記事一覧
降り注ぐ雨になりたくて
結構インターネットでは死にたくなっている人が散見される。
彼や彼女らの悲しみや絶望はこれっぽっちも俺にはわからないんだけれど、それでも俺がちょっとだけ、彼らの絶望にちょっとだけ、寄り添ってみたほうがいいのかもと過ぎるのは誰にも何も言わずに死んだ女のせいなのかもしれない。
その女との出会いは大学三年か四年の頃、仙台のバーだか居酒屋でバンド仲間主催の飲み会だった。
小説みたいな話で恐縮だけ
北の景色に魅せられて思わず
俺は選択の岐路に立たされていた。
18歳夏の暮れ、高校三年生の確かお盆明け、八月二十日くらいだっただろうか。
気まぐれにオープンキャンパスに行ったものの、進路の話を微塵もしない息子を不安に思ったのか、もしくは何かの気まぐれか、珍しく両親が二つの大学のパンフレットを差し出してきた。
「お前はちょっとおかしな人間だから、大学もおかしいところに行くべきだと思う。交通費は出してやるから素泊ま
あんまり知らない場所で過ごす想像をしたりして
ことみちゃんと俺は小田急に乗ってオープンキャンパスに向かっていた。
大学に行かない予定のことみちゃんがオープンキャンパスに行きたくなったときの話
ことみちゃんのこの夏にやりたいこと、最後の一つはオープンキャンパスに行くことだった。
進学のことを1秒だって考えたことがなかった俺は、密かにバイトで貯めていた金を使ってノルウェーとかフィンランドにワーキングホリデーに行っちゃおうかな、と母親