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天草生活原色図鑑 電子版

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熊本・天草での暮らしを通じて出会った人々や場所、出来事を撮影しwebマガジンとして発行しています。
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記事一覧

第16号 浮かばぬ言葉

第16号 浮かばぬ言葉



 散々ながらも愉快な一ヶ月を過ごしている。人生初のギックリ腰から始まる怒涛の健康絶不調。毎週の様に風邪をひく有り様に、我がことながら随分と呆れ返る日々だった。季節の変わり目だとかそんな話ではないくらいに体の調子を制御できずにいる。

 健康面の不調は何のその、日々を縦位置で撮ることは好調そのものだ。これまでもこういう風に写真だけが好調な時はあったが、そんな時はとにかく撮りまくることに限る。

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第15号 今日の写真

第15号 今日の写真



 8月12日からふと思い立ち、毎日その日に撮った写真をSNSに上げることにした。だからという訳もなく、相も変わらず何の変哲もない日常の連続を撮り続けている。7月に開催した写真展『一路』で縦位置の作品を出すことに腹を括れたことで、より一層縦位置ばかりを撮る様になった。

 これまでとは逆に、横位置の写真を仕事以外では全くと言っていいほどに撮らなくなっている。もう少しで写真を本格的に始めてから20

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第14号 写真集 『一路』

第14号 写真集 『一路』

 今号では、2017年の10月に刊行した写真集『一路』について触れる。この本は、私が2012年より参加している「GRAF Publishers」と『九州』をテーマの柱として掲げ、写真誌を発行し国内外で精力的に発表活動を行っているレーベル「写真同人誌 九州」の面々、そして私の師匠である写真家の権泰完らと共に作った写真集である。私のページでは天草各地の海岸を撮影した写真作品を11点掲載しており、来月に

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第13号 龍華園

第13号 龍華園

 天草市本渡の大浜町にある飲み屋通りの入り口に、なんとも私好みの中華料理店がある。その店の名は「龍華園(りゅうかえん)」だ。話を聞けば今年でなんと開業50周年とのこと。ある会話がきっかけとなり取材させていただける様になった。今号は私が大好きなお店のひとつを取り上げたい。

・初来店は2014年

 私が龍華園に初めて来店したのは2014年の12月。ある撮影仕事の打ち合わせの際、まずはお昼ご飯でもと

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第12号 牛深市街地

第12号 牛深市街地



 天草の南端に「牛深(うしぶか)」という街がある。私はその街の雰囲気がとても好きで、当宿の宿泊プランのひとつ「天草撮影案内プラン」でよく写真好きの客人達を牛深へと連れ出し、その街を歩き撮影することを奨めている。漁師町だけでない牛深の街並みの魅力を今号では伝えていきたい。

・天草撮影案内プラン

 その名称の通り、天草各所を撮影して回るプランであり、案内人は私である。これまでも、福岡・東京・大

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第11号 Switch Stance Riding

第11号 Switch Stance Riding



 天草の中心地である本渡(ほんど)の北側に、とても気になるバイクショップがある。その店の名は「Switch Stance Riding」といって、皆「SSR」と呼んでいる屋号には「スタンスにこだわらず新しいものを取り入れ切り替えていこう」といった意味が込められているそうだ。ぱっと外観を見る分には町の小さなバイク屋さんといった風情。だが、このお店に集まるバイカー達は少しばかり癖のある方々が多いよ

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第10号 天草大雪警報

第10号 天草大雪警報



 今季はとにかく冷える冬だ。第10号は、ここ数年天草に降ることが多くなった大雪についてふれたい。九州の中央の西側に位置する天草は暖かいところだというイメージを持つ方が多く、雪が降るとは驚きだという人も少なくない。子どもの頃から数年に一度、1日限りの雪化粧をするくらいといった記憶しかなかったが近年はなんだか様子が変わってきたようだ。本場の雪国の方々からすれば、まだまだ騒ぐ程ではない積雪量かもしれ

