激しく破って、優しく葬って
皆さん、こんばんは。綺羅です。
今日もnoteをご覧いただき、ありがとうございます。
最近、意識的に「複式呼吸」することに取り組んでいます。
始めた動機は、鬼滅の刃に出て来る「全集中"常中"」という呼吸法からですが、刺激のままに高ぶることが、心なしか少なくなった気がします。
さて、題名から「どうした?!」という感じのことを書いていますね(笑)
私は、アナログ絵を描くのですが、失敗した時、気に入らなかった時、一言声をかけてから、修復不能なまでに、粉々に破きます。
日の目を見なかった作品は残さず、そっと胸の中にしまっておきたいのです。
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失敗・・・それは、おそらく経験していない人の方が少ないでしょう。
お料理している時に黒く焦がしてしまったハンバーグ。
まだソーイングに慣れなくて縫い目が乱雑な手作りポーチ。
画像修正の仕方が分からなくて赤目補正が出来ずじまいに終わった写真。
砂糖と塩を間違えてしまったケーキ。
さまざまな「失敗」を、皆さんされていると思います。
私自身、失敗作によく出会う趣味の1つとして「絵を描くこと」があります。
今でこそ、お絵かきソフトが普及してきたため、所定の作業過程を保存さえしなければ、やり直しが効きます。
ですが「アナログ絵を描く」ことは、そうはいきません。
修正が効くのは、極端に言ってしまうと「鉛筆で描く段階まで」です。
この後には、ほぼ修正が効かない「ペン入れ」が待っていて、塗る箇所を間違えると、ある意味一環の終わりとも言える「色塗り」が待っているのです。
ペン入れで、思いっきり顔に入れちゃいけない線を引いてしまったり、肌の色を塗るはずだった所を、服と勘違いして寒色を塗ってしまったせいで、明らかに塗り方を間違えただろう絵を、描いてしまったこともあります。
気に入る構図で描けていたのに、色塗りまで完成したのに、そのわずかな間違いで、気分はダダ下がりです。
私は、両手でその絵を持って、改めて全体を眺めます。
ここ描くの、資料を見ながら頑張ったんだよね・・・
この部分の色、めちゃくちゃ迷って結局この色にしたよね・・・
と、制作過程で色々と感じたことを、思い出します。
そして、
「出してあげられなくて、ごめんね。」
と言いながら、躊躇なく修理不可能なところまで、破きます。
そして、気を取り直して、再び描き始めます。
私に描かれて、みんなにお披露目されるはずだったその作品は、もうありません。
日の目に触れることがなかったそれは、私の胸の中だけに、大切にしまわれています。
その砕け散った作品には、自分への「作品を創る」ということに関しての、「自戒」と「励まし」の意味を込めています。
自戒は「次はこの部分を気を付けて描く」とか「間違えそうだったら、うっすらとでも字で色を示しておく」といった、改善策を思考する部分です。
励ましは「ここまで描けていたんだから、次はもっと素敵な絵が描ける」とか「○○さんが絵を待っていてくれているんだから、ほら、進まなきゃ!」という、自分の「趣味の歩みを止めさせないため」のものです。
こうした後で描く絵は、自分の中では傑作になっていたり、あげる人に非常に喜ばれることが多いです。
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人によっては、
「別にそこまでしなくていいんじゃない?」とか
「それって完璧主義なだけじゃないの?」
と思われるでしょう。
そうかもしれません。見方によっては、ただの自己満なのかもしれません。
ですが、私に描いて欲しいと言ってくれる人のことを考えると、
「実はここ、失敗しちゃったんだー。あはっ、ごめん♪」
なんて、どこかで思うような作品は、渡したくないし、受け取って欲しくもありません。
身内であれ、友人であれ「絵が欲しい」と言ってくれる人は、絵から感じられる「何か」を受け取ってくれていて、自分の「楽しい」「嬉しい」「好き」な気持ちを満たしたいと思うことの、1つだと思うのです。
そう思ってくれる相手が、私の作品を「好きなモノ」として、自分の心を潤す一部にしてくれようとしているところに、
「まぁ、いっか。」
「仕方ないか。」
「友達だし、許してくれるよね。」
と思うものを渡すのは、完成を楽しみに待っていてくれた、相手に対して失礼だと考えるからです。
絵を描くことのみならず、1から形あるものを創ることは、それなりの時間と技術、材料がなくてはできません。
それだけではなく、作り手の作品に対する情熱や愛がなければ、受け手の「好きな人からいただける、好きなもので満たされたい」という思いがなければ、そもそも「○○さんの絵が欲しいです!」「わかりました、ちょっと待っててくださいね!」なんてやりとりは、成立しません。
「失敗したっていいんだよ。」
優しい友人は、そう言ってくれます。
すごく嬉しいし、励みになるし、少しずつ自信も、持てるようになります。
私の性格を知っていて、そう言ってくれるのです。
本当に、ありがとう。
でもね、あなたに渡すから「失敗した」なんて思ったものは、渡せない。
あなたは、私の絵の練習台なんかじゃない。
その時点の「自分の最高」を込めたモノを、送りたいと思える人。
だから私は、人に渡せない、いわゆる「失敗」したものは、陰も形もなくしてしまいます。
これから先、日の目を見ないまま置いておくのは、過去に頑張って描いた自分を傷付けることになってしまいます。
ですが、その思いは引き継ぎます。
作品は、自分が諦めない限り、生まれ変わって創ることができますから。
あなたの頑張りは、一番私が見ているからね。
よく頑張ったね。
・・・・ありがとう、おやすみなさい、私の絵。
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トップ画像は かなかな様 からお借りしました。
ありがとうございました!
それでは、今日はここまでです。
皆さん、いい創作活動との出逢いを。
クリエイターの活動費として、使わせていただきます。 また、日本を中心とした、伝統文化を守り後世にも残して参りたいですので、その保護活動費としても使わせていただきます。