流刑囚の映画千夜一夜物語~第九回『TENET テネット』(’20米、英)

私流刑囚がその時々で見た映画を紹介するコーナー、第九回は『TENET テネット』』(’20米、英)。

本作の5点満点評価は…

コンセプト…4点
カメラワーク…3点
ビジュアル…2.5点
脚本…2点

総合評価…2.9点

 本作の内容を一言で表現するならば「異なる時空間における戦争モノ」といったところだろうか。「一般人の知覚が難しい次元にて行われる戦争」というとグレッグ・イーガンの短編にもそう

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映画放談Ⅰ -普通の対話- 抄録ⅱ

本記事は2020年8月下旬に行われた新・映画批評を共催する井口海斗と川原梨央奈による90分に渡る対談をテーマごとにコンパクトにまとめた抄録です。

抄録はテーマごとに全13回に分けてあり、今回はその第2回です。

以降の回も順次更新され、マガジン「映画放談」に登録されるので、ぜひチェックしてください。

また、この対談自体も記事末尾のリンクより各種媒体で全編が視聴可能で、本記事にはないライブ感を実

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映画放談Ⅰ -普通の対話- 抄録ⅰ

本記事は2020年8月下旬に行われた新・映画批評を共催する井口海斗と川原梨央奈による90分に渡る対談をテーマごとにコンパクトにまとめた抄録です。

抄録はテーマごとに全13回に分けてあり、今回はその第1回です。

以降の回も順次更新され、マガジン「映画放談」に登録されるので、ぜひチェックしてください。

また、この対談自体も記事末尾のリンクより各種媒体で全編が視聴可能で、本記事にはないライブ感を実

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僕が「映画レビュー」を書く上で大切にしていること。

いつもお読み頂き、ありがとうございます。

音楽&映画ライターの松本侃士です。(自己紹介の記事は、こちら。)

最近、とても光栄なことに、「どのように映画レビューを書いているのか教えて欲しい」というお声を頂くことが増えてきました。

非常に恐れ多くはありますが、僕自身、「映画」を観た体験を「言葉」にして綴る人が一人でも増えていって欲しいと思っているので、今回、僕なりの「映画レビュー」の書き方をご紹

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コロシアムの建築家ポン・ジュノ 〜または『グエムル 漢江の怪物』は新型コロナウイルスの夢を見るか?〜

<前書き>

冗談みたいな怪物にもたらされる冗談みたいな死。『はずみでできた子をはずみで失う』ように、死は、人間の尺度を超えた奇怪でつかみどころのないジョーク(魚とワニと食虫植物のキメラ)として現れる。
『パラサイト 半地下の家族』(2019、以下『パラサイト』)を論じた拙文https://note.com/waganugeru/n/nade35a7eef2dで確認したポン・ジュノ作品の主要テーマ

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いいことある
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【徹底考察】 『TENET テネット』に秘められた9つの「時間」の謎を解く。

【『TENET テネット』/クリストファー・ノーラン監督】

未だ誰も観たことのない「映画」が、ここに誕生した。

150分間に及ぶ未知の鑑賞体験を通して、既存の価値観が次々と覆され、そして、全く新しい世界へと導かれていく。『TENET』は、僕たち観客の「映画」との向き合い方を不可逆的にアップデートしてしまう恐ろしい作品だ。

たとえ、劇中で描かれる数々の現象がフィクションであると理解していても、

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【ネタバレなし】 歴史的傑作『TENET テネット』を観た。

凄い。

スクリーンに映る一つ一つの現象が、あらゆる現実を超越していく。そのたびに、既存の価値観が次々と覆され、気付けば、全く新しい世界へと導かれていく。

これこそが、「映画」の魔法だ。極めて原初的で、そして、だからこそ眩くて尊い「映画」の存在意義なのだ。

『既に、あらゆる「映画」は撮り尽くされてしまった。』

いつの時代も、悲痛な諦念として語られるその言説に対して、クリストファー・ノーラン監

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選ばれし者は選ぶ者(『マトリックス』批評)

過去に実施した国語科特別演習「視覚芸術と近代」に際して、担当教員が執筆した参考レポートです。
演習では、映画『マトリックス』を中心に扱い、映画『2001年宇宙の旅』を補足として鑑賞しました。

 知能を持った機械によって人々は飼育され、覚めない夢のような仮想社会を生きている。0と1の二進法に還元される電気的な信号によって人はその世界を認識する。onとoffによって作られた世界を象徴するかのようにプ

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「マトリックス」の正体(『マトリックス』批評)

過去に実施した国語科特別演習「視覚芸術と近代」の最終レポートです。
演習では、映画『マトリックス』を中心に扱い、映画『2001年宇宙の旅』を補足として鑑賞しました。

 映画「マトリックス」を見て、いろいろな疑問を持つ人は多いのではないかと思う。実際に私がその一人である。
 エージェントはなぜいるのか、なぜカンフーで戦うのか、体はなぜマトリックスへ転送されないのか、などである。
 だが、今回は一番

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HERO?(『マトリックス』批評)

過去に実施した国語科特別演習「視覚芸術と近代」の最終レポートです。
演習では、映画『マトリックス』を中心に扱い、映画『2001年宇宙の旅』を補足として鑑賞しました。

 「マトリックス」という映画の大きな魅力といえばアクションシーンだ。独特のカメラワークで繰り広げられるアクションは、見た人を魅了する。ピストルの弾を避けるシーンは特に有名だ。
 この映画からストーリーという要素を外してみると、どれほ

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