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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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2024年2月の記事一覧

はっきりした「ドル建日経平均」戦略 - 注目すべきは「FX」フロー

はっきりした「ドル建日経平均」戦略 - 注目すべきは「FX」フロー

 今日(2/29)の「ドル円」と「日経平均」の動きは興味深かった:

 この連関がはっきり出た

 ドルベースの海外投資家やファンドにとっては「ドル建日経平均」はまあ当然と言えば当然の戦略。ちなみに現在は@$260.00程度。ここで注目すべきなのは「ドル建日経平均・キャリートレード」とも呼ぶべき「レバレッジ取引」が膨らんでいる事だ。主役はHF(ヘッジファンド)

 毎日毎日「収益」「実績」を求めら

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「過剰流動性」が生んだ "怪物" ビットコイン

「過剰流動性」が生んだ "怪物" ビットコイン

 不気味に上がり続けるビットコイン(BTC)。ブロックチェーンとか半減期とかマイニングに電力を消費するとか、とにかく断片的な知識しかない筆者にはいくら値が上がっても手が出ない代物。まあ「わからないものには投資しない」を是としてきたので、価格形成メカニズムが不明のまま「お金」を投じることはできない

 「テスラ」とBTCとWTI。ー 「過剰流動性」はどの程度影響していたのか。|損切丸 (note.c

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JGBの ”怪” -「利上げ」確実なのに金利が下がる不思議

JGBの ”怪” -「利上げ」確実なのに金利が下がる不思議

 植田総裁が「インフレ」と言い切ってちょっと驚いた。これは明確な方針転換で、余程のことが無い限り3~4月での「マイナス金利解除」は確定

 さぞやJGB(日本国債)を売りに来るかと思いきや、20~30年の超長期ゾーンはむしろ金利が低下。確かに決算期の2~3月は4月からの新年度に向けて生損保などがJGB残高を積み増す時期ではある。だが、それにしても…

 やはり まだまだもの凄い「金融緩和」-まるで

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「金利」の ”磁力”

「金利」の ”磁力”

 米国債の動きを見ながら売り(金利上昇)→ ドル買い、買い(金利低下)→ドル売り、で日々短期トレードを一所懸命手掛けているデイトレーダーには申し訳ないが、1980~1990年代に「ドル安・株安・米国債安」のトリプル安を散々見てきた「損切丸」は ↑ のイメージ

 例えば日本人が為替リスクを負って米国債を買う場合、金利が上がって新規に買う場合はいいが、例えば@3%台で手を出した投資家にとって米国債下

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「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 一体誰が困るのか?

「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 一体誰が困るのか?

 「行って欲しくない方に動く」相場の原理。ー 「損切り」が動かすマーケット。|損切丸 (note.com) の2024年版

 悪い ”胸騒ぎ” |損切丸 (note.com) が収まらない「損切丸」。経験則からこういう時相場は「行って欲しくない方に動く」。

 ポイントは一体誰が困るのか?

 1.インフレ+金利上昇
 これは「インフレ体質」で「借金過多」の欧米が一番困る。マーケットでは一生懸命

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逃げ出す「お金」。向かう先は...@2024

逃げ出す「お金」。向かう先は...@2024

 海外からの対中国直接投資が2023年は前年比▼80%以上も減ったという。不思議なのは中国政府がこんなやばそうなデータをわざわざ公表したこと。疑念を持たれている前期GDP+5.2%を発表した後だけに真意を測りかねる

 投資の減少は海外からの「お金」の受け皿として機能してきた香港ハンセン指数のチャートとピタリ符合する

 最近のメディアの報道もおかしい。「春節」絡みでも ”延べ” 90億人が移動す

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日本が「リセッション」入り? - 「相場」が売買するのは「将来」

日本が「リセッション」入り? - 「相場」が売買するのは「将来」

 欧米ではこう定義されている。日本が「リセッション」入り?

