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想い入れ。

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#コラム

彼の人生ごと愛しているから

彼の人生ごと愛しているから

恋人は常にフラットで感情的にならない人なのだけど、最近、彼の人間らしい一面を久しぶりに見た。

あれほどわかりやすいのは珍しいのでとても印象的だった。

最近転勤になった職場の先輩(上司)のことを彼はかなり慕っていて、「転勤になるみたい」という話を私に話してきたときの表情から滲み出る寂しさとか不安とか、珍しいから尚更かもしれないけれど見ていて私まで切なくなった。

転勤の理由は売上を上げるための引

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朝はいつだって過不足なく満ちている

朝はいつだって過不足なく満ちている

春が近いと感じる。まだまだ寒いけれど快晴の日に当たる陽の温かさとか柔らかさとか、外から聞こえる自然の音とか。

目を閉じると草木が揺れる音がもうすぐそこに聞こえてくるような気がする。目を開ける時自然と口角が上がる。

冬は外がとても静かだし陽が沈むのが早い。けれど雪が降りよく積もった日は、手元や足元が電灯なしでもよく見えるほど明るい。それがものすごく好き。

朝起きて、温もりを溜め込んだベッドから

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貴方にまた出逢えるのなら

貴方にまた出逢えるのなら

久々に彼に会えるからここ数日ふわふわしている。身も心もふわふわ。身も?

少しでも可愛い姿で会いたくて美容院にも行ったし、眉毛サロンにも行って眉毛も整えて一緒にまつ毛パーマもしてもらって。気になってたアイシャドウも買ってみたり。シルバーが雪のように光る、ピンクのアイシャドウ。あれ、なんだかお金使ってばっかりだな、まいっか。みたいな浮かれ具合で。
家ではニキビができないように小麦を摂るのも極力控えた

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「かわいくなりたい」という呪いから解放された話

「かわいくなりたい」という呪いから解放された話

学生時代から20代前半まではもうそれはそれは容姿の良さに囚われて「可愛くなりたい」という自分が自分にかけた呪いに半殺しにされていた。

誰かに暴言を吐かれたとか、トラウマになるような悪口を言われたとか、そういう特別ななにかがあったわけではなく、ただ「何もないくせに容姿もこんな醜いのね」と自分をひたすら嫌っていた。

中身に関しても人間として素敵だという認識は到底なかったし「何もない」とひたすら泣い

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彼と私が生きる朝

彼と私が生きる朝

一緒に住む恋人の生活を観察してみた感想はとにかく「朝が早い」だった。

普通は休日に5:00に目を覚ましたら、大体は二度寝するだろう。しかも前日の夜0時過ぎに寝ていたのなら尚の事。だが彼は二度寝をしない。

私も朝は早い方だけれど「私より朝強い人いるんだ…」と驚くほど彼は朝型人間…

と思いきや、別に夜寝るのが早いわけでもないのである。(である)。生活習慣が整っている彼も、お酒を飲んで夜更かしした

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残酷な偽物

残酷な偽物

写真は現実だと、思いますか?

大学で撮影の実習を履修していた時に「写真は現実を映さない」と先生方が仰っていたことを今になって思い出している。

「人間の目は良く出来すぎている。勝手に色も鮮やかに映し出されているから、写真を撮ると何か違う、と感じるかもしれない。」

(大方このような話だった気がする、。)

この意味でか、はたまた違う意味でだったかはわからないけれど、とにかく今わかることは

「写

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