記事一覧
【読書感想文】実験の民主主義
諸課題を解決するうえでも、市民の声を聴くのが大事だという思いがある。民主主義というか、市民の活動が個人的に重要だと思っているが、それが”いい”のかは立ち止まって考えるべきだと思っていた。つまり、自分たちにとっていいことが全体としていいのかは分からない。その意味で、宇野の本を手に取った。理論的にそれでいいのかを政治学者の目線でも語っていないかと。
一言でいえば、それについては、複雑化された現在におい
何のスマート化か。-読書感想文「スマート・イナフ・シティ」
スマートシティという言葉自体、現在バズワードになって久しく、
政府がデジタル田園都市構想によって、都市のスマート化を後押ししている。
よく引き合いに出されるトロントにおけるスマートシティの失敗について、
政治的なプロセスが全く行われずに、提携企業が選定されたことが原因として挙げられている。*1
こういうことが起きないように市民と合意形成をしながら、スマートシティ化を推し進める必要がある。
*1
【読書感想文】差別はいけないとみんないうけれど
基本的にはロールズの正議論に則り、「正体が無知のヴェールに包まれた状態」におけるものに立脚していたいものの、生得的な違いなどにより、平等ではない事実(女性のほうが感情的だったりすることを裏付けるデータだったり、人種によってIQ平均値の統計的な差異が認められていることなど)により、それが上っ面な正義でしかないことが明らかになってきた。また、女性の平等を求めたとしても、それに見合う効能とコストがあるの
もっとみる15年ぶりの従兄弟との再会
昨日、父方の従兄弟に会い、ごはんを食べた。実に、15年ぶりとかくらいだった。小さい頃はよく会っていて、兄弟のような関係性だと思っていた記憶がある。従兄弟と会えるというのは、妙にイベント感が高くて、当時、父方の家に遊びに行ったときは、母親はすぐ帰っても、残って数日家に入り浸っていたような気がする。
親の離婚で母側に引き取られた自分は、父方との関係が崩れてしまい、そこから15年くらいは会えていなかっ
映画「ハッピーアワー」
重心の探り合い。人を頼ること、だれかとの間にある正中線に身を置くこと。それが幸福の時間である。というのが映画「ハッピーアワー」のそのタイトルの意味と言える。くだらない飲み会、夫婦生活のような、自分の行動が相手を慮ったり想像したりして発生する時間。自分の行う行動の動機が主体性の内にはなく、その関係性の間、間主観的に存在している状態。そういう状態を幸せというのではないかと提示する。
自立しすぎていた公