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メンタルヘルス。アンジャ渡部にも教えたい。休職者への職場復帰支援プログラム。by転職定着マイスター川野智己。

 今や、ストレス社会における風土病と化した「鬱(うつ病)」。休職した社員に対して、無理のない円滑な職場復帰が必須となっている。厚生労働省は、休職の始まりから復帰までを規定した支援策、主治医や産業医、及び復帰先の上司も巻き込んだ手厚い職場復帰支援プログラムの実施を産業界に強く推奨している。

 以下、元B21で本松伊代さんの夫であり、自身も芸能界への復帰を果たされたヒロムさんと、これから本格的な復帰を目指されているお笑いコンビのアンジョッシュのお二人から、職場復帰支援プログラムを説明してもらおう。

  TV局番組「ケンタの神様」(ケンタッキーフライドチキン提供)の控室にて。お笑いタレントのヒロムの独り言。

  あの時の先輩からのパワハラには参ったよ。
「おじさん、面白くねえから。」
って、確かに言ったけどさ。

 単なる上司の陰口じゃねえかよ。 
 誰でも言うだろ。それぐらい。
 きっと、スタッフの誰かが言いつけたんだな。

 あの大御所も、過去の人かと思ってたけど、俺を出演できなくするほどの政治力を未だに持っていたなんて、やっぱり侮れないや。
 確かに、毎年正月の番組で「かくし芸」を披露していたからな。だから、番組の編成部に対する裏技でもあったのかもな。 
 テーブルクロスを引き抜かれたように足元掬われて、さすがの俺も転倒して、しこたま頭を打ったよ。頭の周りをくるくる星が回ってねえ、思わず叫んださ。
 「星、三つです!」

  お陰で、すっかりメンタルをやられた。
  暴走族八王子エンペラー出身の俺も、実はヤワだったんだよ。
 そのまま、芸能界から休職状態になったよ。
 
 休んでいる間も、ママの本松伊代からも、
「いつまで、センチメンタルなジャーニー(旅)を続けているつもり?踏み外した人生のレールに立ち戻ってよ!」
 って励まされたよ。
 熱いエールさ。本当に、ママには感謝している。

 もっとも、ママ自身は「レール内に立ち入った罪」で鉄道営業法違反で書類送検されたけどね。まあ、いつまでも、「まだ16歳」のつもりじゃ困るよ。

 
 生活も困窮し、俺も、尻に火がついた状態だった。
 最後には、背中に火が回って大やけどさ。
 そんな「やきがまわった」俺だけども、ようやく芸能界に復帰できたぜ。  
 もっとも、勤め人は、職場復帰支援プログラムという手厚い制度があるらしいじゃないか。
 厚生労働省が推奨する制度だそうだ。
 視聴者のみんなに紹介するよ。

 

1 第1ステップ 「病気休業開始及び休業中のケア」


 勤務先は、労働者経由で主治医から診断書を提出してもらう。
 そこには、必要な療養期間を記入してもらい、逆に、勤務先からは主治医に対して休職前の労働者が担っていた職務内容や様子を情報提供し、今後の療養の参考情報として、主治医に把握してもらう。
 勤務先と主治医との共通認識をはかることが狙いである。
 なによりも、この段階では、経済面で労働者を安心させる意味から、労働者に休業規定を説明し、代替要員の手配済であることを伝え、安心して療養に専念してもらうべく環境を整えることが最も大切な点としている。

  

2 第2ステップ「職場復帰の判断準備段階」


 主治医の診断書、労働者本人の意向を産業医が検証し、職場復帰が出来るかどうか勤務先が判断する段階である。

  

3 第3ステップ「産業医面談と職場復帰プログラムの作成」

 労働者と産業医の面談を行い、本人の意志や様子を確認する。     
 その後、お試し勤務として、期間、始業時刻や終業時刻、期間中の職務内容、期間中の評価者を決める。
 これら計画された職場復帰支援プログラムを、労働者に提示する。

 

4 第4ステップ「お試し勤務の実行と評価検証」


 お試し勤務期間終了後に、職場の評価者(主に、直属の上司が担うケースが多い)により、労働者の勤務状況が評価され、その後の本格復帰が可能かどうか判断するための貴重な判断基準とする。

 (再び、ヒロムの独り言)  
 ずいぶん手厚いよな。本当に勤め人は羨ましいよ。俺たちタレントにはそんな支援も無いしな。
 タレント事務所は、雇用契約じゃないんだ。

 さ、今日も仕事だ。
 仕事があるありがたみを噛みしめてるよ。
 TV番組「ケンタの神様」のMCだとさ。
 スポンサーのケンタッキーフライドチキンのようにカラッと揚げたての笑いを届けるぞ。ピリッとしたスパイス付きの笑いさ。
 「さあ、次なる登場は、長い休養が明けた、久しぶりのアンジョッシュの 二人だよ。どうぞ。」

 ナレーション「仕事の忙しさのストレスから適応障害となった渡部社員。ようやく完治して、今日はお試し勤務の初日だ。しかし、上司の児嶋課長は、休職者への職場復帰支援制度のことをよく理解していない。アンジョッシュお得意の、すれ違いコント。今日は、どんな展開が飛びだすか!」

 

 渡部の独り言(ああ、久しぶりの出勤だ。でも、ありがたいなあ。会社はこうやって、配慮してくれている。満員電車に揺られないように、出勤時間を遅らせてくれるし、それに、まずは軽い仕事から始めてくれるようだ。
 今回は忙しすぎて過重労働になったから、復帰後は仕事をセーブしないといけないな。職場復帰支援プログラムの詳しい内容は、上司の児嶋課長に聞こう。よし、頑張るぞ!)

