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色弱の世界を彩る

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世界に色が無ければ、たぶん世界は夢なんだと思う。 夢の中で瞳を閉じれば、たぶん世界は無なんだと思う。 スターバックスでアイスコーヒーを頼むのも、マクドナルドでハンバーガーを頼むの…
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#連載小説

過ちを気にやむことはない。ただ認めて次の糧にすればいい。それが大人の特権だ。

過ちを気にやむことはない。ただ認めて次の糧にすればいい。それが大人の特権だ。

何年前か忘れてしまったが、六本木ヒルズで開催された福井晴敏×富野由悠季と星を眺める会のような名前だったか忘れたけれど、参加したの覚えている。

2時間くらいのトークショー&質問会が行われた後に屋上で星を見ながら空(宇宙)に思いをはせるとというものだった。

残念ながら当日は雨で天体観測はできなかったが、その分二人の会話を楽しめました。

福井晴敏さんは言わずと知れた大作家。亡国のイージスをはじめ終

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渋谷が死んだ日は思い出が消えた日

渋谷が死んだ日は思い出が消えた日

もう10年以上前になるかもしれない。
渋谷に「のあ」というラーメン屋があった。
明治通りを恵比寿方面に歩いて、ドクターマーチンを少し進んだ辺りだったと思う。

ラーメン屋には珍しく雑居ビルの地下。まさかこんなところにラーメン屋なんてあるのかと思うくらいの場所だったのを覚えている。
そんなまさかは場所以外、店内にもあった。
扉を開けると一番最初に目に入るのは大型のテレビが正面にあり、ブラックミュージ

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mixiというコンテンツがありまして「1」

mixiというコンテンツがありまして「1」

最初にmixiについてではありません。

noteに何を書こうか考えていたら、そういえばmixiというものが昔々流行っていたなと思って、HPを開いてみた。
IDとパスワードは思いのほかすぐにヒットして開くことができた。
遡って読んでみるとなかなかカオスな状況で笑いながら読むことができた。
当時、二十代前半はこんなことを思いながら過ごしていたんだなと過去を振り返るとなかなか面白い部分もあり、今と変わ

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穏やかすぎて息がつまりそう

穏やかすぎて息がつまりそう

実家に帰るといつも思うことがある。
ゆっくりと流れる雲
小川のせせらぎ
木々が揺れる音
虫の鳴き声
草刈機のエンジン音
朝起きると蜘蛛の巣ができていたり
遠くで太鼓の音が聞こえたり
星がすごくきれいに見えたり

穏やかで、それでいて息がつまりそうなくらい
時間がゆっくりと過ぎていく

そんな時は風の通る東屋で横になって音楽を聴くのが好きだ

郁子ちゃんの声は夏になると聴きたくなる。

七尾旅人 ×

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おばあちゃん、おばあちゃん。

大分県の国東半島には神仏習合の原点ともいえる山岳宗教がある。
日本人なら馴染みのある、山を御神体とした考え方でもある。

国東半島の地は数年前からアートプロジェクトを毎年開催している。
これまでにオノ・ヨーコさんをはじめ、チームラボギャラリーなど様々な作品が見ることができる。

その中でもぼくが大分に帰省したときに必ず向かう場所がある。

『アナザータイムX X』 アントニー・ゴームニー氏作品

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初めてダレス国際空港に降り立ったのは二十四歳の七夕の日だった。ぼくは嬉しくなってグッドモーニングアメリカ!と叫んだ。

初めてダレス国際空港に降り立ったのは二十四歳の七夕の日だった。ぼくは嬉しくなってグッドモーニングアメリカ!と叫んだ。

 今日は七夕。
 ぼくの七夕の記憶はこれくらい。
 星は見えないけど、きっと織姫と彦星はどこかで会ってるのかな。
 たまにはデネブのことも思い出してあげてください。

 「流星」 流星の上に飛び乗ったのなら
 星のオーケストラを引き連れて
 飛び出そう

 小さな星のあの子のために
 かわいい顔したあの子のために
 僕は叫ぶんだ

 星がささやくこんな夜だから
 君のために叫ぶんだ
 届くといいな

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生きることは、誰かの喪を纏うこと

生きることは、誰かの喪を纏うこと

 はじめて「パラレルライン」という小説を先日投稿させてもらった。
 そのあと直ぐに大阪で大きな地震が起こった。パラレルラインは7年前の東北地震を思い返しながら数年前に書き上げた小説だが、なんとも言えない複雑な気分になったのは確かだ。

 今回タイトルにした「生きることは、誰かの喪を纏うこと」このように感じるきっかけになったのは、東北地震のあとだ。

 人生の中で出会ったたくさんの人、それは記憶の奥

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