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パワハラの正体見たり!フィギアのワリエワのコーチにも教えたい。指導と苛めの境界線。by転職定着マイスター川野智己

 「相手が嫌だと感じたら、それがハラスメントだ。」
 こんな乱暴でいい加減な理解が、未だに職場で大手を振っている。
 労働施策総合推進法の改正により、パワハラは明確に規定されるようになったのだ。
 パワハラ行為が見過ごされたり、逆に冤罪が生まれないよう、正しく理解していこう。

 
 中国の冬季オリンピックが無事に閉会した。
 報道によると、ロシアのフィギア選手ワリエワの演技終了後に彼女を叱責したコーチが、批判の矢面に立たされている。

 カミラ・ワリエワの演技直後を、確かに問い詰めたわよ。
 「どうして、戦うのをやめたの!説明しなさい。」ってね。
 だから、なあに?

 あたしの名前は、エテリ・トゥトベリゼ。
 ロシアのフィギアのコーチよ。 
 あんたたち、あたしを誰だと思ってるの。 
 日本でも人気があるアリーナ・ザギトワやエフゲニア・メドベージェワを育てたのは、このあたしなのよ。
 実績は十分すぎるほどあるのは、あんたたちも知ってるわよね。。

 IOC会長のバッファも、あたしのことを「寒気がする」だなんて。
 失礼だわ。
 小さい男ね。なにが「バッファ(余裕)」よ。名前と違うじゃないの。
 ガタガタぬかしてると、盟友のプーチンに頼んで、極寒の地シベリアに抑留しても良いのよ。

 ファーストネームが「トーマス」らしいから、シベリア鉄道の線路でも走らせようかしら。

 そこで「本当の寒気」とは何か十分に味わうがいいわ。
 ついでに、その首を4回転半回しても良いのよ。


 選手たちを虐めてるんじゃないの。あくまでも教育指導なのよ。
 実績上げてるのよ。文句あるの?実績は、指導の結果なのよ。

 ピロシキの皮だって、叩けば叩くほど強くなり歯ごたえがでるじゃないの。こん棒で叩いて伸ばして(具を)詰め込んで。
 選手の育成とピロシキ作りは相通じるのよ。

 嘘だと思うなら、教え子たちにインタビューしてみなさいよ。
 みんな、このあたしに感謝しているはずよ。
 パワハラだなんていう選手はいないはず。
 当り前じゃないの。

 ああ、こんな言いがかりを受けて、本当に心臓に悪いわ。
 ちょうどよかった。ワリエワが飲み残した狭心症の薬トリメタジジンが残っていたわ。ちょっと、もらっておくわ。
 大丈夫よ、選手全員に飲ませるように沢山持ってきたから。

 TBSテレビの日曜朝TV番組「サイテー・モーニング」放送にて。

MC:軽口宏「いやいや、なんか大変なことになってますね。なんだろう。唐箸君、説明してくれるかな。」

唐箸「はい、福島弁を操る眼鏡女子。唐箸ユミです。眼鏡先輩と呼んでください。さて、職場におけるパワハラの定義ですが、識者によると、これから述べる3つの要素を全て満たしたものをパワハラと言うとのことです。厚生労働省による基準なんですね。私が作ったこの手作りのフリップでご説明します。」

 1 優越的な関係を背景にした言動。

 これは、職務上の地位が上位の者の言動、一方、同僚や部下であっても職務遂行上豊富な経験や知識を有している者であり彼らの協力なしには業務遂行が出来ない関係下での言動、更に同僚や部下からの集団的な行為であり抵抗や拒絶が出来ない関係下での言動も含まれます。

 

2 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動。

 執拗に何度も行ったり、業務とは無関係な個人的なことを上げ連ねたり、個人を侮辱することなど。また衆目の場での言動も問題になります。

 

3 労働者の就業環境が害される。

 精神的・又は身体的に苦痛を与えられ、労働者の能力の発揮に重大な影
響が生じることを言います。

 以上、厚生労働省のホームページより明記されています。

 

 軽口「そうですか。ありがとうございます。パワハラといっても明確にされてるんだ。法律で定義が。ねえ。CMの後はスポーツ、まいります。」

 (♬タッタラタッタラ、タッタータター・・・・・サイテイモーニング♪)

(CM明け)

  軽口「さて、週刊御意見番のコーナーです。張さんの後を引き継いだ上腹浩治さん、今週もよろしくお願いします」

 上腹「よろしくお願いします。雑草魂で頑張ります。」

 軽口「さて、さきほどパワハラの話がありましたが、今週、そんな中、スポーツ界でもこんなことがありました。VTRお願いします。
 (VTRがスタジオに流れる)
   ロシアのワリエワ選手が転倒しましたね。これ、どうしちゃったんだろう。問題はこの後、競技を終えて。ん?なんか言ってますね。どうやら。このコーチがワリエワ選手を罵っているんですねこれが。。ああ、これはいけないや。これどうですか、上腹さん。」

 上腹「喝!大喝ですね。女だてらに。いやいや、どうですかね、このキツイ言い方。これはないでしょう。お嫁の貰い手がなくなりますね。これじゃねえ。もっともね。このコーチ、中年のようだから、独身かどうか知らないですけどね。」

 軽口「(咳払い)ちょ、ちょっとその言い方は止めてください。張さんの二の舞になりますから。降板になってしまいますよ。女性蔑視です。」

 上腹「元ピッチャーだけに、降板には慣れているけど。まあ、言い方を間違えましたね。アウトカウントを間違えたようなものです。」
  と、かつての炎のストッパーは、自らの火消しに追われた。