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第9号 金澤宏紀 / Hiroki KANAZAWA

第9号 金澤宏紀 / Hiroki KANAZAWA



 第9号は陶芸家・金澤宏紀を特集する。現在31歳の彼は、江戸末期より続く天草の老舗窯元のひとつ「丸尾焼(まるおやき)」の次男として生まれ、18歳より陶芸の道に入った。丸尾焼での仕事としての作陶、そして自身を表現する為の作陶を続けている。確かな仕事と共に、彼が持つ少しシニカルな部分と不思議な品格に惹かれている。そんな金澤宏紀の現在を、友人のひとりとして私なりにまとめようと思う。

・作品

 彼

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第8号 A look back at 2017

第8号 A look back at 2017



 2017年も気がつけば12月となっている。この月は私の生まれ月でもあり、本格的に上京した月も天草へ帰ってきたのも12月だ。この月には何かと起きがちである。今年の年末で故郷・天草での再生活は8年目だ。今年は、色々と新しいことが起きた年だった。本当の年の瀬までは、まだ半月ほどあるのだが、今年の自身の変化を手前勝手に振り返ってみようと思う。幾許かのご興味がございましたらお付合いいただきたい。こんな

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第7号 アマクサローネ&天草大陶磁器展 2017

第7号 アマクサローネ&天草大陶磁器展 2017



 毎年11月3日の文化の日の前後5日間に開催される天草の一大イベント「天草大陶磁器展」がある。私は、その日程を同じくして「アマクサローネ」というイベントも開催されており、その実行委員&記録係として2013年より参加している。今号では今年で10回目となる「アマクサローネ」と14回目の開催を迎えた「天草大陶磁器展」の模様を私なりにまとめてみようと思う。

・アマクサローネについてテーマ
「理想の生

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第6号 減電暮らし・城戸口家

第6号 減電暮らし・城戸口家



 「ある家族が電気を引かずに生活している、節約だとかそういう次元ではない、最先端の暮らしなんだ」そんな話を複数人から立て続けに聞いたことが始まりだった。果たして、この現代で電気を引かずに暮らせるのだろうか?冷蔵庫に照明、通信手段など生活や仕事に最低限必要なものは数え上げればキリがない様に思える。そして、そのほとんど全てに電気が使われていること。それ以外の方法は、とても困難で手間がかかるのではな

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第5号 MITSUNAGA AUTO INTERIOR & DESIGN

第5号 MITSUNAGA AUTO INTERIOR & DESIGN



 この世の中に、格好良さにこだわってカスタムした車は数あれど、その内装の隅々までこだわり抜いた車というものはどれ程の数があるだろうか。今号の特集は天草郡苓北町で車のインテリアやバイクのシートを手がけ、数多くの高い評価を受けている『MITSUNAGA AUTO INTERIOR & DESIGN』代表・光永栄司(みつなが えいじ)さんの仕事に迫る。

・来歴

 私と同じ苓北町出身の光永さんは、

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第4号 テナガエビ

第4号 テナガエビ



 第4号の特集は人でもなければ、場所でもない「テナガエビ」である。子どもの頃からこのエビを捕まえるのが好きだった。故郷に民宿を開業してから、なんとなく近所の川で久しぶりに捕まえてみるかと行ってみるとたくさんのエビがそこかしこにいる。懐かしさもあって夢中でエビを捕まえ、大人になってもこの遊びは面白いと感じた。それから夏になると、いそいそと川へ足を運ぶ様になった。

・テナガエビとは

 テナガエ

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第3号 白鶴浜海水浴場

第3号 白鶴浜海水浴場



 今号の特集は天草市天草町高浜にある「白鶴浜(しらつるはま)」という海水浴場だ。何年か前に、天草各所の海水浴場を撮影する仕事がきっかけで沢山の海水浴場を回ったが、その中でも特に白鶴浜は私が好きな海水浴場のひとつとなった。

・その名の由来

 天草下島の西側にある白鶴浜の由来は、天然の白砂の浜が1.3㎞あり、白い鶴が翼を広げたように見えることからその名がついたそうだ。ビーチの中央の岩場を挟んで

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