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詩みたいなもの

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Untitled

1ヶ月に一度以上は

必ずこんな夜がやってくる

何ともわからない不安感に駆られ

焦燥感を覚え

孤独を味わう

そんな夜だ

一度眠ってしまえれば

その先は楽なものだが

97%の確率で意識を手放すことが困難だ

今夜の私はこう考える

水の中に溺れてしまいたい

苦しまずに

あの私を冷たく包み込む世界で

体の隅々まで侵食されながら

水面を眺めその光を見つめていられたなら

私はもう孤

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SOS

「助けて」と言えない私のSOSは

今日も沈んだまま

誰も見つけてくれなかった

もしかしたら拾われなかっただけなのか

似たような救助信号は

海の上にたくさん浮かんでいる

必死に助けを呼ぼうと光ってはみるが

より強い光に消されて

そうしているうちに沈んでいく

それとも周りがそんなSOSに慣れてしまっただけなのか

誰も何も手を差し伸べない

オオカミ少年とはよく言ったもので

虚言癖

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一生のお願い

ねぇ、一生のお願いがあるの

よく使ったよね、小さい時に

何気ない事に「一生のお願いだから!」って言ってた

懐かしいな

大した事じゃなくても、その時の私にとっては大した事だったんだろうね

今は一生のお願いを使ってもなかなか叶わない願いばかり

あれって叶うから使ってたんだなって最近気付いたよ

でもそれよりも、一生のお願いを使うほどの大したお願いがなくなった事の方が、それを使わなくなった理

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好きだった人の話をしよう。

好きだった人の話をしよう。

好きだった人の話をしよう。

彼は私の7つ歳上だった。

私が高校生の時、彼は大学生だった。

彼は少し変わっていた。

いや、純粋だった。

浪人して、留年もした。

それでやっと次、卒業次年度だ、というところで

別の学科に編入し直した。

やっぱりこっちの勉強がしたいからって。

学年的には私の1つ上になった。

そんな彼に私は憧れていた。

尊敬していたんだ。

好きだった人の話をしよう。

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進めない

進めない

4月に部活で学校にいた私が出会った

今思えばスーツ姿のあなたに、教室で出会ったあの時から魅かれていた

そこからまさか担任になるなんて思ってもなかった

先生にとって初めての1年

私にとってかけがえのない1年

前者はわかりきっていたけど、後者はそこまでとは思ってなかった

気づかない内に好きになってた

理科が大好きな所も

字がそんなにきれいじゃない所も

しわを寄せて笑う顔も

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Untitled

Untitled

頭の中がぐちゃぐちゃで、空っぽで

寝たいけど、寝れなくて

深夜の戯言なので

いつものルーティーンみたいなものがなくなると、何をすればいいかわからなくなって

こんな時こそ、本読んだり映画みたり自分の時間を楽しむのがいいと思うんだけど

忙しい時に無理矢理するその時間が好きだから

今、時間がある今、やろうとは思えなくて

こんな時相手になってくれる恋人とかいればいいのになって思うんだけど

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腕時計

腕時計を変えた

新しい時計

ちょっと奮発したいい買い物

身なりはちゃんとするべきだと思ってて

服は自分をよく見せてくれる

髪は清潔感やこなれ感を出してくれる

化粧は私を堂々と見せてくれる

靴は私を素敵な場所に連れて行ってくれる

じゃあ腕時計は?

腕時計は私の過ごす時間を新しくしてくれる

あなたと過ごしていた時間とは違う時間を

新しい私の時間を

新しく刻みはじめる

前に進む

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ネイル

ネイル

女の子の爪はキラキラしてる

私の爪もキラキラさせる
彼に会う時は必ず

彼の前では爪先まで可愛くいたいと思って、少しでもずれると、よれると、やり直し

芸術品みたいに、丁寧に丁寧に塗る

赤とかピンクとかラメとか
ほんとは青とかも塗りたいけど、今日は我慢

少しでも女の子らしく、かわいい配色で

気づいてくれるかな
そんな気持ちでうずうずしながら塗る
女の子の夜

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生存教唆

人に対して、自殺のお手伝いをすることは、犯罪である

間違いない

死にたい人に対して、生きようとさせることは、いいことである

本当か?

私はそうは思えない

生きたい人に生きる権利があるように、死にたい人にも死ぬ権利はあると思う

死にたい人に、生きろよ!って言うのは、生きたい人に、死ねよ!と言うことと何が違うのかな

わかんないや

死にたい人にとって、生きろって言われるのは苦痛だよね

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ガチ恋2

好きだったの

画面の向こう側の、ステージの向こう側のあなたが好きだったの

痛いと言われても、表面上のあなただってわかってても好きだったんです

でも、今、等身大の人間を見て絶望して、こんな人好きじゃないって思ってる

人としてクソで、好きになれないと思った

こんな人嫌いだ

嫌いだ

嫌いなはずなのに

嫌いになれない

いつも通りの画面の向こう側のあなたが、憎めない

期待しちゃう

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りんご飴と彼女

りんご飴と彼女

彼女は春が似合う
そう思っていた

僕が彼女に一目惚れしたのも、桜並木が満開だった頃だった
桜のピンクと彼女の肌がよく馴染んでいた事を、今でも鮮明に覚えている

出会ってから9ヶ月後に付き合いはじめた
彼女に一目惚れした時の話をすると、彼女自身春が1番好きだと、答えていた
なんとなく直感が通じ合ったようで嬉しかった

彼女と付き合いはじめて、はじめての春が終わった
夏の気配がやってくると同時に、少

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恋

気づいてしまった

私、ずっと好きだったんだ

日常で会うことがなくなって1年が経ち、飲み会で再開すると変わらない笑顔が見られた

憧れの先輩には変わりなく、今もあのきれいな彼女さんと遠距離恋愛が続いているらしい
もう4年の付き合いだそうで

会社でのお仕事も順調なようで、就活に使えそうな情報を教えてくれた
相変わらずちゃんと目を見て話してくれるし、話を聴いてくれる
あの時から変わらない、人として

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少女の世界

少女の世界

毎日が色づいていたあの頃、それでもなお死にたいと思っていた時、今思えば誰よりも何よりも、私は輝いていた。
今になってみると、教室の椅子と机はもう小さくなったけど、あの床と擦れる音は何も変わっていなくて、ただ私の足音が変わってしまっただけだった。
あの時入れなかった扉の先も、今は未知で満ちていなくて教科書の中の世界になってしまった。
あの時抱いていた感情も、使い慣れたシャンプーで、なかなか変えられず

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隣には

僕は今日も1人で眠りにつく。
彼女が居なくなってからはずっと、毎日同じような生活を送っている。

正直、生きる気力をなくしたみたいだ。
隣には誰も居ない。
ずっと居て欲しいと思っていた人が居ない。
ずっと隣にいてくれると、約束した人が居ない。

こんな悲しい事なんて他にないよな、と心の中で彼女に語りかけてみても、返事が帰ってくるはずもない。

部屋はまだ彼女が居た時から、何も変わっていない。
時折

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