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【第六話】※要らない癖※人の体を動かす2人の操縦士のお話⑥私の知らないもうひとりの私【マガジンⅢ】

昨日のお話の続きです。

※前回までのあらすじ※

「意識くん」は時間を作って
「無意識さん」を探しに出かけていた。

道すがら、
今までの自分を振り返っていた「意識くん」。

知らずのうちに
「無意識さん」に支えられていたことに
改めて気づいていた。

と同時に、
今は出来ることも増えたし、
強くもなったから、
もう昔ほどたくさんの気遣いは
もう大丈夫だよと伝えたい気持ちもあった。

心配されることも嬉しいけど、
それ以上に、
一緒にいろいろ感じて、
共に『ご主人(私)』の【体】と【心】を
今以上に上手に動かしていきたいと思っていた。

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・・・また見つけた!

歩いているとふと目に止まる、
見たことのない黒い痕跡。

これに触れる度に、
僕でさえ忘れていた出来事と、
その時感じたことが、
鮮明にフラッシュバックした。

間違いない。
これは「無意識さん」がボクに二度と見せまいと、
記憶領域からハッキングしたものだ。

そしてこれをブロックするプログラムを、
遠隔で組み込んでくれていたんだろう。

それこそがボクが感知した
『ご主人(私)』の【体】の正体不明の挙動の正体そのものだった。

すべてが繋がった。

「無意識さん」は間違いなく、
ボクが傷つかないようにずっと、
『ご主人(私)』の【心】が壊れないように、
『ご主人(私)』の【体】に
自動的に不快を避ける設定を更新し続けてくれていたんだ。

情景や状況・感じたことや思ったことを、
全部当時のままに保存して、
これをボクが感じないように、
何があってもすぐ対処できるように、
ずっとこれを繰り返し感じ続けていたのか・・・

一体・・・
どれだけの辛い記憶を、
独りで抱えているんだろう。。。

これを知っていくことは、
今のボクにとっては必要なことだ。

自動的避ける設定では、
時と場合によっては共感したい時や、
敢えてそれを感じることで
『ご主人(私)』の【心】に成長を促す時に、
感じようとすることが選べない。

小さいの頃にダメだったもので、
今ではもう大丈夫になったものはたくさんある。

『ご主人(私)』の【体】と【心】に経験をもっと積ませてあげる為には、
これをもう一度思い起こして、
当時の自分になってそのままに感じて、
「もう大丈夫」って確認させてあげることは、
これから生きていくにあたっての選択肢を、
増やす為にものすごく必要なことだと思う。






ひとつひとつ、
ちゃんと見落とさずに拾い上げていこう。


待っててね。


再会するまでに、
ボクはもう少し強くなれそうだよ。


「無意識さん」


弱かったボクで
本当にごめんね。


こんなボクを認めて、
すべてを受け入れて、
護ろうとしてくれて、
本当に有難う。


今度はボクが
安心を届けに行くからね。





次のお話です。

お時間ございましたら
是非読んでみてくださいね。


私の為に使わせていただくというよりは、 身の周りで助けてくれる人へのお礼として使わせていただきたいと考えてます。 せっかく私の為にご用意くださったものなのにごめんなさいね。 私は余生を、出来る限りの有難うを伝えて過ごしていきたいの。 気持ちを汲んでいただけると嬉しいです。