 著)

『天才IT大臣オードリー・タンが初めて明かす 問題解決の4ステップと15キーワード』(オードリー・タン、黄亜琪 著)

【内容】
台湾IT担当大臣オードリー・タンの思考法を解説した本。

【感想】
コロナ禍で、国から送られて来た誰も使わない布マスクを手にしながら、オードリー・タンの活躍をニュースで観ながら、日本にもこんな大臣がいたら良いのになあと思いながら、ずっと気になっていたので読んでみることに…

オードリー・タンは、男性から女性へ性別移行(性転換のことを今はこういうらしいです)をしたIQ180の天才プログラマ

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『お金に困らない人が学んでいること』(岡崎 かつひろ 著)

『お金に困らない人が学んでいること』(岡崎 かつひろ 著)

【内容】
「学びの大事なのさ」と具体的な「インプット」「アウトプット」の手法、そして学びをお金に変える方法を解説したビジネス書。

【感想】
投資に関する本かと思い読み始めたのですが、
どう学びや仕事をしていくかと内容でした。
今風の成長するためにはどうすべきかみたいな話で、久しぶりこうしたビジネス書を読んだのですが、snsやテクノロジーなどについても語られており、これはこれで面白く読めました。

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『絶対悲観主義』(楠木 建 著)

『絶対悲観主義』(楠木 建 著)

【内容】
『絶対悲観主義者』であるという著者の人生論。

【感想】
悲観的になるのは、中途半端に悲観的になっているからであって、それを徹底していけば、ある種の達観に到達する…そんな趣旨の内容でした。
逆張りの人生論で、個人的にはそれなりに説得力があるような気もして、面白く読みました。
こうした本にわりとありがちな、キャッチーなタイトルを掲げながらも、読んでいくうちにわりと正論的な話に収束して感じに

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