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シン・映画日記『キラーカブトガニ』

ヒューマントラストシネマ渋谷でパニック映画『キラーカブトガニ』を見てきた。


人を襲う殺人カブトガニによるパニックを描いた映画で、CGや通常カブトガニや巨大カブトガニの造形、そして発達障害なウザい三枚目キャラなどやや難があるポンコツな作りではあるが、見ていくうちにポンコツさが妙な味わいに変わり、後半にある意外な展開があり、「悪くない」「むしろ、いいんじゃね?」とか褒めたくなる愛すべきD級映画である!

舞台はカルフォルニア州メンドシーノの田舎の港町で、ある日、ビーチで戯れていたカップルが怪死を遂げる事件が発生。保安官のフラネガンと保安官補佐のハンターは至急捜査に当たる。
一方、ハンターの弟で足が不自由な弟フィルは自宅の亡き父親の研究室から謎の物質を見つける。

ストーリーは港町で起きたカブトガニらしき謎の生物のパニックと、
高校生のフィルやマデリン、ラドゥ、マデリンの母親(シングルマザー)で高校の生物の先生のアナリサ、フィルの兄貴のハンターによるメンドシーノの田舎町版ビバリーヒルズ白書な感じで展開。

中盤までは6:4でフィルとマデリンを中心としたハイスクール青春ものになっていて、
そこに発達障害な三枚目のウザキャラのラドゥがカブトガニらしき生物をチラ見したことからパニックが広がる。

それで、中盤まではぶっちゃけ評価が低かった。
冒頭からバレバレなCG演出に
あからさまに作り物感バリバリで『エイリアン』のフェイスハガーのような通常殺人カブトガニ。
そして、センスゼロで言動・行動がバカ過ぎる三枚目ウザキャラのラドゥが引っ掻き回し、
微妙なものを見てしまった、と後悔する。

後半に入るとカブトガニパニックがモンスターパニックに変わり、被り物感バリバリな巨大カブトガニが次々出てきて、メインキャラ達との壮絶なバトルになる。
途中の街コン風なプロムパーティーを含めてB級パニック映画あるあるな展開が進んでいくが、
終盤になって意外な方向にシフトする。

あー、そうなるのか!
それをやるのか!
もう、この一点だけで、これまでのポンコツ要素を色々と許したくなる。

それでも河崎実監督作品並のD級パニックではあるが、
こういうのは見ておいて良かった、見逃さないで良かったと思う。
いやいやそれどころか、
あらゆる意味で『THE LEGEND & BUTTERFLY』よりも面白かった!!

三枚目ウザキャラのラドゥも後半からは少しずつ空回りから、映画を見る側に起動が寄っていくし、いつの間にかに愛されキャラになる。
それと、マデリンの母親で高校の生物教師のアナリサがすんごい美人。
はっきり言ってこれだけでも『レジェバタ』の綾瀬はるかや中谷美紀に勝っているし、
ちょっとバカっぽい感じも愛おしい。

『ジョーズ』や『エイリアン』、『グレムリン』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(科学要素のみ)と2013年公開の某特撮映画の影響がプンプンだが、
応援したくなる、愛おしくなるD級映画である!

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