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【イタリア国立大学】番外編 論文執筆の裏話


言語学だけでなく、文学、ラテン語辞書も

はじめに

以前公開していた2021年の記事に
加筆、改訂を加えてまとめました。
ただし個人の経験をまとめた事項なので、
最新の情報は
各自でお調べ頂きますようお願い致します。

イタリアの大学へ正規留学するには、
まず▶東京イタリア文化会館にお問い合わせ下さい。
下記情報は、国立の教育機関に
外国人枠として正規入学する事を目的とした、
個人の経験による
入学手続きや大学生活のまとめ(2012年当時)です。

実際の現場から見た
裏話、こぼれ話についての番外編。


論文の内容と執筆言語

日本の大学は4年制だが、イタリアの大学は3年制。
卒業論文は
各大学、各学科、各教授の方針によって内容や執筆言語が異なり、
経済学部、医学部、法学部、物理学部など
学部によっても指定内容は当然大きく変わる。

関連記事:
▶卒論・卒業 ②始め方


筆者個人の例

言語教育の歴史的、且つ社会的観点について、
全編イタリア語で執筆。
卒業論文で必須の内容は、

目次(Indice)

  • 概要(Introduzione)

  • 本論(Capitoli/1章~必要数)

  • 結論(Conclusione)

  • 参考文献、参考サイト一覧(Bibliografia、Sitografia)

  • 謝辞(Ringraziamento 

一般的に論文の冒頭もしくは最後に盛り込む学生が多いが、必ずしも必須ではない。

更に、担当教授と話し合い、

  • 日本語要約(日本の家族親戚も理解出来る様に)

  • 図式番号一覧(数学的図式が多い論文であった為)

も加えた。

論文の内容については、
各自で大学事務、担当教授へお問い合わせ下さい。


卒業論文の苦労

何よりも、学術文法の壁である。
参考文献、分析資料と、読むべき書籍が何十冊とある上、
専門用語と学術文法が必要とされる論文は
日常生活での口語とは全く異なる為、
読むにも書くにも難しく精神的な疲労が大きい。

内容全てを外国語で書くという事は、とても大変である。
それは自身が非母語話者という背景もあるが、
例えイタリア人学生でも卒業論文の執筆は難しく、
担当教授からの大幅な添削はよくある事だ。


「公に論文を発表する」という事

学内講義授業の課題小論文(所謂、宿題)であれば
学生独りで書き上げ担当教授へ提出するが、
卒業論文含め学外へ公に発表する論文は、
完成前に
まず専門教授の目を通す事がほとんどだと思われる。
公に発表する、というのはつまり、
学生個人の論文であっても大学の名を背負う事になる為、
やはり専門家の意見や内容承認、添削が必要となる。
つまり、いくら母語話者学生であっても、
言葉や慣用句の選択、文章の言い回しなど
専門家(教授)の承認を受ける事になるのだ。

卒業論文であれば、
毎章、担当教授との話し合いで進めてゆく。
教授の添削が必須なのである。
外国人学生は、教授へ添削提出する前に
母語話者学生に言語添削をしてもらうのも有りだ。
(むしろ、友人の助けを借りる事を勧める)

その他の学外論文も
内容言語によって一概には言えないが、
非母語話者でありながら友人や、ましては教授の添削無しに
完全に独りで書き上げ公に発表する事はかなり難しい、
以上で述べた観点からあまり現実的ではない、という印象だ。

個人の感想なので、国や大学、各個人によって異なります。



在日イタリア大使館(東京)
在大阪イタリア総領事館(大阪)
もしくは留学エージェント会社などに問い合わせる等、
最新の情報は必ずご自身でご確認下さい。

▶本記事の出典元ブログ記事
▶元ブログ「シエナの坂道。。」


【イタリア国立大学正規留学】目次

▷▷大学のシステム
学士/修士/博士課程

▷▷申請手続き
・渡航前
① 準備(1)
② 準備(2)
③ ビザ(1)
④ ビザ(2)
⑤ 住居証明
⑥ 学費納入
⑦ 海外保険
⑧ ビザ申請予約

・渡航後
⑨ 滞在許可(1)
⑩ 滞在許可(2)
⑪ 滞在許可(3)
⑫ 滞在許可(4)
⑬ オンライン入学登録

▷▷大学生活
① 授業期間
② 授業と復習
③ 期末試験

▷▷卒業論文・大学卒業
① ラウレア
② 始め方
③ 進め方
④ 完成後
⑤ ラウレア当日

▷▷番外編
卒論執筆の裏話  ←今ここ。

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