 どうも「違和感」がある

 「リセッション」として筆者が強烈に覚えているのは、香港から帰国後の1995~1998年、まさに「金融危機」の待っただ中。「山一証券破綻」「北海道拓殖銀行破綻」(共に1997)と史上初の大手金融機関破綻が続き日本人に与えたショックは尋常ではなかった。今でも忘れられないのは金曜の夜なのに人もまばらでネオンが消え

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「流れ」と「需給」と「偏り」- AIと相場の相性

「流れ」と「需給」と「偏り」- AIと相場の相性

 筆者は理系でもないのでコンピューターや高等数学には疎い。仕事柄「クォンツ」など理論派の掲げる投資システムに触れることもあったが、はっきり言ってチンプンカンプン(苦笑)。Java、C++、Python等プログラミング言語など知る由もないが、基本「0」と「1」の組み合わせでそれをどんどん細分化していくことで複雑な算式が成り立っていると理解している

 相場も基本「買い」と「売り」しかない。だから一見

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やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。

やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。

 やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” 。|損切丸 (note.com) の続編として

 悪い ”胸騒ぎ” |損切丸 (note.com) 前稿.「お金」の価値 - "一度一方方向に走り出すと止まらない日本人" |損切丸 (note.com) で金利急騰のリスクを指摘した途端に厳しい数字が出た:

 米CPIは実は驚くような数字ではない。直近の様々な指標から「人件費」の再上昇は示唆され

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「お金」の価値 - "一度一方向に走り出すと止まらない日本人"

「お金」の価値 - "一度一方向に走り出すと止まらない日本人"

 悪い ”胸騒ぎ” |損切丸 (note.com) について筆者自身もその理由を自問してみた。1つの結論が、人々、特に1,000兆円もの「預金」を抱える日本人が「お金」の価値に目覚めてしまったことが原因ではないか

 半年前ぐらいまでは「お給料」が上がらない生活苦を「日本はデフレ」と言い張って聞かない一派が存在したが、さすがに消えつつある。「失われた30年」=「デフレ」では支出を抑えて我慢すれば持

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悪い ”胸騒ぎ”

悪い ”胸騒ぎ”

 日経平均は連日「バブル後最高値」、S&Pも@5,000ドル台、何もかもが順調に進んでいるように見えるが、筆者には漠然と悪い ”胸騒ぎ” が押し寄せている。今回はこれといって具体的なデータの裏付けはないが、まあ ”天邪鬼” な元・金利トレーダーの習性かもしれない

 やはり主因はモゾモゾと上がっている「金利」。米雇用統計やISM指数など「インフレ」復活を想定させる指標が相次ぎ、一時傾斜のきつい「逆

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「いつも買う相手」のいる有り難み - 今度は「インフレの免罪符」

「いつも買う相手」のいる有り難み - 今度は「インフレの免罪符」

 この発言を聞いてほっと胸をなで下ろしているのは、顧客の売買注文に価格提示をする義務を負うJGB(Japanese Government Bond、日本国債)のマーケットメーカーだろう。アメリカのように+0.75%×連続3回なんて「世紀の利上げ」をされたら堪ったものではない。それこそシリコンバレー銀行(SVB)のように潰れてしまう

 日本の国債市場でもアメリカに倣って「プラマリーディーラー制度」

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遂に「お金」が足りなくなった?日銀

遂に「お金」が足りなくなった?日銀

 短期資金を取り扱った経験のあるトレーダーならこれは ”事件” 。資金需給の逼迫から日銀が「資金供給」したことになる。確かに2/2、5のTONAR(無担保O/N平均金利)は@▼0.008%まで上昇、ゼロに近付いている

 「損切丸」では「日銀バランスシート」をずっと追いかけているが、最近気になっているのが資産:①貸出、負債:②政府預金③その他預金

 直近の1月末がこう ↓

 まず①貸出が減らな

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米国「株」本当に強い? - ”マグニフィセント7” その影響力は?

米国「株」本当に強い? - ”マグニフィセント7” その影響力は?

 米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com) からの続編

 筆者は株は素人同然なので詳説は専門家にお任せするが、昨今の米株はいわゆる ”マグニフィセント7” (通称M7)の影響が大きいという。直近の株価上昇率が約+80%というから驚異的。時価総額合計は約30兆ドルもあり米株全体の3割。世界的な株価指標MSCIでもM7の比率が日本、中国、英国、フランス株を合わせた額より大きい ↓ と

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