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フルーツパフェ・シンドロームのための習作
01:LIME LIGHT
出会って十七年、〝親友〟になって十年、そして奴が”芸能人”になって七年らしい。
右手の中で光るスマホの画面には『ファンクラブイベント開催のお知らせ』というタイトルのメール。芸能活動七周年を記念した写真集発売に伴うトークイベントと握手会を開催することを、おめでたい感じの文面で伝えてくる。一応役者ということになっているからここまでアイドルめいた活動はデビューの売り出し期以
「原宿系なんてやめとけよ」
「だから私決めたの、絶対に銀色の車には乗らないって」
ああもう自分が何の話をしているのか、さっぱりだ。どうして車の話なんて。大人みたいに。うん、もう大人なんだけどね、二十五歳だからね。大人だからバーの薄暗い店内のひんやりとしたカウンターにぐったり、額を預けて回らない口を精一杯動かす。
「一番汚れが目立たないからなんてそんな理由であんなにさ、高いものを買うなんて信じられない。自分の持ち物よ?」
氷の
かぐや姫なんて知らない
月が落ちてきたの。嘘だと思うかもしれないけど、これは本当の話。あたしはその月をナイスキャッチで受け止めて、ぎゅっと抱きしめたらほんのりと温かかったの。
今、その月はあたしのお部屋のベッドの上にいる。ピンク色のシーツ——これはママが選んだだけであたしの趣味ではない——の上に、真っ白な枕のお隣に、大人しく収まっている。昼間はスヤスヤと眠って、夜はピカピカと光る。飼っていた黒いウサギが落ちてくる拍子に逃