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雑記

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#クラシック音楽

会話による自己成長

今日は結婚式に参列してきた。長年お世話になっている大学の先輩の晴れ舞台に立ち会うことができて大変幸せだった。

披露宴が始まりしばらくすると、一緒に参列していた友人との話題も少なくなってきたので、隣に座っていた見ず知らずの女性に話しかけてみた。すると彼女は私と同じ大学出身らしく、それを軸に色々話していたらいつの間にかドイツの話になり、そこからノイシュバンシュタイン城→ルートヴィヒ2世→ワーグナー→

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京都での愉快な思い出

先週から紅葉狩りとオペレッタ鑑賞のために京都にきている。京都は昨年5月から定期的に訪れているが、毎度新たな発見があり本当に楽しい。京都特有の、真冬の突き刺すような寒さを予感させる気候ではあるが、11月中旬現在は比較的過ごしやすい。
さて、まだ旅の最中ではあるが、今回はその中でも特に印象に残っていることを綴っていきたい。

京都市内にある有名な作庭家の旧居があるのだが、観光用に一般公開されており、そ

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音楽家の分類

哲学者バーリンの著書に『ハリネズミと狐』というものがある。文学者や哲学者などをハリネズミと狐の二つに分類し、ざっくりと言えば前者は世界の普遍を追求する者、後者を世界を構成する事物の多様性をありのままに描く者としている。

▼バーリンが挙げている例▼
・ハリネズミ→ダンテ、プラトン、パスカル、ヘーゲル、ドストエフスキー、ニーチェ等
・狐→ゲーテ、バルザック、アリストテレス等

ドストエフスキーはちょ

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不朽の名曲ってこういうものか

私が朝の目覚ましに使っている音楽はマーラー5番のアダージェット。この曲は何度聴いても悲痛が胸に広がる。それも、マーラーを聴くときにしか体験できない特異な悲痛。

この曲を目覚ましに設定しているのは毎朝そういった悲痛を感じたいからではなく、単純に導入の旋律が優しく徐々に音楽が高揚していくため、寝起きに丁度いいからだ。

ただ難点がある。寝起きは本当に辛いので、この曲が嫌いになってしまうというリスクは

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【感想】7/15 神奈川フィル/小泉指揮

昨日は神奈川フィル/小泉指揮のこちらの演奏会へ。

ベートーヴェン8番とブラームス4番という幾度も聴いた定番のプログラムのため、私はいくつもりが全くなかったのだが、相方が行きたいというので内心渋々チケットを購入。

ところが前半のベートーヴェン8番はそんな気分を吹っ飛ばしてくれた。ハッとさせられるような1楽章の轟く一音に始まり、嵐のような展開部、茶目っ気たっぷりの再現部など、襞に隠された魅力を一つ

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6/25 シューベルト「ザ・グレイト」👏

本日は東京交響楽団×ミケーレ・マリオッティ指揮の演奏会へ。

前半はモーツァルトのピアノ協奏曲21番、後半はシューベルト「ザ・グレイト」。久々にとんでもない演奏会に出会ってしまった。

まずモーツァルトから感想を。
短いフレーズを繰り返したり、引き延ばしたり、それが難しくなると転調して全く異なる展開へと連なっていったりするものの、それが一つの統一感のある音楽になってしまう、このモーツァルトの手腕に

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2回目の新国「リゴレット」へ

昨日は仕事を休んで、2回目の新国立劇場「リゴレット」(オペラ)へ。先日別の記事で感想は書いたが、今回も文句なしの超絶名演。終始舌をグルグル巻いていた。

やはり指揮のベニーニの指示は非常に明瞭で、オーケストラの東フィルも素直に応えていることもあり、「リゴレット」に欲しい音がそのまま表現されていた。

本作を超簡単にまとめると、

このようにあまりにも惨い悲劇なので、素晴らしい演奏に引き立てられたド

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新国立劇場「リゴレット」感想

本日は新国立劇場でオペラ、ヴェルディ「リゴレット」を鑑賞。平日夜の公演なので、仕事終えてから会場に向かうのが少々面倒だったが、とんでもない名演だった。帰りの電車で放心状態になりながら記録を残しておく。