  児嶋課長の独り言(まったく、人事部の説明はよくわからねえよ。なんか、会社側が彼の為に尽くさなければいけないみたいだな。それにしても、永らく休んでいる社員にそこまで気を使わなければならないのかよ。彼が休んでいる間、どれだけ忙しかったか。いい気なもんだ。
 それに、彼は、たしか女性スキャンダルで出勤停止になっていたんじゃないかな。違ったかな。噂だけどな。それは経理の東出君だったかな。いずれにしても、休むなんて、気持ちが弱いんだな。チキンな奴だ。)

 

渡部の独り言(あ、児嶋課長だ。ここは元気に挨拶しないと)
渡部「おはようございます。大嶋課長!」
児嶋「小嶋だよ!ってか、児嶋だよ!」
渡部「す、すみません。久しぶりの出社で。。。お陰様で、だいぶ良くなりました。僕も、頑張りすぎたのかもしれません。やりすぎました。」

 児嶋「声が大きい!ここは神聖な職場だぞ。ヤリ過ぎたはないだろう。まあ、そうだな、若いからしょうがないけど。相手の女性も傷ついているだろう。まあ、夜の勤務もほどほどにな(苦笑)。」

渡部の独り言(夜の勤務?ああ、会社の仕事持ちこんで自宅でやっていたこと知ってるんだ)
渡部「大丈夫です。独りでヤっていました。」
児嶋「そんな生々しい話、聞きたくねえよ!」
渡部「(頭を)使い過ぎで。すっかり萎えちゃって。」
児嶋「上司に相談することかよ!」

渡部「ところで、私の為の支援プログラムがあるそうですが。」
児嶋「まあな、人事部からも『よろしく頼む』とは言われてるけどな。」
児嶋の独り言(やべえな。人事部の話、よく聞いてなかったよ。それにしても、女好きという病は治らねえんじゃないのか?会社はそこまでこいつに支援する必要があるのかね)

児嶋「ああ、安心しろ。全面的にバックアップするさ。ところで、あれ、あの支援プログラムは何て言ったかな。。ど忘れしたな。ええと。」
渡部「職場復帰支援プログラムだそうです。」

児嶋「え!なんだって?」
児嶋の独り言(おいおい本当かよ。職場勃●支援プログラムって言ったよな。異常に性欲が強い男にそんな支援をして良いのかよ。しかも、職場で勃●の支援をするって、わけわかんねえよ)

児嶋「あ、まあまあ、聞いてるよ。ところで、休職中はどうやって治療していたのかな。」
渡部「はい、薬を飲んで治療していました。」
児嶋「薬で治してたのかよ!」
児嶋の独り言(本当かよ。確かに、バイア何とかだとか、便利な薬があるとは聞いてたけど。そんなことで、会社休んで良いのかよ。)
児嶋「ほかには、どうやって治療していたんだ。」
渡部「はい、カウンセリングと言ったかな。若い女性とお話していました。」
児嶋「女性まで紹介してくれるのか!最近の医療機関は、そこまで手厚いのかよ!確かに、効果はあるのだろうがな。」
渡部「はい、その時は、私も将来に望みが無かったものでしたので。良かったです。」
児嶋「奥さんののぞみさんが居ないときにか!悪いやつだな、お前は。」
 

渡部「でも、おかげさまで、すっかり良くなりました。僕自身のすっかり元気な姿を見てもらおうと思っています。見てもらえますか?」
児嶋「見たくねえよ。変態か!」
渡部「あれ、徐々に完全に元気な状態になる過程を、児嶋課長がじっくりと観察してくれる、そんなプログラムと聞いていますけど。」
児嶋「そんな趣味ねえよ!どんなプレイだよ!何考えてるんだよ。」
渡部「え!本番の前の、お試し期間だと」
児嶋「何を試すんだよ!やめてくれよ。本番って何だよ!」

渡部「最終的に、私自身を評価してくれると聞いています。私がどれだけ元気に復活したかを。職場支援の結果として。『とても元気だ』『あまり元気ではない』など5段階評価だそうです。」
児嶋「気持ちが悪いよ!なんで評価しなくちゃいけねえんだよ。お前のモノを。そもそも、元気の度合いって、その基準がわからねえよ!」
渡部「標準的な男性の基準で良いのではと思います。」
児嶋「他の奴のモノなんか知らねえよ。自分のしかわからねえよ。」
渡部「それでよろしいかと思います。私も元気な課長のことを良く知っています。」
児嶋「いつ、見たんだよ!トイレの時か?」
渡部「トイレ?私は男子トイレは使いません。いつも多目的トイレです。」
児嶋「やっぱりそうか。お前ってヤツは。」

 
渡部「それにしても、休職期間中は課長にもご負担をおかけしました。」
児嶋「まあな。お前のせいで、肩こりがひどくなったよ。」
渡部「私から電器あんまをお届けします。気持ち良くなりますよ。」
児嶋「やめてくれよ。男同士、何考えてんだよ。」
渡部「え!私のが嫌なら、新たに買いますよ。ヤマダ電器で。」
児嶋「コジマだろ!」

※転職定着マイスター川野智己よりお知らせ。

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