 唐腹「困りますよ。また、私がお詫びの文面を代読しなければならないじゃないですか。グスン。」と、眼鏡の奥の目が潤んでいた。眼鏡フェチの視聴者の心をつかんだ瞬間だった。

 軽口「そ、それではコーチの言動が、先ほどの3要素に抵触するのかどうかを、かつての教え子の選手の一人にインタビューしてみたいと思います。。準備はいいかな。アリーナ・ザギトワさんです。モスクワに中継が繋がってるはずですが。聞こえますか。ザギトワさん!そらジロー!」

 アリーナ・ザギトワ「ニホンノミナサマ、コンニチワ。ザギトワです。え!コーチの話ですか?ウラジミールがアメリカに篭絡されているウクライナを救うために聖戦の準備をしているのに、日本ではお気楽な番組をやってるんですね。今度、我が国が誇るバルチック艦隊に同乗して、遊びに行きます💛」

 赤木理「ザギトワざん!その節は、我が国のシンゾウ(晋三)が、御国の大統領に馴れ馴れしく、ウラジミールと呼んで大変失礼しました。許してください。ところで、あなたが平昌五輪で魅せたヒョウ柄のスーツでの演技、未だに脳裏に焼き付いています。」

 ザギトワ「ハラショー。スパシーバ。最近も、大好きなヒョウ柄の服で、ボリショイサーカスを見に行ったの。そうしたら、自転車に乗ったクマさんが驚いていたわ。うふふ。ミスター赤木は、コチコチのリベラルだそうだから、サーカスを動物虐待行為だと言うかもしれないけど。
 コチコチ・・・ああ、ごめんなさい。コーチの話でしたね。話がすり替わっちゃいましたぁ。プラスチーチェ(ごめんなさい)。」

 軽口「いいんですよ。話のすり替えや論理の飛躍なら、我々の番組も良くやりますから。ところで、本当にパワハラだなんてあるんですかね。ザギトワさんは、パワハラを受けた経験ありますか。」

  ザギトワ「ここだけの話ですが、確かにパワハラはあります。まず言えることは、彼女は私にとって優越的な地位にいました。私は彼女の言いなりです。必要かつ相当な範囲も超えていました。彼女は私の私生活にも大きく深く関与し始めて、私を束縛するようになりました。私にはプライベートなど無くなりました。なにせ、寝るときも夜中まで私を見つめて監視しているんです。」

 軽口「え!そう、もうパワハラを超えて異常な世界だね。身体的にはどんな被害をうけたの?」

  ザギトワ「もう、私の顔を嘗(な)め回して大変でした。寝室でも、平気で脱糞して、その片づけを私にさせるんです。」

 軽口「(ディレクターを見て)ちょっとどうかな。放送コードは大丈夫かな。ザギトワさん。悪いことは言わない、すぐにその場から逃げなさい。」

 ザギトワ「逃げれば逃げるほど追いかけてくるんです。襲いかかってくるんです。上に乗られたら身動きも出来ないんです。」

 軽口「もう、犯罪だ。ウオッカをかけて火をつけてやっつけなさい。」

  ザギトワ「でも、そんなところが好きなんです。日本の皆さん、本当にありがとう。」

 軽口「駄目だ。洗脳されてる。ストックホルム症候群だ。パワハラの加害者をかばっているだなんて。。」

 ザギトワ「大好きなんです。マサオ(秋田犬:メス)のことですよね。皆さんが、聴きたいのは。」

 軽口「。。。。。さ、一旦、コマーシャルいきます。」(サイテーモーニング♪)

 

最後、「風をよむ」のコーナーです。

 ワリエワのコーチの言動は、先ほどの3要素のいずれにも該当することがわかりました。よって、パワハラと認定されます。
 これは、もう一人の教え子のエフゲニア・メドベージェワからの証言で判明したものです。

 コーチに逆らえば、主要な競技への出場も危ぶまれ、練習では、「無能」「帰れ」「痩せろ」「もっと回転をきつく。(日露戦争の)東郷ターンくらいに」「ボルシチに何故サワークリームを乗せないんだ」「あたしの好きな羽生結弦選手を横取りするのか。この泥棒ネコ。説明しなさい」などと、矢継ぎ早に責め立てられて、本来の自分の能力を発揮できなかったそうです。
 リンクでコスプレで踊ったことがあるアニメのセーラームーンになぞらえて、「(コーチを)月に代わってお仕置き」したいくらいだったと言うのです。

 そんな自分の精神状態を守るために、幾重にも自分の殻をまとっていたそうです。まるでロシアの民芸品のマトリョーシカのように。

 ヨーロッパ各国は、ロシアからの天然ガスに頼っています。優越的な関係を背景にした言動であり、国家レベルでパワハラが横行していることを意味します。

  ひるがえって、私たちの日本の職場でも、かようなパワハラが横行しています。厚生労働省の示した3要素「優越的な地位を背景」「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」「労働者の就業環境が阻害される」。これらを常に頭において、お互いが良い職場環境を作りたいものです。

                              完
※転職定着マイスター川野智己よりお知らせ。

「今回の投稿はいかがだったでしょうか。今後とも、難しい人事労務や法律の話を、面白可笑しく、かつ分かりやすくお伝えする「おもわか」シリーズにご期待ください。
 なお、私は、転職定着マイスターとしてオンラインセミナーサイトのストアカ(会員数52万人)にて、オンラインセミナーを開催しています。転職者の転職先での人間関係を解決する講座です。大手人材紹介会社での教育研修B長としての経験をノウハウにして詰め込んでいます。お陰様で高い評判(レビュー)をいただいています。90分間で受講料1,000円のお手軽な金額設定で開催しいています。是非、受講をお待ちしております。


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