「リゴレット」はヴェルディ中期の傑作と言われており、一度演奏を聴けばその素晴らしさに脱帽するしかなくなる。珍しく台本と音楽が寸分のズレなく噛み合っているオペラではないか。

今日の演奏では、指揮の

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5/13 音楽鑑賞記録

本日は2つの演奏会に足を運んだ。誘われない限り自分では絶対に行かないプログラムだったが、それ故にいつもとは違う新鮮な音楽体験であった。

①日本フィルハーモニー/カーチュン・ウォン指揮ミャスコフスキー 交響曲第21番

大曲をコンパクトに聴いたような感じ。マイナーな曲ながらも、数ある名曲に比肩するように感じたが、何がその差をつくっているのかという疑問が拭えない。音楽技法など細かい知識を持たない素人

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葬送行進曲とレンブラント

葬送行進曲とレンブラント

これまで何度もベートーヴェンの交響曲第3番が好きって話をしてきたけど、とは言っても第2楽章の葬送行進曲は一向に好きになれない。

そんな中ふと出会った、ウィーンフィルとフルトヴェングラーの公演には度肝を抜かれた。まるで暗闇の中からほのかな光がぼわっと顔を出しては再び闇に溶けていくような。まさにレンブラントの絵画のような。絵を見るように音楽を聴くという体験は初めて。

「曲×指揮者×楽団×… 」と無

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モーツァルト『ジュピター』、ヤバい

仕事終わりに目を閉じて、40分ほどモーツァルトの交響曲41番を聴いた。久々に聴いたんだけど、これはヤバい。いや、ヤバい。やっぱり、ヤバい。特に第4楽章。

有名な逸話だが、このヤバさについて作曲家のリヒャルト・シュトラウスはこんなことを言っている。

私が聴いた音楽の中で最も偉大なものである。終曲のフーガを聞いたとき、私は天国にいるかの思いがした。

第4楽章はひたすら「ド〜レ〜ファ〜ミ」で畳みか

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クラシック音楽が繋ぐ狭い絆

数ヶ月前からどハマりしているクラシック音楽。ただ厄介なことに、今時クラシックはサブカルとも言えるほど聴く人が少なく、聴きはすれど誰かと語り合うことは一切なかった。

そんな中、驚いたことに会社と同僚とお客さんにクラシックに造詣が深い方がいらっしゃって、ここぞとばかりに喋り倒した。同僚とは夜通し語り合ったし、お客さんとは共通の趣味を通して一気に距離を詰めることができた。
サブカル好き同士が強固な繋が

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ブラームスの交響曲

最近聴いている音楽は専らブラームスの交響曲1番と4番。どちらも鉛のように重い調子から徐々に明るさを取り入れながら、終いには曇天を切り抜けて煌々たる天へと導かれるような音楽だと思う。ベートーヴェン交響曲6番の、荒れ狂う嵐の後に捧ぐ神への感謝とどこか近しいものを感じる。

名曲解説ライブラリーのブラームスとベートーヴェンを比較して読むと面白いかも知れないなー。

(余談…今ディズニーランドへ向かいなが

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関心が世界を広げる

僕はよく古本屋に行く。たとえ同じ古本屋であっても、行くたびに新たな発見をすることが多い。なぜなら、日々関心が広がることで今まで見過ごしていた本が見えてくるからだ。言い換えれば、新たな関心によって今まで見過ごしてきた本が本棚から煌々と光り出して、「私を手に取ってみて!」と語りかけてくるようだ。例えば、ここ最近まで関心がなかった音楽にハマった途端に、古本屋の本棚から音楽の本が語りかけてくるようになった

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