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［ 何気ないワンシーンに物語を ］

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本
撮った写真を載せています。レタッチなども。
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［星野 カナタ］
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ヒトリモフタリモ、スキ。

「そんなことないですよ…」 絞り出した声は、言い慣れたコトバ。 日常の真ん中に置いていかれた私は、いつの間にか、才能に敗れた者に成り下がった。 空を仰ぐと、泣きたくなるような綺麗な色。 紫、ピンク、オレンジが混ざった世界だった。 こんなに悔しい気持ちになるくらいなら、好きなものなんて捨ててしまいたかった。 そんなことない。そんなこと…ないのだ。
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    朱い空が、落ちてきた日。

    朱い空が、落ちてきた日。

    台風が去った日は、いつも見慣れた景色とは違う世界が現れる。

    窓をグラデーションに染めた、見たことない色に誘われて外へ出る。その瞬間、新しい旅の扉が開かれる音がした。

    眼に映る世界と共に、あるバンドのフレーズが出てきた。お気に入りのナンバーが頭の中で流れる。何百回と聞いたメロディーは、私にとって青春の曲。

    あの人が、どんな景色を浮かべながら書いたのか一生わからないし、わかるつもりもない。

    だ

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    ［星野 カナタ］

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    最後の夜。

    何も知らなきゃ良かった。最後だと分かっているのに、辛いまま。続けていたら、何か変わるかもなんて、どうしてそんな甘い考えが浮かんだのだろう。気付かないくらいに細かく、心身ともにすり減っていくだけだった。それでも、それでも。最後だから、笑顔の私を覚えて欲しいの。泣いてる私なんか、どうか忘れて。
    ［星野 カナタ］

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    懐かしい声と紅茶と。

    なんてことない日のおやつは、少し贅沢に。なんてことない話題で盛り上がって、ちょっとだけ寂しくなる。変わらないものを多く持っていたいよ。でも変わり続けることも必要だってわかってる。冷めたスコーンに生クリームをたっぷりつけて口へ放り込む。後から追いかける紅茶が、くすぐったいのになぜか落ち着く。嫌い嫌いと言ったって、私はあなたしかいないのに。それが悔しくて、恥ずかしい。
    ［星野 カナタ］

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    さよならいつか、ずっと会わないままで。

    蒸し暑い夕方。釣りへ行くカップルが横切る。どうしてだか、儚くて切ない夏の香り。目が合った瞬間にそらされる視線、2度とは会えない人なのに。冷たい雨、消される記憶。ずっとずっと寂しいままの心。乾いた喉を通らない言葉。みんなみんな、取り残される街。
    ［星野 カナタ］

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    冬花火の下に、散る恋心

    君と観た、いつかの花火を、私は忘れてしまいたい。だって、本当に本当に綺麗だったから。
      ［星野 カナタ］

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      切り取った世界と想いと。

      好きなものほど。 間近で見ると、もっと好きになる。